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ディー川 (アバディーンシャー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディー川
ディー川 2004年撮影
ブレーマー英語版近郊を流れるディー川。
延長 140 km
流域面積 2,100 km2
水源 ケアンゴーム山地英語版アバディーンシャー
水源の標高 1,200 m
河口・合流先 北海アバディーン
流域 スコットランドの旗 スコットランド
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ディー川(ディーがわ、英語: River Dee)は、イギリススコットランド東部、アバディーンシャー及びアバディーンを流れる河川である。総延長140km、流域面積は2,100km2[1][2]

流路

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ディー川の流路。
ジェームズ・キャシー英語版画のバルモラル城。ディー川のほとりに建つ城が描かれている。

スコットランド東部にあるグランピアン山脈の中央部、ケアンゴームズ国立公園英語版内にあるケアンゴーム山地英語版ベン・マクドゥイ山(標高1,310m)とブレリアック山英語版(標高1,295m)の付近、標高1,200m地点の「ディーの泉」を水源とする。イギリスの主要河川の中では最も高地に水源を持つ[1][3][4][5][2]

最上流部では山地内部を南流し、国立公園の南端で東へ転ずる。その後は河口までほぼ東流し、最終的にアバディーン北海へ流入する。河口部を除き船舶の航行はできない[1][3][4][5][2]

ディー川沿岸(ディーサイド)の自然豊かな谷は、19世紀以降に例年イギリス王室避暑地として利用することから「ロイヤル・ディーサイド」の通称を持つ。バルモラル城はじめ王室ゆかりの名所や古城が多く、ハイランド地方有数の観光地となっている。またヴィクトリア朝期の建物が多いことから「ヴィクトリアン・ヘリテージ・トレイル」(Victorian Heritage Trail)とも呼ばれている[3][4][5][6]

流域の特徴

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上流部

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上流部は山地の峡谷を急流をなして流れ、何段もの滝を持つ。特に源流部にはU字谷圏谷といった氷河地形がみられる。これは第四紀に流域全体が氷床に覆われていたことによる[3][4]

主な集落にブレーマー英語版バラター英語版など。ブレーマー付近にはブレーマー城英語版があり、バルモラル城はブレーマーとバラターの間に位置する。バルモラルの付近はマスの好漁場でもある[1][3][5][6]

下流部

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アボイン英語版より下流は広い谷となる。両岸は肥沃な農業地帯で肉牛などの牧畜が盛んであるほか、サケ漁などが行われる[3]

河口のアバディーンはスコットランドでも有数の都市であり、ディー川とドン川英語版の河口に挟まれる位置にある。港湾都市として発展を遂げ、グラスゴーエディンバラに次ぐ第3の都市となった。北海油田を支える中心港であり、ヨーロッパ最大の石油や天然ガスの供給基地となっている。またニシンタラの漁港でもある。港湾改修のためにディー川の河口部が付け替えられ、1872年に可航水路が建設された[1][6][2]

主な集落にはアボイン、アバディーンのほか、バンコリー英語版がある。バンコリーとアバディーンの間に、クラテス城英語版ドラム城英語版がある[6]

主な支流

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ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g 『世界地名大事典』(2016)。
  2. ^ a b c d 『全世界の河川事典』(2013)。
  3. ^ a b c d e f 『ブリタニカ』小項目4(1991)。
  4. ^ a b c d 『日本大百科全書』(1987)。
  5. ^ a b c d 『コンサイス 外国地名事典』(1998)。
  6. ^ a b c d 『地球の歩き方 A04』(2020)。

参考文献

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  • 『世界地名大事典 4 ヨーロッパ・ロシア〈サ-ハ〉』 朝倉書店、2016年、1852頁「ディー川」項(田中耕市著)。
  • 『日本大百科全書 16』 小学館、1987年、32頁「ディー川」項(小池一之著)。
  • 『ブリタニカ国際大百科事典 4 小項目事典TBSブリタニカ、1974年初版/1991年第2版改訂、506-507頁「ディー川」項。
  • 『コンサイス 外国地名事典 〈第3版〉』 三省堂、1998年、591頁「ディー川」項。
  • 高橋裕ほか編『全世界の河川事典』 丸善出版、2013年、684-685頁「ディー川」項(武藤裕則著)。
  • 地球の歩き方 A04 湖水地方&スコットランド 2021-2022版』 ダイヤモンド・ビッグ社、1996年初版/2020年改訂14版第1刷、270、272、280-282頁。

関連項目

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