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デクロワゾー石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デクロワゾー石
ナミビアで産出したデクロワゾー石、9.5 x 8.9 x 4.9 cm
分類 バナジン酸塩鉱物
シュツルンツ分類 08.BH.40
化学式 (Pb,Zn)2VO4OH
結晶系 斜方晶
対称 斜方晶 (2/m 2/m 2/m) - 双錐
単位格子 a = 7.593 Å, b = 6.057 Å, c = 9.416 Å; Z = 4
晶癖 柱状結晶、羽毛状集合体
へき開 なし
断口 不規則、準貝殻状
粘靱性 脆い
モース硬度 3 - 3.5
光沢 脂状
茶赤色、赤橙色、赤茶色、黒茶色、ほぼ黒色
条痕 橙色から茶赤色
透明度 透明から不透明
比重 6.1 - 6.2
光学性 2軸 (-)
屈折率 nα = 2.185 nβ = 2.265 nγ = 2.350
複屈折 δ = 0.165
多色性 可視
光軸角 2V 85° - 90°
分散 強い r > v 稀に r < v
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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デクロワゾー石(Descloizite)は、塩基性のバナジン酸亜鉛から構成され、組成は(Pb,Zn)2(OH)VO4の珍しい鉱物である。結晶系は斜方晶であり、オリーブ銅鉱と同形である。結晶構造の中には、かなりの量のガリウムゲルマニウムも取り込まれうる。

色は深いチェリーレッドから茶色または黒色で、大きな結晶は脂肪光沢を伴う透明か半透明を示す。条痕は橙黄色から茶色で、比重は5.9-6.2、硬度は3.5である。近縁種のモットラム石亜鉛に卓越しており、またバナジウムの代わりに若干のヒ素を含む。色は鈍い緑色で、皮膜状や粉末状の産出が多い。砒デクロワゾー石と呼ばれるヒ酸塩のアナログも存在する[4]

発見と生成

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1854年にアルゼンチンコルドバにあるコルドバ山脈鉱床で発見され、フランスの鉱物学者アルフレッド・デクロワゾーに因んで命名された[1]。小さなプリズム状またはピラミッド状の結晶となり、しばしば結晶集合体や鍾乳石状の集合体(繊維状結晶からなる房状の塊)を示す。

デクロワゾー石は、鉛鉱床の酸化帯に産し、関連する鉱物には、緑鉛鉱褐鉛鉱モリブデン鉛鉱モットラム石ミメット鉱白鉛鉱等がある[3]

ナミビアオタビ山地には、かつて世界最大のバナジウム鉱床があると考えられていた[5]。デクロワゾー石やモットラム石は、これらの鉱床での主要な鉱物であったが、現在では掘り尽くされている。その他の採掘場所としては、アルゼンチンのコルドバ山脈、シエラ郡 (ニューメキシコ州)レイク・バレーペンシルベニア州フェニックスビルオーストリアケルンテン州のObir等である。

脚注

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  1. ^ a b Mindat.org
  2. ^ Webmineral data
  3. ^ a b Handbook of Mineralogy
  4. ^ Arsendescloizite on Mindat.org
  5. ^ Boni et al., 2007, Genesis of vanadium ores in the Otavi Mountainland, Namibia. Economic Geology v.102 p.441-469.

参考文献

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  •  この記事にはアメリカ合衆国内で著作権が消滅した次の百科事典本文を含む: Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Descloizite". Encyclopædia Britannica (英語). Vol. 8 (11th ed.). Cambridge University Press. p. 91.