ジフェニルジスルフィド
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ジフェニルジスルフィド | |
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Diphenyl disulfide | |
Disulfanyldibenzene | |
別称 Phenyl disulfide | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 882-33-7 |
PubChem | 13436 |
ChemSpider | 12861 |
ChEMBL | CHEMBL462861 |
RTECS番号 | SS6825000 |
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特性 | |
化学式 | C12H10S2 |
モル質量 | 218.36 g/mol |
示性式 | (C6H5S)2 |
外観 | 無色の結晶 |
密度 | ? g/cm3 |
融点 |
61–62 °C |
水への溶解度 | 溶けない |
その他溶媒への溶解度 | ジエチルエーテル, ベンゼン, 二硫化炭素, テトラヒドロフラン |
構造 | |
双極子モーメント | 0 D |
危険性 | |
主な危険性 | 可燃性 |
Rフレーズ | 36/37/38 |
Sフレーズ | 26 |
関連する物質 | |
関連物質 | C6H5SH, (CH3)2S2, ジフェニルジセレニド |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ジフェニルジスルフィド (diphenyl disulfide) は、有機硫黄化合物でジスルフィドのひとつ。省略して Ph2S2 とも書かれる。無色の結晶で、有機合成化学で用いられる最も有名なジスルフィドの一つである。チオフェノールが不純物として微量含まれるのが不快臭の原因である。水には溶けない。
合成と分子構造
[編集]ジフェニルジスルフィドは通常、チオフェノールの酸化でヨウ化水素と共に作られる。
また、過酸化水素も酸化剤として用いられる[1]。しかし、ジフェニルジスルフィド自体が安価であり、チオフェノールが不快臭を持つため実験室で合成されることはほとんどない。
反応
[編集]ジフェニルジスルフィドは有機合成化学においてフェニルチオ基 (PhS-) の供給源として用いられる[2]。典型的な反応ではエノラートを経由して、フェニルチオ基で置換されたカルボニル化合物を与える。
還元
[編集]ジフェニルジスルフィドはジスルフィド特有の還元反応を受ける。
水素化ホウ素ナトリウムや水素化トリエチルホウ素リチウム(スーパーヒドリド®)のようなヒドリド試薬もまた還元剤として用いられる。
チオラート塩の PhSM は、求核剤 PhS- の供給源である。ほとんどのハロゲン化アルキルはこれによって、スルフィド(チオエーテル)に転化する。また、水素化するとチオフェノールが得られる。
塩素化
[編集]ジフェニルジスルフィドは塩素と反応して、塩化フェニルスルフェニル PhSCl を与える。この化学種の単離は難しい。
酸化
[編集]メタノール中でジフェニルジスルフィドを酢酸鉛(IV)で酸化するとスルフィナイトエステル PhS(O)OMe を与える[3]。
出典
[編集]- ^ Ravikumar,K. S.; Kesavan, V.; Crousse, B.; Bonnet-Delpon, D.; Bégué, J.-P. (2003). "Mild and Selective Oxidation of Sulfur Compounds in Trifluoroethanol: Diphenyl Disulfide and Methyl Phenyl Sulfoxide". Organic Syntheses (英語). 80: 184.
- ^ Byers, J. H. "Diphenyl Disulfide" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York. DOI: 10.1002/047084289.
- ^ Field, L.; Locke, J. M. (1973). "Methyl Benzenesulfinate". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 5, p. 723