コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

地方競馬スーパースプリントシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

地方競馬スーパースプリントシリーズ(ちほうけいばスーパースプリントシリーズ)は、地方競馬で施行される短距離競走を全国単位でシリーズ化したものである。古馬短距離競走整備の一環として、2011年に新設された。略称は英語表記(Super Sprint Series)の頭文字より「SSS」、シリーズ全体のキャッチコピーは「ワンターンに駆ける」。

概説

[編集]

従来、地方競馬では古馬の主要な競走が長距離に偏っており、短距離競走は2歳戦や下級条件戦に限られていた。このため、古馬のオープンクラスでは本来短距離適性があるにもかかわらず、使えるレースがないためやむなく長距離戦を使う状況が各地で常態化していた。近年ではJBCスプリントを筆頭に各地で短距離のダートグレード競走が整備されるなど改善がみられるが、本シリーズの創設で短距離競走のさらなる充実を図ることを目的としている。

本シリーズでは当該競馬場における最短施行距離を基準に重賞・特別競走を編成し、各地で予選競走となる「トライアル」を実施。優勝馬(南関東のみ2着馬も含む)に決勝(ファイナル)への優先出走権を付与し、南関東地区で施行されるファイナル競走で総合優勝馬を決定する。なお、一部地区ではトライアル戦の出走馬を決定するために予備予選競走を行う場合もある。予備予選競走は一部の地区で独自に設定され、シリーズには含めていない。フルゲート14頭で争われるファイナルの出走枠は南関東地区所属馬、他地区所属馬とも7頭ずつである(2017年時点)[1]

最短施行距離が1000メートル中央競馬と異なり、小回りコースを使用することが多い地方競馬の短距離競走では1000メートル未満の距離も設定されているため、一部では1000メートル未満の競走を「超短距離戦」と呼ぶ場合もある。レース名については2010年から2011年にかけて九州で行われた「九州スーパースプリントシリーズ」のレース名を参考に、地方独特の表現を用いたものを使用することとなっている[2]

2023年をもってシリーズ終了となった。

実施競走

[編集]

以下の施行条件は2023年のものによる[3]。出走資格はサラブレッド系3歳以上(川崎を除く)、走路はすべてダート

競走名 格付け 対象地区 競馬場 距離 優先出走権
付与枠
備考
トライアル
グランシャリオ
門別スプリント
H2 北海道 門別 1000m 1頭 2014年までは特別競走として施行。
2015年までは東北地区も対象。
2019年まではH3。
早池峰
スーパースプリント
M2[4] 東北 水沢 850m 2016年より対象競走に追加(「早池峰賞」から改称・距離短縮[4])。
2020年までは盛岡競馬場で施行。
川崎スパーキングスプリント SIII[5] 南関東 川崎 900m 2頭 2011年 - 2016年、2021年は上位2頭に優先出走権を付与。
2020年までは特別競走、2021年からSIIIに昇格[5]
2021年より3歳馬の出走は不可となった(同年より若潮スプリントの1着馬にも優先出走権を付与)[5]
日本海スプリント 重賞 東海・北陸 金沢 1頭 2018年新設
園田FCスプリント 重賞II 近畿・四国 園田 820m 2012年から2018年まで九州地区も対象(九州むしゃんよかスプリントの廃止 - 佐賀がばいダッシュの新設までの間)。
2012年までは中国地区も対象(福山競馬場の廃止により消滅)。
2024年から再び九州地区が対象に入る。
佐賀がばいダッシュ 重賞 九州 佐賀 900m 2019年新設
2023年のSSS終了と共に廃止。実質後継競走として佐賀がばいスプリントが創設。
ファイナル
習志野
きらっとスプリント
SI - 船橋 1000m - SSS廃止に伴い2024年から再びSIIとして施行される。
過去に実施されていたトライアル
九州むしゃんよか
スプリント
重賞 九州 荒尾 950m 1頭 2011年のみ実施。
荒尾競馬場の廃止に伴い競走廃止。
名古屋でら馬
スプリント
SPI 東海・北陸 名古屋 800m 1頭 2017年をもって開催休止。
トライアルへのトライアル競走
  • スパーキングスプリントチャレンジ(川崎競馬場) - 1着馬から3着馬までに川崎スパーキングスプリントへの優先出走権[6]
  • スーパースプリント賞(金沢競馬場)- 1着馬に日本海スプリントへの優先出走権。
廃止
  • ムーンライトオープン(名古屋競馬場) - 名古屋でら馬スプリントのトライアル競走として実施[7]
  • 福山「ぶちはやぁ」スプリント(福山競馬場) - 1着馬に園田FCスプリントへの優先出走権[8]

歴代優勝馬

[編集]

詳細は各競走記事を参照。

川崎のトライアル(川崎スパーキングスプリント)については、2016年以前については、優先出走権付与対象となる2着馬も記す。

2011年 - 2015年

[編集]
トライアル ファイナル
門別 川崎 名古屋 園田 九州 習志野
2011年 6月30日
パフォーマンス(北海道
6月14日
1.コアレスピューマ(船橋
2.バトルファイター(船橋)
6月24日
ラブミーチャン笠松
6月23日
ミナミノヒリュウ(兵庫
6月17日
ペプチドジャスパー(荒尾
7月21日
ラブミーチャン(笠松)
2012年 7月3日
アグネスポライト(北海道)
6月12日
1.トーセンクロス(浦和
2.バロズハート(大井
6月22日
ラブミーチャン(笠松)
6月21日
エイシンマロニエ(兵庫)
- 7月20日
ラブミーチャン(笠松)
2013年 6月25日
アウヤンテプイ(北海道)
6月11日
1.スターボード(船橋)
1.アイディンパワー(船橋)
同着
6月21日
ラブミーチャン(笠松)
6月20日
エプソムアーロン(高知
7月15日
ラブミーチャン(笠松)
2014年 6月26日
アウヤンテプイ(北海道)
6月12日
1.ユーリカ(船橋)
2.ショコラヴェリーヌ(大井)
6月27日
ワールドエンド(愛知
6月19日
エスワンプリンス(佐賀
7月21日
ナイキマドリード(船橋)
2015年 6月25日
ポアゾンブラック(北海道)
6月11日
1.カベルネフラン(船橋)
2.キョウエイロブスト(川崎
6月26日
ワールドエンド(愛知)
6月18日
サクラシャイニー (高知)
7月20日
ルックスザットキル(大井)

2016年 - 2017年

[編集]
トライアル ファイナル
門別 早池峰 川崎 名古屋 園田 習志野
2016年 6月23日
ケイアイユニコーン(北海道
6月5日
サカジロヴィグラス(岩手
6月16日
1.フラットライナーズ(船橋
2.リコーシルエット(川崎
6月21日
ハナノパレード(愛知
6月30日
ランドクイーン (兵庫
7月20日
フラットライナーズ(船橋)
2017年 6月21日
タイセイバンデット(北海道
6月4日
エーシンシャラク(岩手
6月15日
フラットライナーズ(船橋
6月20日
ハイジャ(笠松)
6月29日
マルトクスパート (兵庫
7月25日
スアデラ(船橋)

2018年 - 2023年

[編集]
トライアル ファイナル
門別 早池峰 川崎 日本海 園田 佐賀 習志野
2018年 7月5日
カツゲキライデン(北海道)
6月3日
ナムラバイオレット (岩手
6月12日
ラディヴィナ(川崎)
7月1日
ジッテ(金沢)
6月21日
カイロス(高知)
エイシンテキサス(佐賀)
(同着) 
- 7月25日
アピア(大井)
2019年 7月4日
メイショウアイアン(北海道)
6月2日
サインズストーム (岩手
6月13日
ラディヴィナ(川崎)
7月9日
エイシンテキサス(愛知)
6月20日
タガノカピート(兵庫)
6月23日
エイシンビリケン(佐賀)
7月17日
ノブワイルド(浦和)
2020年 7月2日
アザワク(北海道)
5月24日
コンサートドーレ(岩手)
6月9日
ポッドギル(大井)
7月7日
フェリシアルチア(金沢)
6月25日
エイシンエンジョイ(兵庫)
6月21日
ドラゴンゲート(佐賀)
7月22日
ノブワイルド(浦和)
2021年 6月29日
アザワク(北海道)
6月6日
キラットダイヤ(岩手)
6月15日
カプリフレイバー(船橋)
6月29日
ニュータウンガール(愛知)
6月24日
ダノングッド(高知)
6月6日
ドラゴンゲート(佐賀)
7月21日
コパノフィーリング(船橋)
2022年 7月5日
アザワク(北海道)
6月5日
キラットダイヤ(岩手)
6月14日
コパノフィーリング(船橋)
6月28日
ナムラムツゴロー(愛知)
6月23日
ダノングッド(高知)
6月5日
ロトヴィグラス(佐賀)
7月26日
ギシギシ(大井)
2023年 7月4日
スペシャルエックス(北海道)
6月4日
キラットダイヤ(岩手)
6月13日
キモンルビー(船橋)
6月18日
オヌシナニモノ(金沢)
6月22日
メイプルシスター(園田)
6月11日
スーパースナッズ(佐賀)
7月25日
キモンルビー(船橋)

参考文献・外部リンク

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 平成29年度第4回船橋競馬競走番組表(決定)”. 一般社団法人 千葉県馬主会. 2017年11月20日閲覧。
  2. ^ 超短距離[1ターン]、白熱の新シリーズ 誕生 地方競馬 スーパースプリントシリーズを実施 - 地方競馬全国協会
  3. ^ お知らせ|地方競馬情報サイト”. 2021年3月29日閲覧。
  4. ^ a b 2016シーズン岩手競馬4つのポイント”. 岩手競馬 公式WEBSITE (2016年3月8日). 2016年3月22日閲覧。
  5. ^ a b c 第1回 川崎スパーキングスプリント(SIII)”. 川崎競馬:KAWASAKI KEIBA (2021年3月4日). 2021年3月29日閲覧。
  6. ^ 川崎スパーキングスプリントトライアルを振り返る。 | 南関魂 高橋華代子の南関東競馬ブログ”. nankandamasii.jugem.jp. 2021年6月21日閲覧。
  7. ^ 【スーパースプリントシリーズ2011】名古屋でら馬スプリント”. web Furlong 2011. 地方競馬全国協会. 2014年11月17日閲覧。
  8. ^ スーパースプリントトライアル 福山「ぶちはやぁ」スプリント”. 福山市競馬事務局 (2011年5月30日). 2011年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月21日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]