チャンネル争い
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チャンネル争い(チャンネルあらそい)とは、同一世帯内におけるテレビのチャンネルを巡る争いのことである。家庭にテレビが一つしかなかった時代においてよくみられたが、現代においては一人に一つずつテレビがある家庭、あるいはパソコンやスマートフォン・タブレットを使用してテレビを視聴することも多く、チャンネル争いが発生することも少なくなった[1][2]。テレビ大阪の取締役を務めていた中野禮一は、チャンネル争いについて「ほほ笑ましい家庭の楽しみ」と評価している[3]。
事件に至った例
[編集]チャンネル争いは喧嘩や兄弟姉妹間の揉め事の原因となり[4]、最悪の場合傷害事件や殺人事件に発展することもある。
- 1978年4月に埼玉県与野市で、木曜日の夕方5時に日本テレビで再放送されていた「さるとびエッちゃん」を中学2年生の兄が、小学6年生の妹はTBSで再放送していた「みつばちマーヤの冒険」を見たいと喧嘩。以前からふたりの間には喧嘩が絶えなかったらしく、兄の鬱憤が爆発、チャンネル争いの末に妹を果物ナイフで刺殺、ビニール袋を被せて段ボール箱に死体を入れてから警察に通報して自首するという事件が起こる[5]。徳島県でも1980年に中学生の姉弟がチャンネル争いを起こした結果弟が姉を射殺してしまったこともあった[6]。
- 南アフリカで行われた2010 FIFAワールドカップの際には、南アフリカリンポポ州のある家庭で家族間でのチャンネル争いで、サッカーを見ようとした父が妻と子に殺される事件が発生[7][8][9][10]、日本でも埼玉県さいたま市でワールドカップ関連番組を見ていた男性が同居人の男性とのチャンネル争いの末に同居人をカッターナイフで切りつける事件が発生した[11][12]。
出典
[編集]- ^ 『保育用語辞典』一藝社、2006年 ISBN 9784901253703 276頁
- ^ “じっくり家を買う前に:/2 住宅の役割を考える”. 毎日新聞. (2010年5月31日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ 中野禮一「巻頭言 チャンネル争い」『逓信協会雑誌』第1059号、逓信協会、1999年8月、1頁、doi:10.11501/2777343、ISSN 1880-6686。
- ^ 武田京子「きょうだい関係と性格特性に関する研究」『岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要』第5号、岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター、1995年3月、179-190頁、CRID 1390572174849529472、doi:10.15113/00011022、ISSN 0917-2874、NAID 110000538026、NCID AN10359408。
- ^ 『週刊サンケイ』1477号「無関心ではいられない兄妹チャンネル争い殺人の背景」17頁、1978年5月。
- ^ 千葉三樹男 『キレる子供は食事で変わる』 エイ出版社、2001年 ISBN 9784870994683 35頁
- ^ “W杯中継見たがった父が殺される”. スポーツ報知. (2010年6月19日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ “W杯チャンネル争いで殺害 家族と口論の末、南ア”. 47NEWS. (2010年6月18日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ “南ア死のチャンネル争い…妻子が父を殺害”. サンケイスポーツ. (2010年6月19日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ “W杯のチャンネル争い…南アで殺人事件発生”. スポーツニッポン. (2010年6月19日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ “W杯チャンネル争いで傷害事件、男を逮捕”. 日刊スポーツ. (2010年6月15日) 2010年6月25日閲覧。
- ^ “「岡田ジャパン見せろ」とグサッ! 62歳と58歳、熱くなりすぎチャンネル争い”. スポーツ報知. (2010年6月16日) 2010年6月25日閲覧。