ダルド (CIWS)
ダルド(イタリア語: DARDO)は、イタリアのセレニア(現在のSELEX エルサグ)社が開発した射撃指揮システム(FCS)[1][2]。同国ブレーダ社の70口径40mm連装機関砲と組み合わされて、近接防空システム(CIWS)を構成する[1][2]。
概要
[編集]本システムの特徴は、(ファランクスに代表されるような)従来のCIWSが自己完結型システムを指向していたのに対し、捕捉レーダーとFCS、機関砲を分散配置し、艦のシステムと統合している点にある[3]。
上記の特徴から、ダルド・システムは、いわば同社のNA-10砲射撃指揮システム(GFCS)のCIWS バージョンとも表現できるものになっており、捕捉レーダーとしてはSバンドのRAN-10S、火器管制レーダーとしてはXバンドのRTN-20X、機関砲としては70口径40mm連装機関砲(コンパクト・フォーティー)が用いられる[1][2]。また中国人民解放軍海軍およびタイ王国海軍の採用モデルでは、それぞれ山寨化された347型レーダー、360型レーダー、76A式37mm連装機関砲に置き換えられる[2][4]。なお、電子攻撃を受けている状況を想定して、電子光学(EO)式の副方位盤も組み込まれる。情報処理装置としては18ビットの電子計算機が採用されており、目標捕捉レーダーからの情報に基づき10個の目標を同時追尾可能である。交戦は全自動化も可能とされている。なお、操作コンソールはNA-10のものと類似している[1]。
また、火器管制レーダーをより大出力のRTN-30XとしたNA-30 FCSもダルド-Eと称されることがあり、この場合、機関砲のかわりに62口径76mm単装速射砲(スーパー・ラピッド砲)が用いられる[2]。
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イタリア海軍「フランチェスコ・ミンベッリ」
艦橋下部左右とヘリ格納庫上の計3基の76mm スーパーラピッド砲は、艦橋上部の左右とAN/SPG-51射撃指揮レーダーの左右に設置された、計4基のTRN-30X レーダーの射撃指揮を受ける。
採用国と搭載艦艇
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- Friedman, Norman (1997), The Naval Institute Guide to World Naval Weapon Systems 1997-1998, Naval Institute Press, ISBN 978-1557502681
- Hooton, E.R., ed. (1998), Jane's Naval Weapons Systems (26th ed.), NCID AA11235770
- 海人社 編「対艦ミサイル防御の切札 世界の現用CIWS全タイプ」『世界の艦船』第609号、海人社、43-47頁、2003年4月。 NAID 40005699406。
- 陸易「中国軍艦のコンバット・システム」『世界の艦船』第748号、海人社、94-97頁、2011年10月。 NAID 40018965309。
関連項目
[編集]ウィキメディア・コモンズには、ダルド (CIWS)に関するカテゴリがあります。