ドイツ国鉄03形蒸気機関車
ドイツ国鉄03形蒸気機関車 | |
---|---|
基本情報 | |
運用者 | ドイツ国営鉄道 |
製造所 | ボルジッヒ、クルップ、ヘンシェル、シュヴァルツコップ |
車両番号 | 03 001-298 |
製造年 | 1930年 - 1938年 |
製造数 | 298両 |
主要諸元 | |
軸配置 |
2'C1' h2 4-6-2 |
軌間 | 1,435 mm |
全長 | 23,905 mm |
空車重量 |
90.4 t (03 001–162) 91.0 t (03 163–298) |
運転整備重量 |
99.6 t (03 001–122) 100.3 t (03 123–298) |
動輪上重量 |
53.0 t (03 001–122) 54.3 t (03 123–298) |
先輪径 |
850 mm (03 001–162) 1,000 mm (03 163–298) |
動輪径 | 2,000 mm |
従輪径 | 1,250 mm |
軸重 |
17.7 t (03 001–162) 18.1 t (03 163–298) |
シリンダ数 | 2気筒 |
シリンダ (直径×行程) |
570 mm × 660 mm (03 001-003) 600 mm × 660 mm (原形) |
弁装置 | ワルシャート式 |
ボイラー | 直径 2,000 mm |
ボイラー圧力 | 16.0 bar |
火格子面積 | 3.97 m² |
全伝熱面積 | 201.96 m² |
過熱伝熱面積 | 70.00 m² |
燃料 | 石炭 |
水タンク容量 | 30 / 32 / 34 m³ |
制動装置 |
自動空気ブレーキ 補助ブレーキ |
最高速度 |
120 km/h (03 001–162) 130 km/h (03 163–298) (一部 140 km/h) 後進 50 km/h |
出力 | 1,450 kW |
ドイツ国鉄03形蒸気機関車(ドイツこくてつ03がたじょうききかんしゃ)は、ドイツ国営鉄道(DRG:Deutsche Reichsbahn-Gesellschaft 現:ドイツ鉄道)の標準的な急行旅客用蒸気機関車(制式機関車)である。
概要
[編集]03形蒸気機関車は01形の設計を基に、最大軸重18トンの路線用の急行列車用機関車として開発され、1930年-1938年にかけて298両がボルジッヒ、クルップ、ヘンシェル、シュヴァルツコップの各社により製造された。重量の軽減を図るべく棒台枠の軽量化を行い、ボイラーとシリンダーを小型化した。123号機からポンプが機関車の中心に移動し、163号機からは先輪径が拡大された。
154号機は半球形の煙室扉、先細形の運転席を持つ車体となり、動輪を含む足回り全体を覆うカバーが設置された。193号機は05形の置き換え用に流線型車体を採用し、車体全体を覆うワインレッドの流線型車体と2´3 T 37 St形炭水車を連結した。一時期の204・205号機は動輪の上半分を覆うカバーが試験的に設置された。175・207号機は試験的にレンツ式弁装置を備えていた。
本形式の炭水車は、2'2 T 30、2'2' T 32、2'2' T 34形のいずれかが用いられた。
第二次大戦後
[編集]ドイツ連邦鉄道では1959年時点でも145両の03形機関車が稼動しており、うち62両(005-122号機)は煙室の上に空気と給水ポンプを設置、直径850mmの小径先輪で最高速度120km/h、16両(127-160号機)は中央と後ろの動輪の間に空気と給水ポンプを、直径850mmの小径先輪で最高速度120km/h、そして、67両の機関車(164-296号機)は中央と後ろの動輪の間に空気と給水ポンプ、シェーレンクロッツ・ブレーキ(Scherenklotzbremsen)、直径1,000mmの大径先輪で最高速度130km/hの陣容であった。何れも空気を設置している点が大きな特徴である。
東ドイツ国鉄に帰属した03形のうち、52両が1969年から1972年にかけて燃焼室付きの新型ボイラーに交換されて03形の2000番台を名乗った。
1968年の時点でも45両が残る03形は、同年の形式称号規定変更で003形に改称された。所属機関区と両数の内訳は、ブラウンシュヴァイクに2両、ブレーメン中央駅に6両、ハンブルク・アルトナに13両、フーズムに1両、メンヒェングラートバッハに16両、ウルムに7両であった。003形として残った最後の10両は1971年にウルムに集結し、1972年に残った003 088、131、268号機の3両を最後に営業を退いた。
東ドイツのドイツ国営鉄道(DR)では、86両の03形が使用された。ドイツ国営鉄道では1962年より混合予熱器(de:Mischvorwärmer)を装備した。
03形のポーランドでの形式はPm2(34号まで)で、ワルシャワの鉄道博物館に展示されている。