チシマゼキショウ
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チシマゼキショウ | |||||||||||||||||||||
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福島県飯豊山 2012年7月
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Tofieldia coccinea Richards. var. coccinea[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
本文参照 |
チシマゼキショウ(千島石菖、学名:Tofieldia coccinea )はチシマゼキショウ属の常緑 [2]の多年草。別名、クロミノイワゼキショウ、クロミゼキショウ、リシリゼキショウ[3]。
特徴
[編集]花茎の高さは、5-15cmになり、1-2個の小型の茎葉をつける[4]。根出葉は、長さ2-10cm、幅2-3mmになる剣形[2]で、先端は鋭くとがり、縁は細かい突起がありざらつく。
花期は7-8月。花茎の上に短い総状花序がつき、数個から10数個[2]の花をつけ、花は開出するか斜め下向きに開く。花柄は長さ1mmと短い。花被片は長さ2-3mmの長楕円形で、白色でかすかに紫色を帯びる。雄蕊は花被片と同長で6個あり、葯は黄褐色から赤褐色[2]。花柱は3個ある。果実は蒴果で径3mmの球形で、斜め下向きにつく。
分布と生育環境
[編集]日本では、北海道、本州の中部地方以北に分布[2][5]し、高山帯の岩礫地や岩のすき間に生育する[2]。外国では、千島、樺太、中国北部、アリューシャン、カムチャツカ、シベリア、アラスカ、カナダまで広い範囲に分布しており、変異が多い。
シノニム
[編集]- Tofieldia coccinea Richards. f. rishiriensis (Miyabe et Kudô) Sugim.
- Tofieldia coccinea Richards. f. fusca (Miyabe et Kudô) Q.S.Sun
- Tofieldia coccinea Richards. var. fusca (Miyabe et Kudô) H.Hara
- Tofieldia fusca Miyabe et Kudô
- Tofieldia nutans Willd. ex Schult. et Schult.f.
- Tofieldia nutans Willd. ex Schult. et Schult.f. var. fusca (Miyabe et Kudô) Koidz.
下位分類
[編集]- チャボゼキショウ(アポイゼキショウ)Tofieldia coccinea Richards. var. kondoi (Miyabe et Kudô) H.Hara -花茎は高さ6-21cm、花柄が1.5-2mmと長く、葯が紫色を帯びる。北海道、本州の中部地方以北に分布し、山地から亜高山帯の石灰岩地や蛇紋岩地に生育する[2]。アポイ岳のものが基準標本[2]。
- ゲイビゼキショウ Tofieldia coccinea Richards. var. geibiensis (M.Kikuchi) H.Hara -花茎は高く、高さ15-25cm、花柄が6-10mm。花被片より雄蕊の方が長い。岩手県の猊鼻渓から発見が報告されたもの。絶滅危惧IB類(EN)。
- アッカゼキショウ Tofieldia coccinea Richards. var. akkana (T.Shimizu) T.Shimizu –外花被片が内花被片より短い特徴がある。岩手県の岩泉町安家から発見が報告されたもの。絶滅危惧IA類(CR)。
- ハコネハナゼキショウ[6](ミヤマゼキショウ、ナガエチャボゼキショウ) Tofieldia coccinea Richards. var. gracilis (Franch. et Sav.) T.Shimizu -絶滅危惧IA類(CR)。
ギャラリー
[編集]-
花茎は根出葉のわきから伸びる [7]。
-
花茎に小型の葉がつく。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本 I 単子葉類』、1982年、平凡社
- 豊国秀夫編『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』、1988年、山と溪谷社
- 清水建美、木原浩『高山に咲く花 山溪ハンディ図鑑8』、2002年、山と溪谷社