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タワマン文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Lippopが2020年4月29日に発表した「タワマンマウント」についてのアンケート結果。タワーマンションは住む部屋の階層によって格差があり、人間関係においてしばしばマウンティングが発生するとされ、本調査では全体の46%が「たまにある」と回答した[1]

タワマン文学[2][3][4](タワマンぶんがく)とは、日本小説分類の一つ。Twitterの投稿を起源とし、タワーマンション(タワマン)などを舞台に、都市で暮らす人々の格差や嫉妬心を描くジャンルである[5][6]。また、タワーマンション住民の間の中学受験ブームも題材となっている[7]。Twitter上から人気が広がり、2020年代においては単行本も出版されている[8]

定義

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渡辺祐真によると、「時に成功者の証として持ちあげられ、時に資本主義の権化として槍玉に挙げられるタワーマンションを舞台に、現代日本の格差嫉妬、生きづらさを描く作品群」と定義される[8]

起源

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高層ビル内の格差を題材とした早い例として、J・G・バラードの小説『ハイ・ライズ英語版』(1975年)がある[5]。日本では、桐野夏生の『ハピネス』(2013年[9]などがタワーマンション内の人間関係を題材としていたが、「タワマン文学」と呼称されるジャンル自体は、窓際三等兵(外山薫)が2021年頃からTwitterに投稿した創作ツイート群が先駆けとされている[8][10]

評価

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ジャーナリストの川口穣によると、Twitter上ではタワマン文学で多用される露悪的表現を「不快[11]」だとする声もある。その一方で、「幸せについて考えさせられた」と評価する読者もいるという[6]。タワマン文学作家の窓際三等兵は、自作も含めたタワマン文学作品について「Twitterのバズりに特化した量産品であり、書いてる方も文学性なんて求めてない」と評している[12]

「タワマン文学」に分類される作家・作品

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  • 麻布競馬場『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』(2022年9月、集英社[8]
  • 麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』[13]
  • 外山薫『息が詰まるようなこの場所で』(2023年1月、KADOKAWA[8]
  • 麻布競馬場、新庄耕、外山薫ほか『本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー』(2023年4月、集英社)[14]
  • 佐川恭一『サークルクラッシャー麻紀』(2017年12月、破滅派)[9]
  • 桐野夏生『ハピネス』(2013年2月、光文社・2016年2月、光文社文庫)[9]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ タワマンマウントの事例と対処法を徹底調査【100人に聞きました】”. リップポップ(Lip Pop). Lippop (2020年4月29日). 2023年9月14日閲覧。
  2. ^ 「タワマン文学」の先駆者、窓際三等兵による初の長編小説!『息が詰まるようなこの場所で』外山 薫 試し読み”. カドブン (2023年1月27日). 2023年4月16日閲覧。
  3. ^ twitterで話題の赤裸々小説「タワマン文学」の先駆者・窓際三等兵による書き下ろし新作2023年1月発売決定!”. prtimes.jp. PR TIMES. 2023年4月16日閲覧。
  4. ^ 「タワマン文学 鼻で笑える大人になって」 作家・外山薫さん独占インタビュー 慶大に当たりが強い理由とは”. www.jukushin.com. 慶應塾生新聞. 2023年4月16日閲覧。
  5. ^ a b タワマン文学。人はいかに高所とエレベーターを克服したか(前編) – 集英社新書プラス”. shinsho-plus.shueisha.co.jp. 集英社 (2023年2月24日). 2023年4月14日閲覧。
  6. ^ a b 湾岸タワマンの「中の人」から見たタワマン文学とは――。『息が詰まるようなこの場所で』著者・外山薫×湾岸タワマン専門家・のらえもん対談”. ddnavi.com. 朝日新聞社 (2023年5月24日). 2023年6月22日閲覧。
  7. ^ タワマン住民の格差や焦燥を描く「タワマン文学」 「笑いもの」とされる中流層にも刺さる理由(1/2)〈AERA〉”. ddnavi.com. ダ・ヴィンチWeb (2023年2月25日). 2023年4月14日閲覧。
  8. ^ a b c d e 格差、嫉妬、劣等感――国に出せない負の感情 胸ざわつく「タワマン文学」 価値観や幸せ 考える一助に毎日新聞』夕刊2023年5月29日2面(同日閲覧)
  9. ^ a b c "勝ち組"の生活の悲哀を描く、「タワマン小説」の世界”. 小説丸. 小学館 (2022年10月19日). 2023年6月22日閲覧。
  10. ^ タワマン文学の先駆者・窓際三等兵改め外山薫氏にインタビュー!「湾岸タワマン」を取り巻く人たちのリアル事情を聞いた”. diamond-fudosan.jp. ダイヤモンド社 (2023年3月3日). 2023年4月14日閲覧。
  11. ^ AERA dot (2023年5月24日). “タワマン住民の格差や焦燥を描く「タワマン文学」 「笑いもの」とされる中流層にも刺さる理由”. topics.smt.docomo.ne.jp. dmenu ニュース. 2023年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月6日閲覧。
  12. ^ nekogal21”. twitter.com. 2023年6月22日閲覧。
  13. ^ 海老沢類 (2024年4月17日). “「SNSは本当に罪深い」「タワマン文学」覆面作家・麻布競馬場さんが描く令和の幸福論”. www.sankei.com. 産経新聞. 2024年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月17日閲覧。
  14. ^ https://dot.asahi.com/articles/-/194553?page=2

関連項目

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