ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス
「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」 | ||||
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マイケル・ジャクソン の シングル | ||||
初出アルバム『ヒストリー』 | ||||
リリース | ||||
録音 | 1995年 | |||
ジャンル | ポップス | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
作詞・作曲 | マイケル・ジャクソン | |||
プロデュース | マイケル・ジャクソン | |||
チャート最高順位 | ||||
マイケル・ジャクソン シングル 年表 | ||||
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「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」(They Don't Care About Us)は、マイケル・ジャクソンが1996年4月に発表したシングル。1995年のアルバム『ヒストリー パスト、プレズント・アンド・フューチャー ブック1』からのシングル・カットである。作詞・作曲はマイケル・ジャクソン自身による。
解説[編集]
本作は1991年発売の『デンジャラス』以来4年振りにスラッシュとタッグを組んだ作品であり、歌詞とミュージック・ビデオの両方で論争を起こした作品として知られる。人種差別・環境破壊・紛争、あるいは暴力・中傷・抑圧・犯罪など人間の負の面を直接的に批判し、怒りに近い感情に満ちた強いメッセージを持った作品である。
歌詞は、一部(「jew me」および「kike me」)が、マイケルによる「僕を騙す」という本来の意味ではなく、「私をユダヤ人にする」という意味にも取られるとして、「人権的偏見を煽る歌詞がある」、「反ユダヤ曲である」と批判された[1]。問題部分だとし抗議していた反ユダヤ活動監視団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、『“kike”はユダヤ人に対する侮蔑的言葉の俗語。“jew”はユダヤ人を指す言葉で、それ自体は侮蔑的な意味を持たないが、“kike”と並列して使うと否定的意味合いを帯びる結果を招いてしまう』との見解を示した。ジャクソンは直ちに、自分は反ユダヤ主義者ではないとした上で[2]、この曲でリスナーに不快感を与えたことを謝罪した[3][4]。シングル・バージョンでは、歌詞の問題となった当該個所にノイズを施す処置が行われた。
ちなみに、妊娠中ということでこの年の11月にジャクソンと結婚し、翌1997年2月に彼の長男を産んだ元妻のデビー・ロウはユダヤ系である。
ミュージック・ビデオ[編集]
ミュージック・ビデオは「プリズン・バージョン」と「ブラジル・バージョン」の2バージョンあり、どちらもスパイク・リーが監督することで話題になった。オリジナルであるプリズン・バージョン(監獄バージョン)には、「ロドニー・キング事件」および「ロス暴動」、「天安門事件」の他、戦争・核実験・暴動・集団暴行・虐待・クー・クラックス・クラン等の映像が多数使用されており、「暴力的である」としてMTVは放送を許可しなかった。MICHAEL JACKSON'S VISIONにて、初めてプリズン・バージョンが収録された。
また、ブラジルバージョンはブラジルのスラム街(ファヴェーラ)で撮影された。
2020年には、スパイク・リー監督自らがアップデートさせて「They Don't Care About Us (2020)」としてマイケルの誕生日である8月29日に公開された。「プリズン・バージョン」と「ブラジル・バージョン」のシーンに加えて、当時世界各地に広がっていたBlack Lives Matterの抗議活動を織り交ぜた映像を作り上げた[5]。
備考[編集]
マイケルは生前『ナンバー・ワンズ』(2003年)、『マイケル・ジャクソン:アルティメット・コレクション』(2004年)、『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン』(2005年)、『キング・オブ・ポップ』(2008年)とベスト盤を多く出していたが、日本盤ではいずれのベストアルバムにも収録されなかった。『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン』に関しては、インターナショナル盤に収録されたものの、米国盤および日本盤には未収録となった。『キング・オブ・ポップ』に関しては、日本盤では収録されなかったが(投票結果:対象50曲中22位)[6] イギリスなど他の国では収録されたものも多い。2006年発売のボックス・セット『ヴィジョナリー』には収録されたが、これは日本盤の発売がなかった。その後『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン3.0』のDISC3に収録された。
マイケルは2009年7月からロンドンで「This Is It」と題する復活ツアーを予定していたが、6月25日の死去により実現できなかった。その2日前の23日に、ロサンゼルス市内のステイプルズ・センターで行われた彼の「最後のリハーサル映像」(7月2日にAEGライブより一部公開分、約1分40秒)に収録されていたのが、この“They Don't Care About Us”であった。これにより、10月28日公開の映画サウンドトラック盤『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』への収録が実現した。
トラック・リスト[編集]
日本盤 マキシ・シングル
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (シングル・ヴァージョン)
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (チャールズ・フル・ジョイント・ミックス)
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (ダラス・メイン・ミックス)
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (ラヴ・トゥ・インフィニティズ・ウォーク・イン・ザ・パーク・レディオ・ミックス)
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (ラヴ・トゥ・インフィニティズ・クラシック・パラダイス・レディオ・ミックス)
- ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス (トラックマスターズ・レディオ・エディット)
- ロック・ウィズ・ユー (フランキーズ・フェイヴァリット・クラブ・ミックス)
- アース・ソング (ハニズ・クラブ・エクスペリエンス)
脚注[編集]
- ^ “Jewish Response to Jackson”. The New York Times (1995年6月16日). 2009年8月21日閲覧。
- ^ “In New Lyrics, Jackson Uses Slurs”. The New York Times (1995年6月15日). 2009年8月21日閲覧。
- ^ “Michael Jackson Apologizes For Hurt Caused by Lyrics”. The New York Times (1995年6月17日). 2009年8月21日閲覧。
- ^ “Michael Jackson - Museum of Tolerance's first visitor”. Simon Wiesenthal Center (2009年9月17日). 2009年9月17日閲覧。
- ^ “スパイク・リー、故マイケル・ジャクソンのプロテスト・ソング「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」MVを現代版にアップデート”. Billboard JAPAN. (2020年9月1日) 2020年9月1日閲覧。
- ^ “キング・オブ・ポップ ジャパン・エディション特設サイト”. Sony Music (2009年12月3日). 2009年12月3日閲覧。