コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

トライオン男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トライオン男爵
Baron Tryon

紋章記述

Arms:Azure a Fess embattled between in chief three Estoiles and in base a Portcullis chained Or Crest:Issuant from a Coronet composed of four Roses set upon a Rim Or a Bear's Head Sable charged with seven Stars in the form of the Constellation Ursa Major Gold Supporters:Dexter: an Army Pensioner in hospital uniform; Sinister: a Postman holding with the exterior hand a Letter Sack over his shoulder proper
創設時期1940年9月18日
創設者ジョージ6世
貴族連合王国貴族
初代初代男爵ジョージ・トライオン英語版
現所有者4代男爵チャールズ・トライオン
相続人ガイ・トライオン閣下
付随称号なし
現況存続
モットー恐れることなく正しきを為せ

トライオン男爵: Baron Tryon)は、イギリスの男爵貴族連合王国貴族爵位。保守党の政治家ジョージ・トライオン英語版1940年に叙位されたことに始まる。なお、トライオン家の保持する爵位は男爵位のみである。

歴史

[編集]
サー・ジョージ・トライオン英語版提督

トライオン家はオランダに起源をもつ一族とされるが、国王ジェームズ1世の時代にはノーサンプトンシャー北部英語版ブリック村英語版に居住していたことが判っている[1]。その末裔サー・ジョージ・トライオン英語版豪州戦隊司令官英語版地中海艦隊司令長官を務めた海軍提督であったが、大規模演習の指揮中に自身の坐乗する旗艦ヴィクトリアが戦艦キャンパーダウンに衝突される事件が起き、彼は艦と運命を共にしている[1]

その子のジョージ英語版は父と異なり陸軍軍人であったが、のち政界に転じて閣僚職を歴任した人物である[2]。彼は保守党に属して、年金担当大臣英語版郵政長官英語版を務めている[2]。ジョージは1940年4月18日連合王国貴族の「ウィルトシャーにおけるダーンフォードのトライオン男爵(Baron Tryon, of Durnford in the County of Wiltshire)」に叙されるとともに、ランカスター公領大臣となった[2]。その年のうちに死去したため、後を息子チャールズが襲った。

2代男爵チャールズ(1906-1976)は英国君主に近しく、君主の私的な財産支出を管理する国王手許金会計長官女王付会計官(Treasurer to HM the Queen)、女王付侍従(Lord in Waiting to HM the Queen)といった宮廷職を歴任した[3][4][5]。彼の代以降も男爵家とイギリス王室には繋がりがあり、3代男爵アンソニー(1940-2018)、4代男爵チャールズ(1976-)はいずれも少年期に女王付名誉小姓に任じられている[2]

また、3代男爵の妻デイル・トライオン英語版ファッションブランド『カンガ(Kanga)』を興した女性だが、チャールズ3世と懇意の間柄であった[6][7]

その子の4代男爵チャールズが男爵家現当主である。

一族の邸宅ウィルトシャーグレート・ダーンフォード英語版に位置するマナー・ハウス[2]

男爵家の紋章に刻まれるモットーは『恐れることなく正しきを為せ(Do Right and Fear Not)[2]

トライオン男爵(1940年)

[編集]
初代トライオン男爵

爵位の法定推定相続人は、現当主の息子ガイ・エイルマー・ジョージ・トライオン閣下 (2015- )[2]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b Laughton, J. K. revised by Andrew Lambert. "Tryon, Sir George". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/27782 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  2. ^ a b c d e f g Heraldic Media Limited. “Tryon, Baron (UK, 1940)” (英語). www.cracroftspeerage.co.uk. Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2020年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月22日閲覧。
  3. ^ "No. 38681". The London Gazette (英語). 2 August 1949. p. 3759.
  4. ^ "No. 39672". The London Gazette (英語). 17 October 1952. p. 5459.
  5. ^ "No. 45512". The London Gazette (英語). 2 November 1971. p. 11863.
  6. ^ Obituary: Lady Tryon” (英語). The Independent. Independent News & Media (1997年11月18日). 2022年1月9日閲覧。
  7. ^ Mulligan, Michelle (2019年12月28日). “6人の女性との間で噂されてきた、チャールズ皇太子の恋愛スキャンダル”. Harper's BAZAAR. Hearst Communications, Inc.. 2022年1月9日閲覧。