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スマートロック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スマートロックとは、既存の錠をなんらかの手法により電気通信可能な状態とし、スマートフォン等の機器を用いて開閉・管理を行う機器およびシステムの総称のことである。2015年に多くの製品が国内で出荷開始となり、スマートロック元年と呼ばれることもある[1][2][3]。スマートロックは、鍵を開閉できる期間や回数を制限することができるため、第三者に鍵を共有しても、不正利用されづらいというメリットがある。

また、2016年からはWi-Fi通信型のスマートロックや遠隔解錠可能なBLE通信型の製品にホームゲートウェイ等のオプションが発表・販売されたこと等を背景に、遠隔管理・無人管理の活用がはじまっている。スマートロックはAPI等を利用することでサードパーティーが鍵と紐付いたサービスを実現することが可能であるため、IT・IoTサービスを構成する機器の1つとなっており、欧米では予約サービス・ドアベル・ホームオートメーションの機器との連携等が始まっている。

概要

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基本的にスマートフォンの専用アプリと、錠の開閉を行う機器で構成されている。専用アプリで開錠・施錠の指示を行い、Bluetooth Low Energy(BLE)等の通信により錠側の機器と接続、「鍵」にあたる認証情報を送信する仕組みとなっている。

スマートホームサービスの一つとして提供されることもある[4]

特徴

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  • 設置方式
    • 交換型
      • 既存の錠と取り替え/工事により設置するタイプ。欧米を中心に販売されており、取り付けには工具が必要であるが海外ではDIYで取り付けもケースも多い。国内では、物件オーナーの了解が要る等、賃貸住宅の入居者が導入するにあたっては課題が多い。
    • 後付型
      • 室内のサムターン部分に被せるタイプ。工事不要で粘着テープ等で貼り付けるだけのものが主流であり利便性が高い一方、サムターンが対応していない場合は利用できない。
    • 電気錠型
      • 鍵を電気的に制御する電気錠を設置する方式。セキュリティの確保をしっかりとしたい場合、パニックオープン・ビル警備連動など、オフィスに設置する場合の必須機能に対応する場合に対応。
  • 通信方式
    • Bluetooth Low Energy(BLE)
      • バッテリー消費が少なく、単三乾電池4本で約1年ほど稼働する。原則として、BLEに対応する機器(iOS 7 以上 /Android 4.4 以上)による接続を行う必要がある。
      • BLEは通信ではスマートロックとスマートフォンが離れた状態で接続はできないため、一部製品では別途ホームゲートウェイ等の機器を導入することで遠隔通信に対応している。
    • Wi-Fi
      • 中継器となるゲートウェイが不要となり、スマートフォン以外からも開閉・遠隔からの管理が可能となる。デメリットとしてBLEに比べバッテリー消費が大きいと言われていたが、省電力で駆動できるテンキータイプの製品も販売されている。通信構成がシンプルとなり、ネットワークトラブルの対応がしやすい点もメリット。
  • その他の機能
    • 鍵の共有
    • 遠隔操作
    • オートロック
    • 履歴の管理
    • ハンズフリー開閉

利用シーン

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自宅利用のほか、下記状況において利便性を発揮すると考えられる。

  • シェアハウス / 貸会議室[5] / コワーキングスペース[6]
  • オフィス / 店舗における従業員の入退室管理・セキュリティ利用・勤怠システム連携[6][7]
  • ホテルチェックイン
  • 民泊・バケーションレンタル[8]
  • 不動産内覧[9]
  • レンタルスペース
  • 自治体 公民館
  • シェアオフィス、レンタルオフィス
  • 駐車場[10]
  • 無人店舗[11]

脚注

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  1. ^ スマートロックの概要”. KDDI. 2019年12月17日閲覧。
  2. ^ イトー (2015年3月30日). “スマートロック元年くるね QrioやAkerunに続けとKDDIがIoT企業Augustに出資”. 週刊アスキー. 2019年12月17日閲覧。
  3. ^ “2015年はスマートロック元年? 日本で立て続けに発売された理由”. マイナビニュース. (2015年12月22日). https://news.mynavi.jp/techplus/article/20151222-smartlock/ 2019年12月17日閲覧。 
  4. ^ IoTを活用したスマートホーム事業の展開”. 総務省. 2021年4月10日閲覧。
  5. ^ RemoteLOCKとレンタルスペース予約サービス「インスタベース」がシステム連携を開始”. ニコニコニュース. 2020年6月19日閲覧。
  6. ^ a b masumi ohsaki (2018年5月8日). “2500社が使うスマートロック入退室管理「Akerun」のフォトシンスが10億円調達、IoT×SaaSモデルで拡大”. TechCrunch Japan. 2019年12月17日閲覧。
  7. ^ サービス連携”. ALLIGATE. 2023年8月10日閲覧。
  8. ^ ABCチェックイン、スマートロック「RemoteLOCK」と6月15日からシステム連携開始 | 民泊ニュース | 日本最大級の民泊情報サイト MINPAKU.Biz | 民泊・Airbnb運用代行比較”. MINPAKU.Biz (2018年5月31日). 2019年9月18日閲覧。
  9. ^ スマートロックによる賃貸物件向けサービス「スマート内覧」--IoTを不動産分野で活用”. CNET Japan. 2019年12月17日閲覧。
  10. ^ akippaとアート、IoT×シェアリングエコノミーのゲート式駐車場コントロールシステム「シェアゲート」を開発”. PR TIMES (2018年5月9日). 2023年8月10日閲覧。
  11. ^ 夜間のコインランドリーを安心・安全に利用できる入退店管理システム「ALLIGATE for Cloud IoTランドリーシステム」をリリース”. PR TIMES (2023年6月7日). 2023年8月10日閲覧。

参考文献

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関連項目

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