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セヴン・ネイション・アーミー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「セヴン・ネイション・アーミー」
ザ・ホワイト・ストライプスシングル
初出アルバム『エレファント
B面 グッド・トゥ・ミー
リリース
規格 7インチ・シングル
CDシングル
録音 ロンドン Toe Rag Studios
ジャンル ガレージロックオルタナティヴ・ロック
時間
レーベル サード・マン・レコード
V2レコードアメリカ合衆国の旗
XLレコーディングスイギリスの旗
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
プロデュース ジャック・ホワイト
チャート最高順位
  • 2003年
    • 7位(イギリス[1]
    • 17位(オーストラリア[2]
    • 42位(オランダ[3]
    • 76位(アメリカ[4]
  • 2006年
    • 3位(イタリア[5]
  • 2008年
    • 3位(スイス[6]
    • 4位(ドイツ[7]
    • 18位(オーストリア[8]
  • 2013年
    • 48位(フランス[9]
ザ・ホワイト・ストライプス シングル 年表
Candy Cane Children
(2002年)
セヴン・ネイション・アーミー
(2003年)
アイ・ジャスト・ドント・ノウ・ホワット・トゥ・ドゥ・ウィズ・マイセルフ
(2003年)
ミュージックビデオ
'Seven Nation Army' - YouTube
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セヴン・ネイション・アーミー」(Seven Nation Army)は、アメリカ合衆国ロックバンドザ・ホワイト・ストライプス2003年に発表した楽曲。アルバム『エレファント』からの第1弾シングルとしてヒットを記録した。なお、アルバム『エレファント』及びライヴ・アルバム『アンダー・グレイト・ホワイト・ノーザン・ライツ』では「Seven Nation Army」と表記されているが、シングル盤では「7 Nation Army」と表記されている[10]

背景

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この曲のリフは、ジャック・ホワイトメルボルンでサウンド・チェックをしている時に生み出された[11]。ジャックは昔、救世軍(Salvation Army)を「Seven Nation Army」と思い込んでいたことがあり、それが曲名の由来となっている[11][12]ベースのように聴こえる音はセミ・アコースティック・ギターで演奏されており、ワーミー・ペダルを通して1オクターヴ下げられている[11]

XLレコーディングスV2レコードは、「ゼア・イズ・ノー・ホーム・フォー・ユー・ヒア」を『エレファント』からの第1弾シングルにしようとしたが、最終的にはジャックの意向で本作がシングルに選ばれた[13]。シングルのカップリング曲「Good to Me」は、後にジャックと共にザ・ラカンターズで活動するブレンダン・ベンソン英語版がアルバム『Lapalco』(2002年)で発表した曲のカヴァー[14]。この曲は『エレファント』の日本盤にボーナス・トラックとして収録された。

反響

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イギリスでは2003年5月3日付の全英シングルチャートで初登場7位となり[15]、6週チャート圏内に入った[1]。また、2012年にも再ヒットし、6月2日付の全英シングルチャートで71位を記録した[16]

アメリカでは総合チャートのBillboard Hot 100で76位に達し、『ビルボード』のモダン・ロック・チャートでは1位、メインストリーム・ロック・チャートでは12位を記録[4]。オーストラリアでは2003年6月22日付のシングル・チャートで17位を記録し、4週連続でトップ50入りした[2]

本作は後年、ヨーロッパ諸国でもヒットしている。イタリアでは2006年7月27日付のシングル・チャートで初登場4位となり、翌週に3位を記録[5]。スイスでは2008年6月29日付のシングル・チャートで初登場18位となり[6]、7月13日には3位を記録した[17]

評価

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グラミー賞では、作者のジャック・ホワイトが最優秀ロック・ソング賞を受賞した[4]

ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・ソング」(2021年版)では36位にランク・イン[18]。また、同誌が2011年に選出した「2000年代のベスト・ソング100」では6位となった[19]

MusicRadarが2010年に選出した「過去10年間の偉大なギター・リフ50」では7位にランク・インしている[20]

収録曲

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  1. 7 Nation Army (Jack White) - 3:51
  2. Good to Me (Brendan Benson, Jason Falkner) - 2:06
  3. Black Jack Davey (Traditional) - 5:06

大衆文化への影響

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スポーツ

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本作はサッカー・ファンに人気の高い曲として知られる。その起源は、2003年10月22日にクラブ・ブルッヘのサポーターがミラノのバーでUEFAチャンピオンズリーグ 2003-04(対ACミラン戦)を観戦していた際、この曲を大合唱したことだとされている[21]

2006年のFIFAワールドカップでは、優勝を決めたイタリア代表の選手達が合唱し、その後、7月11日に行われたローリング・ストーンズミラノ公演にマルコ・マテラッツィアレッサンドロ・デル・ピエロが飛び入りして、観客と一緒に「セヴン・ネイション・アーミー」を合唱した[22]。また、2008年にスイスとオーストリアで共同開催されたUEFA EURO 2008では試合前の入場曲に使用された[23]EURO2012EURO2016でもゴール後のアンセムとして使用され観客やサポーターが合唱している。EURO2016フランス大会ではパリ出身のDJであるデヴィッド・ゲッタによるリミックスしたバージョンが使用されている[24]2018年FIFAワールドカップでは1994年から長年(2002年を除く)大会で用いられた公式入場曲のFIFAアンセムに代わって試合前の入場曲として使用された。

この曲はサッカー以外のスポーツでも頻繁に使用された。例として、2011年にはNFLボルチモア・レイブンズがホームの試合前に使用するようになった[25]。また、2013年にはNHLニュージャージー・デビルスのゴール・ソングに選ばれている[26][27]

他メディアでの使用例

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「セヴン・ネイション・アーミー」は2010年の音楽ゲーム『Guitar Hero 3: Warriors of Rock』で使用された[28]。また、映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』の予告編ではThe Glitch Mobによるリミックス・ヴァージョンが使用された[29]。2016年6月13日に公開されたBattlefield 1の公式トレーラーでも使用されている。また2016年に公開された『スーサイド・スクワッド』でも使用されている。

その他

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2014年5月9日、ハンブルク港開港825周年のイヴェントの一環として、MSCクルーズの客船MSC マニフィカの汽笛により「セヴン・ネイション・アーミー」が演奏された[30]

カヴァー

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「セヴン・ネイション・アーミー」
ベン・ロンクル・ソウル英語版シングル
初出アルバム『ベン・ロンクル・ソウル
リリース
規格 デジタル・ダウンロード
CDシングル
ジャンル ソウルファンク
時間
レーベル モータウン
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
チャート最高順位
ベン・ロンクル・ソウル英語版 シングル 年表
セヴン・ネイション・アーミー
(2010年)
ソウルマン
(2011年)
テンプレートを表示
「セヴン・ネイション・アーミー」
マーカス・コリンズ英語版シングル
初出アルバム『Marcus Collins』
リリース
規格 デジタル・ダウンロード
CDシングル
ジャンル ポップスソウルファンク
時間
レーベル RCAレコード
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
プロデュース Matt Furmidge, Alex Smith, Brian Rawling
チャート最高順位
  • 9位(イギリス[35]
マーカス・コリンズ英語版 シングル 年表
Wishing on the Star
(2011年)
Seven Nation Army
(2012年)
Mercy
(2012年)
テンプレートを表示

ベン・ロンクル・ソウルによるカヴァー

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フランスの歌手ベン・ロンクル・ソウル英語版は、2009年のデジタルEP『Soul Wash』で「セヴン・ネイション・アーミー」のカヴァーを発表[36]。続いて、2010年のフルレングス・アルバム『ベン・ロンクル・ソウル』にも収録され、同作からのリード・シングルにも選ばれた[37]

Jason Birchmeierはオールミュージックにおいて、彼のヴァージョンを「オリジナルに忠実である一方、1960年代のモータウンスタックスのサウンドに由来したレトロ・ソウル的なスタイルのアプローチとなっている」と評している[38]

マーカス・コリンズによるカヴァー

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イギリスの歌手マーカス・コリンズ英語版は、オーディション番組『Xファクター』の第8シーズンで準優勝し、RCAレコードとの契約を得て、デビュー・アルバム『Marcus Collins』(2012年)からのリード・シングルとして「セヴン・ネイション・アーミー」のカヴァーを発表した[39]。コリンズのヴァージョンは2012年3月17日付の全英シングルチャートで初登場9位となり[40]、6週チャート圏内に入った[35]

コリンズのヴァージョンに対しては、ザ・ホワイト・ストライプスのファンからの批判も多かったが、コリンズ自身は「僕はこの曲を研究して、それ以外にもザ・ホワイト・ストライプスの音楽をたくさん聴いた。だからイライラする人達のことも分かる」「全く違うジャンルなんだよ」とコメントしている[41]

その他のカヴァー

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関連項目

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脚注

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  1. ^ a b WHITE STRIPES | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  2. ^ a b australian-charts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  3. ^ dutchcharts.nl - The White Stripes - 7 Nation Army - austriancharts.at
  4. ^ a b c Elephant - The White Stripes | Awards | AllMusic
  5. ^ a b italiancharts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  6. ^ a b The White Stripes - 7 Nation Army - hitparade.ch
  7. ^ The White Stripes | Single-Chartverfolgung - musicline.de
  8. ^ The White Stripes - 7 Nation Army - austriancharts.at
  9. ^ lescharts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  10. ^ Images for White Stripes, The - 7 Nation Army - イギリス盤CDシングルの画像
  11. ^ a b c 20 Things You Might Not Know About 'Seven Nation Army' | NME.COM - article by Dan Martin - 2014年8月16日閲覧
  12. ^ The White Stripes Playing 'Seven Nation Army' On Their Final Tour | Rolling Stone - 2014年8月16日閲覧
  13. ^ ホワイト・ストライプス、あの名曲はシングル・カットされなかったかも | The White Stripes | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧
  14. ^ Brendan Benson - Alternative To Love - Uncut.co.uk - 2014年8月16日閲覧
  15. ^ Official Singles Chart Top 100 | 27-04-2003 - 03-05-2003 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  16. ^ Official Singles Chart Top 100 | 27-05-2012 - 02-06-2012 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  17. ^ Schweizer Hitparade - Singles Top 75 13.07.2008 - hitparade.ch
  18. ^ The 500 Greatest Songs of All Time” (英語). Rolling Stone (2021年9月15日). 2021年12月21日閲覧。
  19. ^ The White Stripes, 'Seven Nation Army' - 100 Best Songs of the 2000s | Rolling Stone - 2014年8月16日閲覧
  20. ^ The 50 Greatest Guitar Riffs of The Decade - The White Stripes - Seven Nation Army”. MusicRadar. Future Publishing Limited (2010年10月8日). 2015年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月25日閲覧。
  21. ^ Why Italy fans sing the pop anthem 'Seven Nation Army' by The White Stripes - Goal.com - article by Mark Doyle - 2014年8月16日閲覧
  22. ^ ストーンズのイタリア公演にW杯の優勝選手が登場 | The Rolling Stones | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧
  23. ^ Seven Nation Army: the indiest football anthem ever? | Music | theguardian.com - 2014年8月16日閲覧
  24. ^ 【UEFA EURO 2016】David Guettaがテーマ曲なんて熱い試合に決まっている CHO-GOUTEKI 公式サイト 2016年7月2日閲覧
  25. ^ "Seven-Nation Army" is Ravens new in-game chant - Baltimore Sports Report - 2014年8月16日閲覧
  26. ^ Seven Nation Army vote new goal song - New Jersey Devils - News - 2014年8月16日閲覧
  27. ^ Flyers 1, Devils 0 - Chicago Tribune - 2014年8月16日閲覧
  28. ^ From Aerosmith to ZZ Top, It's the final setlist for Guitar Hero: Warriors of Rock | GamesRadar - 2014年8月16日閲覧
  29. ^ Cinematic Melodies - 'Seven Nation Army' by The White Stripes - Jacksonville Movie | Examiner.com - 2014年8月16日閲覧
  30. ^ Cruise ship MSC Magnifica plays Seven Nation Army on its HORN for 825th Hamburg port anniversary | Mail Online - 2014年8月16日閲覧
  31. ^ ultratop.be - Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army
  32. ^ charts.de
  33. ^ Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army - hitparade.ch
  34. ^ dutchcharts.nl - Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army
  35. ^ a b MARCUS COLLINS | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  36. ^ Soul Wash - Ben l'Oncle Soul | AllMusic - Review by Jon O'Brien
  37. ^ Ben l'Oncle Soul | Biography | AllMusic - Artist Biography by Jason Birchmeier
  38. ^ Ben l'Oncle Soul - Ben l'Oncle Soul | AllMusic - Review by Jason Birchmeier
  39. ^ Marcus Collins | Biography | AllMusic - Artist Biography by Andy Kellman
  40. ^ Official Singles Chart Top 100 | 11-03-2012 - 17-03-2012 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  41. ^ Marcus Collins slams Cher Lloyd as 'Seven Nation Army' debuts at No.9 in U.K. - National The X Factor - Examiner.com - article by Carla Hay - 2014年8月16日閲覧
  42. ^ LateNightTales - The Flaming Lips | AllMusic - Review by Heather Phares
  43. ^ ハード・ファイ、初のDVDを発売 | HARD-Fi | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧
  44. ^ Helen Brown (2017年9月12日). “The story behind 'Seven Nation Army', an anthem of the World Cup football terraces”. Financial Times. 2021年6月3日閲覧。
  45. ^ Tom Taylor (2021年5月12日). “From The Beatles to Led Zeppelin: 10 iconic tracks inspired by classical composers”. Far Out Magazine. 2021年6月3日閲覧。
  46. ^ John F. Berky. “Jack White: The White Stripes: Seven Nation Army”. abruckner.com. 2021年6月3日閲覧。
  47. ^ アントン・ブルックナー、19世紀音楽界の巨匠”. austria.info (オーストリア政府観光局公式サイト). 2024年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月16日閲覧。アントン・ブルックナー、後の世のロックスター?」節を参照。