デ・クロー内閣
デ・クロー内閣 蘭: Regering-De Croo 仏: Gouvernement De Croo 独: Regierung De Croo | |
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ベルギー王国 第代内閣 | |
アレクサンダー・デ・クロー首相 | |
成立年月日 | 2020年10月1日 |
組織 | |
元首 | フィリップ国王 |
首相 | アレクサンダー・デ・クロー |
与党 | 社会党(PS) 改革運動(MR) エコロ(Ecolo) フラームス自由民主(Open Vld) キリスト教民主フラームス(CD&V) 社会党・別(SP. a) フルン(Groen) |
詳細 | |
成立直前の選挙 | 2019年ベルギー連邦議会選挙 |
前内閣 | ウィルメス内閣 |
デ・クロー内閣(で・くろーないかく)は、アレクサンダー・デ・クロー(Alexander De Croo)[1]を首相として2020年10月1日に成立したベルギーの内閣。
概要
[編集]2019年5月の連邦議会選挙で、当時のミシェル内閣の連立与党は過半数を獲得できなかったが、各党の連立交渉が難航し、新たな内閣が定まらないまま、暫定政府として続いていた。シャルル・ミシェル首相が欧州理事会議長に選出されたため、 2019年10月にはソフィー・ウィルメスを首相とするウィルメス内閣となり、暫定政府が継続していた。2020年になり7党(社会党(PS)、改革運動(MR)、エコロ(Ecolo)、フラームス自由民主(Open Vld)、キリスト教民主フラームス(CD&V)、社会党・別(SP. a)、フルン(Groen))による連立がまとまり、選挙から16か月(469日)後の10月1日に、フラームス自由民主所属のアレクサンダー・デ・クローを首相とする内閣が発足した[2]。
社会主義(PS、SP.A)・リベラル(MR、Open Vld)・環境(Ecolo、Groen)・キリスト教民主主義(CD&V)の4つの立場の政党による連立であることから、「ヴィヴァルディ連立」(音楽家ヴィヴァルディの楽曲「四季」にちなむ)と呼ばれる[3][4]。
構成
[編集]大臣(Ministers)15人と閣外大臣(Secretaries of State)閣外大臣5人の計20人で構成される。政党別では、社会党(PS)が4人、社会党・別(PS.A)及びフルン(Groen)が2人ずつ、他の4党から3人ずつとなっている。また閣僚の半数(10人)を女性が占め、ジェンダーバランスにも配慮した政権となった[2]。ペトラ・ド・ズッター副首相兼公共サービス・国営企業・電気通信・郵政大臣は、ヨーロッパで初の自身がトランスジェンダーであることを公表している大臣となった[5]。
大臣(Ministers) | ||||
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役職名 | 氏名 | 任期 | 所属政党 | |
首相 | アレクサンダー・デ・クロー (Alexander De Croo) |
2020年10月1日- | フラームス自由民主 (Open VLD) | |
副首相兼経済・労働大臣 | ピエール=イブ・デルマニュ (Pierre-Yves Dermagne) |
2020年10月1日- | 社会党 (PS) | |
副首相兼外務・欧州・対外貿易・連邦文化機関大臣 | ソフィー・ウィルメス (Sophie Wilmes) |
2020年10月1日-2022年7月15日 | 改革運動 (MR) | |
アジャ・ラビブ (Hadja Lahbib) |
2022年7月15日- | |||
副首相兼モビリティー大臣 | ジョルジュ・ジルキネ (Georges Gilkinet) |
2020年10月1日- | エコロ (Ecolo) | |
副首相兼財務大臣 (脱税対策担当) |
ビンセント・バン・ペーテルゲン (Vincent Van Peteghem) |
2020年10月1日- | キリスト教民主フラームス (CD&V) | |
副首相兼社会事業・厚生大臣 | フランク・バンデンブルク (Frank Vandenbroucke) |
2020年10月1日- | 社会党・別 (SP.A) | |
副首相兼公共サービス・国営企業・電気通信・郵政大臣 | ペトラ・ド・ズッター (Petra De Sutter) |
2020年10月1日- | フルン (Groen) | |
副首相兼法務・北海大臣 |
ビンセント・バン・クイッケンボルン (Vincent Van Quickenborne) |
2020年10月1日- | フラームス自由民主 (Open VLD) | |
中産階級・自営業・中小企業・農業・行政改革・民主主義改革大臣 | ダヴィッド・クラランバル (David Clarinval) |
2020年10月1日- | 改革運動 (MR) | |
年金・社会統合大臣 (障害者・貧困対策・ベリリス担当) |
カリーヌ・ラリュー (Karine Lalieux) |
2020年10月1日- | 社会党 (PS) | |
防衛大臣 | リュディビーヌ・ドゥドンデ (Ludivine Dedonder) |
2020年10月1日- | 社会党 (PS) | |
環境・気候・持続可能な開発・グリーンディール大臣 | ザキア・カタビ (Zakia Khattabi) |
2020年10月1日- | エコロ (Ecolo) | |
内務・行政改革・民主主義改革大臣 | アナリス・ヴェルリンデン (Annelies Verlinden) |
2020年10月1日- | キリスト教民主フラームス (CD&V) | |
開発援助大臣 (大都市担当) |
メリヤム・キティール (Meryame Kitir) |
2020年10月1日- | 社会党・別 (SP.A) | |
エネルギー大臣 | ティネ・バン・デ・ストラーテン (Tinne Van der Straeten) |
2020年10月1日- | フルン (Groen) | |
閣外大臣(Secretaries of State) | ||||
経済復興、国家投資戦略担当閣外大臣 (科学政策担当)/※経済・労働大臣付 |
トーマス・デルミン (Thomas Dermine) |
2020年10月1日- | 社会党 (PS) | |
デジタル化担当閣外大臣 (行政簡素化・プライバシー保護・建物公団担当)/※首相付 |
マチュー・ミシェル (Mathieu Michel) |
2020年10月1日- | 改革運動 (MR) | |
機会の均等・ジェンダー平等・多様性担当閣外大臣 ※モビリティ大臣付 |
サラ・シュリッツ (Sarah Schlitz) |
2020年10月1日- | エコロ (Ecolo) | |
難民移民担当閣外大臣 (国営宝くじ担当)/※内務・行政改革・民主主義改革大臣付 |
サミー・マディ (Sammy Mahdi) |
2020年10月1日- | キリスト教民主フラームス (CD&V) | |
予算、消費者保護担当閣外大臣 ※法務・北海大臣付 |
エバ・ド・ブレケル (Eva De Bleeker) |
2020年10月1日- | フラームス自由民主 (Open VLD) |
脚注
[編集]- ^ 姓の"De Croo"は、デクローの他にフランス語式にド・クローやドゥ=クローとも表記される。詳しくはアレクサンダー・デ・クローの項を参照。
- ^ a b “選挙後16カ月の交渉を経て、7党による連立政権が発足(ベルギー)”. 日本貿易振興機構(ジェトロ) (2020年10月6日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ “Alexander De Croo is Belgium’s new prime minister”. The Brussels Times. (2020年9月30日) 2021年12月18日閲覧。
- ^ “Belgium's new government: Why did the 'Vivaldi' coalition take so long to form?”. Euronews. (2020年10月7日) 2021年12月18日閲覧。
- ^ “Belgian milestone: A first trans minister and nobody cares”. (2020年10月1日) 2021年12月18日閲覧。
- ^ “Composition of the Belgian federal government”. Belgium.be. 2021年12月18日閲覧。
- ^ “ジェトロ「ビジネス短信」添付資料”. 日本貿易振興機構 (2020年10月6日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ “ベルギー政府の閣僚名簿 2020年版 日本語表記”. 青い鳥 (2020年10月6日). 2021年12月18日閲覧。