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トナリド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トナリド
Tonalide[1]
識別情報
CAS登録番号 1506-02-1
特性
化学式 C18H26O
モル質量 258.4 g mol−1
外観 無色ないし白色の固体または結晶
匂い l体-ムスク香
d体-甘い香り
融点

46 °C, 319 K, 115 °F

沸点

248 °C, 521 K, 478 °F

への溶解度 不溶
有機溶媒への溶解度 アルコール、油類に可溶
危険性
引火点 >53℃
関連する物質
関連する多環状ムスク ベルサリド
ガラクソリド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トナリド: Tonalide)は、化学式C18H26Oで表される、多環状合成ムスクの一つである。トナリドの名称は、Polack's Frutal社の商標である。

用途

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甘くウッディな香りを持ち、化粧品などに広く使用される。残香を重視する洗剤柔軟剤、酸・アルカリや光、熱に強いことから漂白剤などにも使われる。テトラリン骨格を持つ合成ムスクとしては最も流通が多く、生産量は年間2000トンを超える。lはムスク香、d体は甘い香りを持つが、市販品はdl体である。構造異性体ジボダン社のベルサリドがあるが、神経毒性から、香料としての使用は禁止された

合成

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製法については多くの研究があり、塩化アルミニウムを触媒としてp-シメンテトラメチルエチレンを縮合させたのち、塩化アセチルでアセチル化することにより得られる[2]。テトラメチルエチレンに代えて3,3-ジメチル-1-ブテン、または硫酸を触媒としてピナコリルアルコールを使う方法、p,α-ジメチルスチレントルエンを出発点とする方法もある[1]

脚注

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  1. ^ a b 『合成香料』
  2. ^ 『香料の物質工学』

参考文献

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  • 湖上国雄『香料の物質工学 -製造・分析技術とその利用』地人書館、1995年、134頁。ISBN 4-8052-0491-5 
  • 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年、416-417頁。ISBN 4-87326-460-X