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スリランカの大統領

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スリランカ大統領から転送)
スリランカの旗 スリランカ民主社会主義共和国
大統領
ශ්‍රී ලංකා ජනාධිපති(シンハラ語)
இலங்கை சனாதிபதி (タミル語)
現職者
アヌラ・クマラ・ディサナヤカ(第10代)
Anura Kumara Dissanayake

就任日 2024年9月23日
種類元首
政府の長
呼称大統領(非公式)
閣下(外交)
所属機関内閣
国家安全保障会議
庁舎大統領官邸
任命直接選挙
任期5年(3選禁止)[1]
根拠法令スリランカ憲法
前身セイロン国王
創設1972年5月22日 (52年前) (1972-05-22)
初代ウィリアム・ゴパッラワ
継承継承順位
職務代行者首相
ディネーシュ・グナワルダナ
ウェブサイトpresident.gov.lk
Presidential Secretariat

スリランカの大統領(スリランカのだいとうりょう、シンハラ語: ශ්‍රී ලංකා ජනාදිපති, タミル語: இலங்கை சனாதிபதி)は、スリランカ民主社会主義共和国元首であり、政府の長たる大統領である。

概要

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スリランカにおける大統領職は1972年セイロンからスリランカ共和国に国名を改称し、イギリス連邦から離脱して共和制に移行すると同時に、それまでのセイロン総督に代わる国家元首職として設置された。ただし、当時のスリランカは議院内閣制であり、大統領の権限や役割は従来のセイロン総督と同様、儀礼的・象徴的なものに限られていた。

1978年現行憲法が制定され、国名がスリランカ民主社会主義共和国に改称されるとともに、議院内閣制から大統領制半大統領制)に移行し、大統領の権限が強大になった。任期は5年で国民投票で選出される。3選は禁止されている。

1984年首都コロンボからスリジャヤワルダナプラコッテ遷都したが、大統領府以下、行政庁舎は旧都・コロンボに残ったままである。

選出方法

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大統領は有権者による直接選挙によって選出される。選挙方法としては単記移譲式が用いられる[2]

ただし、憲法第38条第1項の規定により任期終了前に大統領職が空席となった場合は、同第31条の規定により首相が大統領を代行し、同第40条の規定により議会は大統領になる資格のある議員一名を大統領として選出する。その場合の任期は、辞任した大統領の任期の残り期間となる。近年では辞任要求デモの激化により国外脱出したゴーターバヤ・ラージャパクサ大統領が2022年7月14日に辞表を提出し大統領職が空席となったため[3]ラニル・ウィクラマシンハ首相が大統領代行となり、議会にて後任の大統領に選出されラージャパクサの残り期間を務めたという例がある[4]

任期

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スリランカ憲法により、就任から5年間と定められている。ただし、任期が切れる前に次期大統領選挙が実施された場合、選挙管理委員長が選挙の勝者を宣言した時点で任期終了となる。その後、2週間以内に大統領就任の宣誓を行うことで、次期大統領が正式な大統領に就任する[1]

大統領の一覧

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大統領 所属政党 在任期間 備考
01 ウィリアム・ゴパッラワ
විලියම් ගොපල්ලව
வில்லியம் கோபள்ளவா
William Gopallawa
無所属 1 1972年5月22日
- 1978年2月4日
5年 + 258日 議院内閣制
02 ジュニウス・
リチャード・ジャヤワルダナ

ජුනියස් රිචඩ් ජයවර්ධන
ஜூனியஸ் ரிச்சட் ஜயவர்தனா
Junius Richard Jayewardene
統一国民党
(UNP)
2 1978年2月4日
- 1982年
10年 + 333日 大統領制移行
3 1982年
- 1989年1月2日
03 ラナシンハ・プレマダーサ
රණසිංහ ප්‍රේමදාස
ரணசிங்க பிரேமதாசா
Ranasinghe Premadasa
統一国民党
(UNP)
4 1989年1月2日
- 1993年5月1日
4年 + 119日 在任中に死去
[注 1]
0 ディンギリ・
バンダー・ウィジェートゥンガ

ඩිංගිරි බණ්ඩා විජේතුංග
டிங்கிரி பண்ட விஜேதுங்க
Dingiri Banda Wijetunga
統一国民党
(UNP)
1993年5月1日
- 1993年5月7日
6日 大統領代行
(首相)
04 1993年5月7日
- 1994年11月12日
1年 + 189日
05 チャンドリカ・クマーラトゥンガ
චන්ද්‍රිකා බන්ඩාරනායක කුමාරතුංග
சந்திரிகா பண்டாரநாயக்கே
குமாரதுங்கா

Chandrika Bandaranaike Kumaratunga
スリランカ自由党
(SLFP)
5 1994年11月12日
- 1999年
11年 + 7日
6 1999年
- 2005年11月19日
[注 2]
06 マヒンダ・ラージャパクサ
මහින්ද රාජපක්ෂ
மகிந்த ராசபக்ச
Mahinda Rajapaksa
スリランカ自由党
(SLFP)
7 2005年11月19日
- 2010年
9年 + 51日
8 2010年
- 2015年1月9日
07 マイトリーパーラ・シリセーナ
මෛත්‍රිපාල සිරිසේන
மைத்திரிபால சிறிசேன
Maithripala Sirisena
新民主戦線
(NDF)

スリランカ自由党
(SLFP)[注 3]
9 2015年1月9日
- 2019年11月18日
4年 + 313日
08 ゴーターバヤ・ラージャパクサ
ගෝඨාභය රාජපක්ෂ
கோட்டாபய ராஜபக்ச
Nandasena Gotabaya Rajapaksa
スリランカ人民戦線
(SLPP)
10 2019年11月18日
- 2022年7月15日
2年 + 239日 第6代マヒンダの弟
任期満了前に辞任
[注 4]
0 ラニル・ウィクラマシンハ
රනිල් වික්‍රමසිංහ
ரணில் விக்ரமசிங்க
Ranil Wickremesinghe
統一国民党
(UNP)
2022年7月13日
- 2022年7月21日
8日 大統領代行
(首相)
09 11 2022年7月21日
- 2024年9月23日
2年 + 64日
10 アヌラ・クマラ・ディサナヤカ
අනුර කුමාර දිසානායක
அநுர குமார திசாநாயக்க
Anura Kumara Dissanayake
人民解放戦線
(JVP)
12 2024年9月23日
-(現職)
43日

大統領の年表

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Ranil WickremesingheGotabaya RajapaksaMaithripala SirisenaMahinda RajapaksaChandrika KumaratungaDingiri Banda WijetungaRanasinghe PremadasaJunius Richard JayewardeneWilliam Gopallawa

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 在任中に反政府勢力タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の自爆テロにより暗殺英語版される。
  2. ^ 1999年、任期を約1年残して大統領選挙を繰り上げ実施し、再選。元々の1期目の任期満了時から2期目が開始され、2006年末まで在任出来ると主張したが、最高裁の裁定により2005年末で任期満了。
  3. ^ 大統領選挙には新民主戦線公認の野党統一候補として出馬したものの、自由党を離党しなかった。自由党は党員が大統領に選出された場合、党首に就任すると規定されていたことから、シリセーナは自由党党首に就任した。
  4. ^ スリランカ危機により、7月13日に国外脱出、辞任表明は7月14日に行った。

出典

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  1. ^ a b スリランカ大統領選挙に35人の立候補者(スリランカ)|ビジネス短信”. 日本貿易振興機構 (2019年10月31日). 2020年12月16日閲覧。
  2. ^ 三輪博樹第3章 スリランカ:社会における亀裂の重要性」『アジア開発途上諸国の投票行動 : 亀裂と経済』、日本貿易振興機構アジア経済研究所、2009年、109-154頁、ISBN 97842580457782020年12月11日閲覧 
  3. ^ “スリランカ大統領、メールで辞表提出”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年7月14日). https://www.afpbb.com/articles/-/3414593 2024年9月24日閲覧。 
  4. ^ “スリランカ新大統領にウィクラマシンハ首相 「分断は今終わる」”. AFPBB News. フランス通信社. (2022年7月20日). https://www.afpbb.com/articles/-/3415370 2024年9月24日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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