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セルジオ・スティヴァレッティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セルジオ・スティヴァレッティ
Sergio Stivaletti
生年月日 (1957-03-15) 1957年3月15日(67歳)
出生地 イタリアの旗 イタリア ラツィオ州ローマ
職業 特殊効果スタッフ、メイクアップアーティスト特殊メイクアーティスト、映画監督
ジャンル 映画テレビ映画テレビドラマ
活動期間 1978年 - 現在
著名な家族 ルチアーナ・モロゼッティ(義姉)
主な作品
特殊効果
フェノミナ
デモンズ
オペラ座/血の喝采
デモンズ3
デモンズ'95
受賞
『デモンズ'95』マラガ大学ファンタスティック映画国際週間・最優秀特殊効果賞受賞
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セルジオ・スティヴァレッティ(Sergio Stivaletti, 1957年3月15日 - )は、イタリア共和国ラツィオ州ローマ出身の特殊効果アーティスト、特殊メイクアーティスト、映画監督である。正確な表記はセルジョ・スティヴァレッティ

人物

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主に1980年代以降のダリオ・アルジェントが監督、プロデュースした映画の特殊効果を手掛けていることで知られる。

美術制作からキャリアを初め、モンスターなどの特殊造形、特殊メイク、ロボット工学、コンピュータグラフィックスといった幅広い技術を駆使したSFX効果を得意としている。

経歴

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1957年ローマ生まれ。芸術家の両親のもとに生まれ、少年時代に2001年宇宙の旅(1968)を見て映画制作に興味を持つが、その後医学部に進学する[1]

義姉のルチアーナ・モロゼッティがプピ・アヴァティ監督作品の美術・衣装デザイナーだったことから、ローマ・ラ・サピエンツァ大学在学中に、アヴァティ作品の美術制作係として映画界入り。小道具として使用される18世紀の眼鏡やミニチュアのエッフェル塔を制作する[1][2]

その後、美術係から特殊効果技師に転向し、リッカルド・フレーダ監督のミステリー映画『マーダー・オブセッション/殺人狂』(1981)の特殊効果アシスタントを担当[3]。当時スティヴァレッティは本作の特殊効果技師アンジェロ・マッテイの助手をつとめており、インフェルノ(1980)の撮影現場でダリオ・アルジェント監督とは会っていたという[4]

翌年にはセルジオ・マルティーノ監督のスリラー『死霊の暗殺/エトルスカン』(1981)で特殊効果を担当する。

その後、ダリオ・アルジェント監督に注目されフェノミナ(1984)の特殊メイクを担当。奇形児のメイクアップ、多数の死体造形、虫の大群の視覚効果を手掛けた[5]

続いてダリオ・アルジェントがプロデュースしたランベルト・バーヴァ監督作デモンズ(1985)の特殊メイクを手掛ける。本作では主にモンスターなどの特殊造形及び操作と、デモンズに憑依された人間の特殊メイクのデザインを手掛けた。

以降もダリオ・アルジェントとの関係が続く。アルジェントの依頼によりデモンズ2(1986年)、オペラ座/血の喝采(1988年)、デモンズ3(1989)、デモンズ4(1990)でも特殊効果を担当。これらの作品では特殊メイクは『デモンズ』で組んだロザリオ・プレストピーノに任せ、スティヴァレッティはモンスターや動物の造形と操作や、殺人シーンのトリック撮影に専念するようになる[6]

90年代になるとアルジェント監督のスタンダール・シンドローム(1996)で、イタリア映画で初めてコンピュータグラフィックスを特殊効果に取り入れた[7]。コンピュータグラフィックスに関しては、1992年にスティヴァレッティがアメリカでトム・サヴィーニに会った際、これからの特殊効果はCGが必要になるとアドバイスされ、すぐに準備を開始していたという[3][5]

肉の鑞人形(1997)で映画監督デビュー。当初はルチオ・フルチが監督として予定されていたが、フルチの死去にともない特殊効果担当のスティヴァレッティが監督を兼任することになった。

ミケーレ・ソアヴィ監督の『デモンズ'95』(1994)で特殊効果を担当し、1997年のスペインのマラガ大学国際映画週間で最優秀特殊効果賞を受賞。その後もダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞などにノミネートされているが、現在のところ『デモンズ'95』が唯一の受賞作となっている。

現在は盟友ダリオ・アルジェント作品の特殊効果が主な仕事となっている。また、学生時代に美術係として協力したプピ・アヴァティ監督の映画にも特殊効果で参加している。

近年のインタビューにおいて、「私はスプラッター映画が好きだと思われているようだが、必ずしもそうではない。最近では喉を切り裂いたり腹を裂いたりする特殊効果を依頼されたら、ほとんどアシスタントに任せている」と回答している。また、お気に入りの自作として『呪いの迷宮/ラビリンス・イン・ザ・ダーク』(1988年)を挙げており、同作の特殊効果をレイ・ハリーハウゼンに見せたところ喜ばれたと回想している[3][7]

その他

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映画界以外の仕事としては、2010年にスター・コミックスという出版社から出版されたファンタジー・ホラー漫画『ファクター V』シリーズの作者でもある。

2011年にはイタリアの音楽グループSurgeryの新しいステージマスクをデザインした。

イタリアの特殊メイクアーティスト、ジャンネット・デ・ロッシとは不仲であったことを認めている。一方でスティヴァレッティの考えとしては、デ・ロッシが後輩のスティヴァレッティに注目を奪われたことで腹を立てた気分は理解できるとも語っている[3]

主な作品

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公開年 作品名 原題 担当
1978年 ″Jazz Band″ (日本未公開) 美術係(小道具)
″Le strelle nel fosso″
1981年 『マーダー・オブセッション/殺人狂』 Murder Obsession (Follia omicida) 特殊効果アシスタント
1983年 『死霊の暗殺/エトルスカン』 Assassinio al cimitero etrusco
1984年 フェノミナ Phenomena 特殊メイク
1985年 デモンズ Dèmoni 特殊効果、特殊メイク
『怒りの標的』 Miami Golem 特殊効果
1986年 デモンズ2 Dèmoni 2: L'incubo ritorna
片腕サイボーグ Vendetta dal futuro
1987年 オペラ座/血の喝采 Opera
『スペクターズ/鮮血のローマ』 Spettri
1988年 『呪いの迷宮/ラビリンス・イン・ザ・ダーク』 Il nido del ragno
1989年 デモンズ3 La chiesa
1990年 デモンズ4 La setta
『ダリオ・アルジェント ビザール・オペラ/新・鮮血のイリュージョン』 Dario Argento: Master of Horror 出演
1994年 デモンズ'95 Dellamorte Dellamore 特殊効果、特殊メイク
1996年 スタンダール・シンドローム La sindrome di Stendhal 特殊効果
1997年 肉の鑞人形 M.D.C. - Maschera di cera 監督・特殊効果
ニルヴァーナ Nirvana 特殊効果
『ダリオ・アルジェント 鮮血のイリュージョンPART3』 Il mondo di Dario Argento 3: Il museo degli orrori di Dario Argento 出演
1998年 オペラ座の怪人 Il fantasma dell'Opera 特殊効果
2000年 スカーレット・ディーバ Scarlet Diva
2001年 スリープレス Non ho sonno
2002年 『剥製師』 L'imbalsamatore
2004年 デス・サイト Il cartaio
″I tre volti del terrore″ (日本未公開) 監督・脚本・特殊効果
2005年 『DO YOU LIKE HITCHCOOK? ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?』 Ti piace Hitchcock? 特殊効果
『イタリアン・チェーンソー』 Il bosco fuori
2007年 サスペリア・テルザ 最後の魔女 La terza madre 特殊効果、特殊メイク
2009年 ジャーロ Giallo
2011年 デビルズ・レイプ Morituris
2012年 ダリオ・アルジェントのドラキュラ Dracula 3D 特殊効果
ある愛へと続く旅 Venuto al mondo
2019年 ″Il signor Diavolo″ (日本未公開)
2022年 ダークグラス Occhiali neri
2024年 ″Nato il Sei Ottobre″ (日本未公開) 特殊メイク

脚注

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  1. ^ a b Sergio Stivaletti: "Mostri e killer, la mia missione è fare paura"”. 2024年12月3日閲覧。
  2. ^ Le strelle nel fosso(1978), 日本伊製恐怖映画協会”. 2024年12月3日閲覧。
  3. ^ a b c d Intervista a Sergio Stivaletti, NOCTURNO”. 2024年12月3日閲覧。
  4. ^ Intervista a Sergio Stivaletti: il futuro del cinema horror in Italia”. 2024年12月3日閲覧。
  5. ^ a b Sergio Stivaletti: "Il racconto dei racconti? Resta il dubbio, come sarebbe stato se lo avessi fatto io?"”. 2024年12月3日閲覧。
  6. ^ 『ダリオ・アルジェント ビザール・オペラ/新・鮮血のイリュージョン』(1991)
  7. ^ a b Intervista a Sergio Stivaletti, CINECLANDESTINO”. 2024年12月3日閲覧。