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スジホシムシ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スジホシムシ目から転送)
スジホシムシ科
スジホシムシ属の一種Sipunculus robustus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
亜界 : 真正後生動物亜界 Eumetazoa
階級なし : 旧口動物Protostomia
上門 : 冠輪動物上門 Lophotrochozoa
: 星口動物Sipuncula
: スジホシムシ綱 Sipunculidea
: スジホシムシ目 Sipunculiformes
: スジホシムシ科 Sipunculidae
学名
Sipunculidae
Rafinesque1814

スジホシムシ科(スジホシムシか、Sipunculidae)は星口動物スジホシムシ綱。5からなり、スジホシムシの唯一の科である。

スジホシムシ綱は触手が口を囲んで配列することで、サメハダホシムシ綱と区別できる。この綱にはスジホシムシ科のほかにフクロホシムシ目の3科が含まれるが、スジホシムシ科は体壁の筋肉のうち、縦筋が分離して束状になることで区別できる[1]

構成種

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属の特徴は西川[2]による。学名と分類体系はWorld Register of Marine Species[3]に従い、有効名とされるもののみを挙げた。

なお、2012年に発表された分子系統学に基づく分類体系では、スジホシムシモドキ属Siphonomecusの2属は新科Siphonosomatidaeに分類され、Phascolopsisフクロホシムシ科に移されたため、本科に含まれるのはスジホシムシ属Xenosiphonの2属のみとなっている[4]

Phascolopsis

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Phascolopsis (Fisher, 1950)は、この科の他属と同様に縦筋は分離するが、環筋は分離しないのが特徴。

Siphonomecus

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Siphonomecus Fisher, 1947をはじめ、上記のPhascolopsis以外の4属では縦筋に加えて環筋も分離し、束になる。加えて、本属はその筋肉の束が合流と分岐を繰り返すこと、腸管と体壁を繋ぐ紡錘筋が体幹の後端まで伸びること、陥入吻に繋がる牽引筋が2本しかないことで他属と識別できる。

  • Siphonomecus multicinctus Fisher, 1947

スジホシムシモドキ属

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スジホシムシモドキ属Siphonosoma Spengel, 1912では、上記のSiphonomecusと同じく、縦筋と環筋の束は頻繁に合流・分岐し、紡錘筋は体幹の後端まで伸びる。しかし、牽引筋が4本あることで区別できる。

スジホシムシ属

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広西チワン族自治区北海市産のスジホシムシ

スジホシムシ属Sipunculus Linnaeus1766の環筋・縦筋は前2属と同様に束になるが、その束は合流や分岐をほとんどしない。また、紡錘筋は後端まで伸びずに、腸管の螺旋のなかで消失する。下記のXenosiphonとは、本属では腸の前端がよじれたループになることで識別できる。Austrosiphon (Fisher, 1954)とSipunculus Linnaeus1766の2亜属に分類される。

  • Sipunculus (Austrosiphon) indicus Peters1850
  • Sipunculus (Austrosiphon) mundanus Selenka & Bülow, 1883
  • Sipunculus (Sipunculus) angasoides Chen, 1963
  • Sipunculus (Sipunculus) lomonossovi Murina, 1968
  • Sipunculus (Sipunculus) longipapillosus Murina, 1968
  • Sipunculus (Sipunculus) marcusi Ditadi, 1976
  • Sipunculus (Sipunculus) norvegicus Danielssen, 1869
  • Sipunculus (Sipunculus) nudus Linnaeus1766 - スジホシムシ
  • Sipunculus (Sipunculus) phalloides Pallas1774
    • Sipunculus (Sipunculus) phalloides inclusus Sluiter, 1902
    • Sipunculus (Sipunculus) phalloides phalloides (Pallas1774)
  • Sipunculus (Sipunculus) polymyotus Fisher, 1947
  • Sipunculus (Sipunculus) robustus Keferstein1865

Xenosiphon

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Xenosiphon Fisher, 1947では、筋肉の特徴は上記のスジホシムシ属と一致するが、腸の前端はループにならない。

  • Xenosiphon absconditus Saiz, 1984
  • Xenosiphon branchiatus (Fischer, 1894)

参考文献

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  1. ^ 西川輝昭 著「星口動物門」、白山義久(編集) 編『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』岩槻邦男・馬渡峻輔(監修)、裳華房、2000年、194頁。ISBN 4785358289 
  2. ^ 西川輝昭 著「星口動物門 Sipuncula」、西村三郎(編著) 編『原色検索 日本海岸動物図鑑』 I、保育社、1992年、300-301頁。ISBN 4586302011 
  3. ^ Saiz-Salinas, J (2011年). “Sipunculidae”. World Sipuncula database. 2011年8月25日閲覧。下位分類群については同データベース内のそれぞれのページを参照。
  4. ^ Kawauchi, Gisele Y.; Sharma, Prashant P.; Giribet, Gonzalo (2012). “Sipunculan phylogeny based on six genes, with a new classification and the descriptions of two new families”. Zoologica Scripta英語版 41 (2): 186-210. doi:10.1111/j.1463-6409.2011.00507.x.