ティム・バックリィ
ティム・バックリィ Tim Buckley | |
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ティム・バックリィ(1968年) | |
基本情報 | |
出生名 | Timothy Charles Buckley III |
生誕 | 1947年2月14日 |
出身地 | アメリカ合衆国 ワシントンD.C. |
死没 | 1975年6月29日(28歳没) |
ジャンル | フォークロック、サイケデリック・ロック、ジャズ・ロック、ファンク |
職業 | ミュージシャン、シンガーソングライター、音楽プロデューサー |
担当楽器 | ボーカル、ギター、12弦ギター、カリンバ |
活動期間 | 1966年 - 1975年 |
レーベル |
エレクトラ・レコード ストレイト・レコード ディスクリート・レコード |
公式サイト |
www |
ティム・バックリィ[注釈 1](Tim Buckley、1947年2月14日 - 1975年6月29日)は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。フォーク歌手としてデビューした後、先進的な音楽に挑戦し続けるが、オーバードースにより早世。息子はジェフ・バックリィ。
「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第58位[1]。
来歴
[編集]ワシントンD.C.生まれ。一家は、様々な場所を転々とした末、1956年にカリフォルニア州に移る。
1965年10月に結婚。この頃はバーやナイトクラブで歌っていたが、1966年2月5日にフランク・ザッパが率いるザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(MOI)のドラマーのジミー・カール・ブラックと出会い[2]、彼の紹介でMOIのマネージャーのハーブ・コーエンとマネージメント契約を結んだ[3]。8月にはエレクトラ・レコードとの契約を得る。1966年10月に離婚。この時、妻が身ごもっていた子がジェフ・バックリィであった。
1966年12月、デビュー・アルバム『ティム・バックリィ』発表。同作にはヴァン・ダイク・パークス等が参加。1967年のセカンド・アルバム『グッバイ・アンド・ハロー』は、ビルボード誌アルバム・チャートへのチャート・インを果たし、収録曲「Morning Glory」はブラッド・スウェット・アンド・ティアーズのデビュー作『子供は人類の父である』(1968年)で取り上げられたほか、フェアポート・コンヴェンションとイアン・マシューズにカヴァーされた。1968年、TVシリーズ『ザ・モンキーズ』にゲスト出演[4][注釈 2]。1969年発表のサード・アルバム『ハッピー・サッド』は、全米81位に達し、バックリィ最大のヒット作となった。
1970年、ザッパとコーエンが共同で経営していたストレイト・レコードに移籍。アルバム『グリーティングス・フロム L.A.』(1972年)では、大編成のバック・バンドを従えてファンク色を強める。同作発表後、ザッパとコーエンが新たに設立したディスクリート・レコードに移る[5]。
アルバム『セフローニア』(1973年)では、コーエンとマネージメント契約を結んでデビューしたばかりだったトム・ウェイツの楽曲「マーサ」をカヴァー。生前最後のアルバムとなった『ルック・アット・ザ・フール』(1974年)発表後、コーエンとの契約を解消し、以後はライブを中心に活動。1975年3月には、当時8歳だった息子ジェフと会っている[6]。
1975年6月29日、サンタモニカにて亡くなった。死因はヘロインのオーバードース。彼の主演が予定されていた映画『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』 (1976年)は、代役にデヴィッド・キャラダインを配し制作された。
没後
[編集]- 1978年の映画『帰郷』で、アルバム『グッバイ・アンド・ハロー』の収録曲「Once I Was」が使用された。
- 1983年、ディス・モータル・コイル[注釈 3]がシングル「This Mortal Coil」でアルバム『スターセイラー』の「ソング・トゥ・ザ・サイレン」をカバーし、アルバム『涙の終結 (It'll End in Tears)』(1984年)にも収録した。彼等はさらに1986年、アルバム『銀細工とシャドー (Filigree and Shadow)』で、『グッバイ・アンド・ハロー』の「Morning Glory」をカバーしている。
- 1990年以降、多くの未発表ライブ音源が発表された。
- 1992年4月、ブルックリンでバックリィのトリビュート・コンサートが行われる。デビュー前の息子ジェフがシークレット・ゲストとして登場して「I Never Wanted to be Your Mountain」「Once I Was」を歌った[7]。
- 2000年に結成されたイギリスのバンドのスターセイラーはバックリィからの影響を公言している。バンド名はアルバム『スターセイラー』に由来する[8]。
- 「ソング・トゥ・ザ・サイレン」は、ディス・モータル・コイル以外にも、ロバート・プラント(2002年)、シネイド・オコナー(2010年)、ブライアン・フェリー(2010年)などに取り上げられた。2006年には、オーストラリアの女優兼歌手ポーラ・アランデルの歌唱が映画『キャンディ』で使用された[9]。
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『ティム・バックリィ』 - Tim Buckley (1966年、Elektra)
- 『グッバイ・アンド・ハロー』 - Goodbye and Hello (1967年、Elektra)
- 『ハッピー・サッド』 - Happy Sad (1969年、Elektra)
- 『ブルー・アフタヌーン』 - Blue Afternoon (1969年、Straight)
- 『ロルカ』 - Lorca (1970年、Elektra)
- 『スターセイラー』 - Starsailor (1970年、Straight)
- 『グリーティングス・フロム L.A.』 - Greetings from L.A. (1972年、Straight|Elektra)
- 『セフローニア』 - Sefronia (1973年、Bizarre/DiscReet/Edsel/(Get Back)/Manifesto/Real Gone/Straight)
- 『ルック・アット・ザ・フール』 - Look at the Fool (1974年、Charter Line/DiscReet/Edsel/Enigma/Get Back/Manifesto/Real Gone/Warner Bros.)
ライブ・アルバム
[編集]- 『ドリーム・レター』 - Dream Letter: Live in London 1968 (1990年、Enigma/Manifesto)
- 『BBCセッションズ』 - Peel Sessions (1991年、Dutch East India/Strange Fruit)
- 『ライヴ・アット・ザ・トルバドール 1969』 - Live at the Troubadour 1969 (1994年、Rhino/Manifesto)
- 『ハニーマン』 - Honeyman: Live 1973 (1995年、Edsel/Manifesto)
- Once I Was (1999年、Varese)
- Copenhagen Tapes (2000年、Pinnacle Licensed Repertoire)
- Live at the Folklore Center 1967 (2009年、Tompkins Square)
- Venice Mating Call (2017年、Edsel)
- Greetings From West Hollywood (2017年、Edsel)
- Bear's Sonic Journals: Merry-Go-Round at the Carousel (2021年、Owsley Stanley Foundation)
コンピレーション・アルバム
[編集]- The Late Great Tim Buckley (1978年、WEA) ※オーストラリア限定
- The Best of Tim Buckley (1983年、Rhino)
- Morning Glory (1994年、Band of Joy)
- Works in Progress (1999年、Rhino Handmade)
- 『ザ・ドリーム・ビロング・トゥ・ミー (レア・アンド・アンリリースド 1968-1973)』 - The Dream Belongs to Me: Rare and Unreleased 1968–1973 (2001年、Manifesto)
- 『モーニング・グローリー : アンソロジー』 - Morning Glory: The Tim Buckley Anthology (2001年、Rhino)
- Starsailor: The Anthology (2011年、Music Club Deluxe/Rhino)
- Wings: The Complete Singles 1966–1974 (2016年、Omnivore Recordings)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ティム・バックレー」「ティム・バックリー」の表記もある。
- ^ バックリィは1968年3月25日に放映された最終回に出演して、エンディングで当時未発表だった「ソング・トゥ・ザ・サイレン」をギターの弾き語りで披露した。同音源は編集アルバム『モーニング・グローリー : アンソロジー』(2001年)に収録された。
- ^ 4ADレコードが企画したプロジェクトで、コクトー・ツインズのメンバー等が参加。
出典
[編集]- ^ “Rocklist.net...Q Magazine Lists..”. Q - 100 Greatest Singers (2007年4月). 2013年5月21日閲覧。
- ^ Tim Buckley - A Chronology, 1947-1966 by Robert Niemi (www.timbuckley.net)
- ^ Miles, Barry (2004). Zappa. New York: Grove Press. p. 169. ISBN 0-8021-4215-X
- ^ "The Monkees" Mijacogeo(IMDb)
- ^ Miles, Barry (2004). Zappa. New York: Grove Press. p. 238. ISBN 0-8021-4215-X
- ^ Tim Buckley - A Chronology, 1974-1979 by Robert Niemi (www.timbuckley.net)
- ^ ジェフ・バックリィ『グレース』日本盤CD(SRCS 7455)、ライナーノーツ(中川五郎、1994年)
- ^ Starsailor> Biography (almusic.com)
- ^ Candy (2006)-Soundtracks- (IMDb)