デンマーク語訳聖書
デンマーク語訳聖書(デンマークごやくせいしょ、英語: Bible translations into Danish)はキリスト教聖書のデンマーク語への翻訳を扱う。デンマーク語はデンマークでおもに使われていて、インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)の、ドイツ語・オランダ語・英語などを含むゲルマン語派のうちノルド諸語(北ゲルマン語群)東ノルド語に属する。
概要
[編集]デンマーク語翻訳は、3つの時期に分けて理解することができる[1]。
ルター訳聖書のデンマーク語版
[編集]16世紀には、ルター訳聖書(新約聖書1523年・旧約聖書1534年)の影響が大きく、このドイツ語聖書をもとにデンマーク語へ翻訳が進められた。1524年のクリスチャン2世の新約聖書が出た。1550年にはクリスチャン3世の聖書全書が出て、これは「宗教改革聖書」とも呼ばれて、デンマーク語の言葉は分かりやすかった[2]。
レーセン=スヴァネ聖書
[編集]17~18世紀には、ルターのドイツ語聖書を離れて、原典(ヘブライ語の旧約、ギリシャ語の新約)からデンマーク語へ翻訳が進められた。1607年には、ハンス・レーセン(Hans Resen)による「レーセン聖書」が出版された。原典には忠実であったが、一般人には理解が難しかった。このため1633年にはクリスチャン4世が改訂を試み、1647年にはハンス・スヴァネ(Hans Svane)が改訂を行ったが、この「レーセン=スヴァネ聖書」はやはり理解が難しかった。1819年のフレデリク6世の時期に新約聖書のさらなる改訂が、ずっと遅れて1871年のクリスチャン9世の時期に旧約聖書の改定が行われた。
20世紀の翻訳
[編集]19世紀には一般人・聖書学者から様々な意見が出された後、20世紀に入ると、1931年には旧約、1948年には新約の新しい翻訳が出版された。1992年には、さらに新しい旧約・新約聖書が出版されて、これが現在デンマーク国教会が採用している聖書であるが[3]、レーセン=スヴァネ聖書も含めた3種の聖書のどれを使ってもよい。
脚注
[編集]関連項目
[編集]- デンマークの宗教
- デンマーク国教会
- 聖書翻訳
- 言語別聖書の一覧
- en:Bible translations in Norway#Danish editions 1524-1873 - 16~19世紀、ノルウェーはデンマーク語訳聖書を使っていたので、ここにより詳しい英語説明がある。
- フェロー語訳聖書