トキワマンサク

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トキワマンサク
トキワマンサクの花(大阪市立大学理学部附属植物園
保全状況評価
絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: マンサク科 Hamamelidaceae
: トキワマンサク属 Loropetalum
: トキワマンサク L. chinense
学名
Loropetalum chinense (R.Br.) Oliv. (1862)[1][2]

トキワマンサク(常磐満作[3]・常磐万作、学名: Loropetalum chinense)は、マンサク科トキワマンサク属常緑小高木。庭木や公園樹にされる。和名は常緑樹で、冬でも葉があることに由来する[3]

概要[編集]

本州中部以南から九州台湾中国南部、インド東北部に分布する。ただし、日本での自生は極めて限定的で、静岡県湖西市三重県伊勢神宮熊本県荒尾市のみ知られる[3]常緑広葉樹の小高木[3]樹皮は茶褐色から黒褐色で、成木は割れて薄片状に剥がれる[3]。若木は皮目が目立ち、浅いくぼみがある[3]互生し、長さ2.5 - 6センチメートル (cm) 、葉身はやや光沢がある緑色で左右非対称である[3]

花期は4 - 5月ごろで[3]、細長い4枚の花弁の花を咲かせる。花の色は、基本種はごく薄い黄色であるが、紅色の変種であるベニバナトキワマンサク Loropetalum chinense var. rubrum(中国原産で葉も赤みを帯びる)がよく栽培されている。

冬芽は褐色で、星状毛が生える[3]

トキワマンサク属にはこのほかに中国南部などに分布する2種の高木、L. lanceum およびL. subcordatum がある。

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Loropetalum chinense (R.Br.) Oliv. トキワマンサク(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月26日閲覧。
  2. ^ "Loropetalum chinense". Germplasm Resources Information Network (GRIN). Agricultural Research Service (ARS), United States Department of Agriculture (USDA). 2012年8月21日閲覧
  3. ^ a b c d e f g h i 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 220

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、220頁。ISBN 978-4-416-61438-9 

関連項目[編集]