チャールヴィル伯爵
チャールヴィル伯爵(チャールヴィルはくしゃく、英: Earl of Charleville)は、アイルランド貴族の爵位。2度創設され、いずれも廃絶している。
歴史
[編集]アイルランド王国の政治家ジョン・ムーア(c.1676–1725)はハノーヴァー朝の王位継承を支持して、1715年10月22日にアイルランド貴族であるタラモアのムーア男爵に叙された[1][2]。その息子である2代男爵チャールズ・ムーア(1712–1764)は1758年9月16日にアイルランド貴族であるキングス・カウンティにおけるチャールヴィル伯爵に叙されたが、妻との間で息子をもうけず、爵位はすべて廃絶した[3][4]。
チャールヴィル伯爵の死後、その遺産は姉妹ジェーンの息子ジョン・ベリー(1725–1764)が相続したが、その半年後にジョンも生後1か月の息子チャールズ・ウィリアム・ベリー(1764–1835)を残して死去した[5]。チャールズ・ウィリアム・ベリーはアイルランド庶民院議員を務め、1798年アイルランド反乱の鎮圧にも尽力した[5]。彼は1797年11月26日にアイルランド貴族であるキングス・カウンティにおけるチャールヴィル・フォレストのタラモア男爵に[6]、1800年12月29日にキングス・カウンティにおけるチャールヴィル・フォレストのチャールヴィル子爵に[7]、1806年2月16日にチャールヴィル伯爵に叙された[5][8]。1801年以降はアイルランド貴族代表議員も務めた[5]。
チャールズ・ウィリアム・ベリーの死後、息子、孫、曽孫が爵位を継承したのち、3代伯爵の弟アルフレッド・ベリー(1829–1875)が爵位を継承し、その死をもって爵位は廃絶した[9]。遺産は3代伯爵の娘で4代伯爵の妹であるエミリア・アルフレッダ・ジュリア・ベリー(1856–1931)が相続した[10]。彼女は1881年にジェームズ・ケネス・ハワード閣下(1814–1882)の息子ケネス・ハワード(1845–1885)と結婚、ケネスは同年に「ベリー」を姓に加えた[10]。2人の息子が探検家・政治家のチャールズ・ケネス・ハワード=ベリー(1883–1963)である[11]。
ムーア男爵(1715年)
[編集]チャールヴィル伯爵(1758年)
[編集]- 初代チャールヴィル伯爵チャールズ・ムーア(1712年 – 1764年)
チャールヴィル伯爵(1806年)
[編集]- 初代チャールヴィル伯爵チャールズ・ウィリアム・ベリー(1764年 – 1835年)
- 第2代チャールヴィル伯爵チャールズ・ウィリアム・ベリー(1801年 – 1851年)
- 第3代チャールヴィル伯爵チャールズ・ウィリアム・ジョージ・ベリー(1822年 – 1859年)
- 第4代チャールヴィル伯爵チャールズ・ウィリアム・フランシス・ベリー(1852年 – 1874年)
- 第5代チャールヴィル伯爵アルフレッド・ベリー(1829年 – 1875年)
出典
[編集]- ^ Cokayne, Doubleday & Howard de Walden 1936, p. 164.
- ^ "No. 5368". The London Gazette (英語). 27 September 1715. p. 2.
- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1913, p. 140.
- ^ "No. 9813". The London Gazette (英語). 29 July 1758. p. 2.
- ^ a b c d Cokayne, Gibbs & Doubleday 1913, p. 141.
- ^ "No. 14064". The London Gazette (英語). 11 November 1797. p. 1081.
- ^ "No. 15326". The London Gazette (英語). 6 January 1801. p. 40.
- ^ "No. 15889". The London Gazette (英語). 11 February 1806. p. 193.
- ^ Cokayne, Gibbs & Doubleday 1913, pp. 142–143.
- ^ a b Cokayne, Gibbs & Doubleday 1913, p. 142.
- ^ Keaney, Marian (23 September 2004). "Bury, Charles Kenneth Howard-". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/62493。 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
参考文献
[編集]- Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary; Doubleday, Herbert Arthur, eds. (1913). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Canonteign to Cutts) (英語). Vol. 3 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. pp. 140–143.
- Cokayne, George Edward; Doubleday, Herbert Arthur; Howard de Walden, Thomas, eds. (1936). The Complete Peerage, or a history of the House of Lords and all its members from the earliest times (Moels to Nuneham) (英語). Vol. 9 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press. p. 164.