トナリド
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トナリド Tonalide[1] | |
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別称 6-アセチル-1,1,2,4,4,7-ヘキサメチル テトラヒドロ ナフタレン 7-アセチル-1,1,3,4,4,6-ヘキサメチル テトラリン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1506-02-1 |
特性 | |
化学式 | C18H26O |
モル質量 | 258.4 g mol−1 |
外観 | 無色ないし白色の固体または結晶 |
匂い | l体-ムスク香 d体-甘い香り |
融点 |
46 °C, 319 K, 115 °F |
沸点 |
248 °C, 521 K, 478 °F |
水への溶解度 | 不溶 |
有機溶媒への溶解度 | アルコール、油類に可溶 |
危険性 | |
引火点 | >53℃ |
関連する物質 | |
関連する多環状ムスク | ベルサリド ガラクソリド |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
トナリド(英: Tonalide)は、化学式C18H26Oで表される、多環状合成ムスクの一つである。トナリドの名称は、Polack's Frutal社の商標である。
用途
[編集]甘くウッディな香りを持ち、化粧品などに広く使用される。残香を重視する洗剤や柔軟剤、酸・アルカリや光、熱に強いことから漂白剤などにも使われる。テトラリン骨格を持つ合成ムスクとしては最も流通が多く、生産量は年間2000トンを超える。l体はムスク香、d体は甘い香りを持つが、市販品はdl体である。構造異性体にジボダン社のベルサリドがあるが、神経毒性から、香料としての使用は禁止された
合成
[編集]製法については多くの研究があり、塩化アルミニウムを触媒としてp-シメンとテトラメチルエチレンを縮合させたのち、塩化アセチルでアセチル化することにより得られる[2]。テトラメチルエチレンに代えて3,3-ジメチル-1-ブテン、または硫酸を触媒としてピナコリルアルコールを使う方法、p,α-ジメチルスチレンやトルエンを出発点とする方法もある[1]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 湖上国雄『香料の物質工学 -製造・分析技術とその利用』地人書館、1995年、134頁。ISBN 4-8052-0491-5。
- 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年、416-417頁。ISBN 4-87326-460-X。