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チグリン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チグリン酸
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識別情報
CAS登録番号 80-59-1 チェック
PubChem 125468
ChemSpider 111629 ×
UNII I5792N03HC チェック
ChEBI
6499
特性
化学式 C5H8O2
モル質量 100.116 g/mol
密度 0.9641 g/cm3 (76 °C)
融点

63.5 - 64 °C, 273 K, -20 °F

沸点

198.5 °C, 472 K, 389 °F

酸解離定数 pKa 4.96
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チグリン酸(チグリンさん、英語: tiglic acid)は、不飽和カルボン酸の一つで、ヘミテルペンに分類される天然由来の化合物である。ハズ油(クロトン油)などに含まれる。オサムシ科の甲虫の防御用分泌物からも発見されている[1]

性質

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カルボキシル基に隣接する位置に炭素炭素二重結合を持ち、アンゲリカ酸とはシス・トランス異性体の関係にある。甘く暖かい感じのぴりっとした香りを持つ。香料香水に使われる。

毒性

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皮膚や目を刺激する。吸入すると呼吸器系に炎症を起こす原因となる。アメリカ合衆国では有害物質規制法英語版 (Toxic Substances Control Act) のリストに記載されている。

歴史

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1819年、ピエール・ジョセフ・ペルティエ (Pierre-Joseph Pelletier) とジョゼフ・ビヤンネメ・カヴェントゥ (Joseph-Bienaime Caventou) は、メキシコのメランチウム科の植物の一種 Schoenocaulon officinalis (現在は S. officinale) の種子から、昇華性を持つ結晶を単離した。その植物はセバジラ (cevadilla) あるいはサバジラ (sabadilla) とも呼ばれたことから、この物質はセバジラ酸(サバジラ酸)と名づけられた。その後、エドワード・フランクランドらによって1865年に合成されたメチルクロトン酸と同等であることが示された。1870年、ゴイター (Geuther) とフレーリッヒ (Fröhlich) はハズ油から酸性物質を取り出し、原料となった植物 Croton tiglium からチグリン酸 (tiglic acid) と名づけた。こちらについても1878年にメチルクロトン酸と同じであることが示されている[2]

サバジラ (sabadilla) は、花粉症の治療に使用されている。

参考文献

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  1. ^ Attygalle, A. B.; Wu, X.; Will, K. W. (2007). "Biosynthesis of tiglic, ethacrylic, and 2-methylbutyric acids in a carabid beetle, Pterostichus (Hypherpes) californicus". J. Chem. Ecol. 33: 963–970. doi:10.1007/s10886-007-9276-3. PMID 17404818.
  2. ^ Lloyd, J. U. (1898). "Croton tiglium Archived 2003年8月1日, at the Wayback Machine.". Lloyd Brothers plant drug pamphlets, Lloyd Brothers Pharmacy: Cincinnati.

関連項目

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