チグリン酸
チグリン酸 | |
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(2E)-2-Methylbut-2-enoic acid | |
別称 (E)-2-Methylbut-2-enoic acid Cevadic acid Sabadillic acid Tiglinic acid | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 80-59-1 |
PubChem | 125468 |
ChemSpider | 111629 |
UNII | I5792N03HC |
ChEBI | |
6499 | |
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特性 | |
化学式 | C5H8O2 |
モル質量 | 100.116 g/mol |
密度 | 0.9641 g/cm3 (76 °C) |
融点 |
63.5 - 64 °C, 273 K, -20 °F |
沸点 |
198.5 °C, 472 K, 389 °F |
酸解離定数 pKa | 4.96 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
チグリン酸(チグリンさん、英語: tiglic acid)は、不飽和カルボン酸の一つで、ヘミテルペンに分類される天然由来の化合物である。ハズ油(クロトン油)などに含まれる。オサムシ科の甲虫の防御用分泌物からも発見されている[1]。
性質
[編集]カルボキシル基に隣接する位置に炭素炭素二重結合を持ち、アンゲリカ酸とはシス・トランス異性体の関係にある。甘く暖かい感じのぴりっとした香りを持つ。香料や香水に使われる。
毒性
[編集]皮膚や目を刺激する。吸入すると呼吸器系に炎症を起こす原因となる。アメリカ合衆国では有害物質規制法 (Toxic Substances Control Act) のリストに記載されている。
歴史
[編集]1819年、ピエール・ジョセフ・ペルティエ (Pierre-Joseph Pelletier) とジョゼフ・ビヤンネメ・カヴェントゥ (Joseph-Bienaime Caventou) は、メキシコのメランチウム科の植物の一種 Schoenocaulon officinalis (現在は S. officinale) の種子から、昇華性を持つ結晶を単離した。その植物はセバジラ (cevadilla) あるいはサバジラ (sabadilla) とも呼ばれたことから、この物質はセバジラ酸(サバジラ酸)と名づけられた。その後、エドワード・フランクランドらによって1865年に合成されたメチルクロトン酸と同等であることが示された。1870年、ゴイター (Geuther) とフレーリッヒ (Fröhlich) はハズ油から酸性物質を取り出し、原料となった植物 Croton tiglium からチグリン酸 (tiglic acid) と名づけた。こちらについても1878年にメチルクロトン酸と同じであることが示されている[2]。
サバジラ (sabadilla) は、花粉症の治療に使用されている。
参考文献
[編集]- ^ Attygalle, A. B.; Wu, X.; Will, K. W. (2007). "Biosynthesis of tiglic, ethacrylic, and 2-methylbutyric acids in a carabid beetle, Pterostichus (Hypherpes) californicus". J. Chem. Ecol. 33: 963–970. doi:10.1007/s10886-007-9276-3. PMID 17404818.
- ^ Lloyd, J. U. (1898). "Croton tiglium Archived 2003年8月1日, at the Wayback Machine.". Lloyd Brothers plant drug pamphlets, Lloyd Brothers Pharmacy: Cincinnati.