ジヒドロイソクマリン
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ジヒドロイソクマリン(dihydroisocoumarin)は、単一の化合物ではなく、3,4-ジヒドロイソクマリンの3位の水素の1つが、フェニル基やフェニル基の誘導体に置換された、化合物群の総称である。このため、ジヒドロイソクマリン類(英語:dihydroisocoumarins)と呼ばれる場合もある。
例
[編集]ジヒドロイソクマリン類は、天然に見出される化合物群であり、例えば、ジヒドロイソクマリン類にグルコースが結合した配糖体が、Caryocar glabrumなどで検出された[1]。
ヒドランゲノール
[編集]→詳細は「ヒドランゲノール」を参照
植物のアマチャ(Hydrangea macrophylla Seringe var. thunbergii)には、ヒドランゲノールの8位に結合している水酸基にグルコースがエーテル結合した配糖体であるヒドランゲノール-8-O-グルコシドが含有されている[2]。
フィロズルチン
[編集]→詳細は「フィロズルチン」を参照
植物のアマチャには、フィロズルチンの8位に結合している水酸基にグルコースがエーテル結合した配糖体であるフィロズルチン-8-O-グルコシドも含有されている[2]。なお、配糖体の状態では甘味を感じられないものの、グルコースが外れると甘味を感ずる[3]。フィロズルチンは、飲料の甘茶の甘味成分の1つである[注釈 1]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Magid, Abdulmagid Alabdul; Voutquenne-Nazabadioko, Laurence; Moroy, Gautier; Moretti, Christian; Lavaud, Catherine (2007). “Dihydroisocoumarin glucosides from stem bark of Caryocar glabrum”. Phytochemistry 68 (19): 2439-2443. doi:10.1016/j.phytochem.2007.05.011. PMID 17618658.
- ^ a b Matsuda, Hisashi; Simoda, Hiroshi; Yamahara, Johji; Yoshikawa, Masayuki (1999). “Effects of phyllodulcin, hydrangenol, and their 8-O-glucosides, and thunberginols A and F from Hydrangea macrophylla Seringe var. thunbergii Makino on passive cutaneous anaphylaxis reaction in rats.”. Biological & Pharmaceutical Bulletin 22 (8): 870-872. doi:10.1248/bpb.22.870. PMID 10480329. INIST:1959604.
- ^ “アマチャ” (html). 東邦大学 薬用植物園. 2012年5月27日閲覧。