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タイリンヒメフヨウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイリンヒメフヨウ
10分岐するタイリンヒメフヨウの雌しべの先端
(2024年7月 沖縄県石垣市 バンナ公園)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ上群 superrosids
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ群 Malvidae / rosid II
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
: ヒメフヨウ属 Malvaviscus
: タイリンヒメフヨウ
M. penduliflorus
学名
Malvaviscus penduliflorus DC.
シノニム

Malvaviscus arboreus Cav. var. penduliflorus (DC.) Schery

英名
Firecracker Hibiscus, Turk's cap, Sleeping Hibiscus
タイリンヒメフヨウ(2024年7月 沖縄県石垣市 バンナ公園)

タイリンヒメフヨウ(別名:ウナズキヒメフヨウ、タイワンヒメフヨウ、学名:Malvaviscus penduliflorus)はアオイ科ヒメフヨウ属の常緑低木。過去にはヒメフヨウM. arboreusの変種として扱われていたことから、古い文献では学名表記が異なることがあるが(例:M. arboreus var. penduliflorusなど)現在ではシノニムとされている。

特徴

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ヒメフヨウよりすべて大型[1]。高さは3 m[2]、または2 mほどでヒメフヨウ(約3 m)より小さいとする文献もある[3][4]。葉は卵形~披針形で葉縁に切れ込みがある。葉先は尖る。花期は秋(9月)~春(5月)だが、乾燥地では夏でも開花する。蕾は上向きだが、開花に向かうにつれ下垂する。種小名penduliflorusと別名のウナズキヒメフヨウは、花が下向きにつくことから名付けられた。赤い花は半開きのまま花弁がほとんど開かず、ハイビスカスの蕾のようにも見える。花弁はヒメフヨウよりも長く6 cmほどで、花の先から雄蕊筒を伴う花柱が出る。花柱先端は10分岐する。花色は赤、桃、白。単にヒメフヨウと呼ばれることもあるが、本来のヒメフヨウは花が小さく上向きに咲くことで本種と区別される[2][3][5][1][4]

栽培・利用

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メキシコ~コロンビア原産。沖縄で普通に栽培される熱帯植物。挿し木でよく活着する。樹勢が旺盛で徒長しがちなため、花が終わった5月頃に強剪定を行う。剪定後は基部から枝が出て、ブッシュ状に仕立てることも可能[5][1]

脚注

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  1. ^ a b c (岸本 1997, p. 507–509)
  2. ^ a b (池原 1979, p. 162)
  3. ^ a b (白井 1980, p. 77)
  4. ^ a b (屋比久 2006, p. 169)
  5. ^ a b (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 78)

参考文献

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  • 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第1巻 栽培植物と果樹』新星図書出版、1979年。  ※ウナズキヒメフヨウ 学名:Malvaviscus arboreus Cav. var. penduliflorus Scheryと記述
  • 白井祥平『沖縄園芸植物大図鑑』 4巻《熱帯花木》、沖縄教育出版、那覇市、1980年。 
  • 岸本高男 著「ヒメブッソウゲ」、比嘉良勝 編『原色版沖縄園芸百科』(第6版)新報出版、那覇市、1997年。  ※ダイリンヒメブッソウゲ 学名:Malvaviscus arboreus Cav. var. penduliflorus Scheryと記述、掲載画像は白花と赤花
  • 海洋博記念公園管理財団『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 ※ウナズキヒメフヨウ 学名:Malvaviscus arboreus var. mexicanus Schlechtend.と記述
  • 屋比久壮実『花ごよみ 亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画、2006年。ISBN 4990191730  ※ウナズキヒメフヨウ(別名タイワンヒメフヨウ)、学名:Malvaviscus arboreusと記述

外部リンク

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