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ナンベイヨコクビガメ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナンベイヨコクビガメ属
オオヨコクビガメ
オオヨコクビガメ Podocnemis expansa
保全状況評価
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 曲頸亜目 Pleurodira
: ヨコクビガメ科 Pelomedusidae
亜科 : ナンベイヨコクビガメ亜科
Podocneminae
: ナンベイヨコクビガメ属
Podocnemis Wagler, 1830

ナンベイヨコクビガメ属(ナンベイヨコクビガメぞく、Podocnemis)は、カメ目ヨコクビガメ科に属する属。模式属はオオヨコクビガメ

分布

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エクアドルガイアナコロンビアトリニダード・トバゴブラジルフランス仏領ギアナ)、ベネズエラペルーボリビア

形態

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最大種はオオヨコクビガメで最大甲長89cm(最大甲長107cmとする説もあり)と本属のみならずヨコクビガメ科最大種。最小種はムツコブヨコクビガメで最大甲長31.7cm。オスよりもメスの方が大型になる。背甲は扁平か、ややドーム状に盛り上がる。後部縁甲板は鋸状に尖らず、滑らか。背甲は小型で細長い。左右の喉甲板の間にある甲板(間喉甲板)は大型で肩甲板に接し、そのため左右の喉甲板が接しない。

吻端が突出する。上顎や下顎の先端は鉤状に尖らない。多くの種で吻端から頭頂部にかけて溝が入る。

幼体では後部縁甲板が鋸状に尖る種もいるが、成長に伴い滑らかになる。吻端や側頭部に斑紋が入るが、成体では不明瞭になったり消失する事もある。

分類

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生態

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河川湿原などに生息する。水棲傾向が強く、多くの種は産卵時を除いて上陸しない。

食性は植物食傾向の強い雑食で、植物の葉、果実、水草、魚類などを食べる。大型種や大型個体、メスは植物食傾向が強く、小型種や幼体、オスは動物食傾向が強い。プランクトンを水ごと口に含んでから、濾しとって食べる種もいる。

人間との関係

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生息地では卵も含めて食用にされたり、油の原料にされることがある。

食用や油用、ペット用の乱獲などにより生息数は減少している種もいる。属単位でワシントン条約附属書II類に掲載されたり、生息地では法的に輸出が規制されている。

ペットとして飼育されることもあり、日本にもマグダレナヨコクビガメを除いて輸入されている。大型種が多く遊泳性が強いため、大型のケージが用意できない限り一般家庭での飼育には向かない。アクアリウムで飼育される。低温に弱いため水中にヒーターを設置して保温し、陸場には局所的で水に強い暖房器具を照射して体を温め皮膚や甲羅を乾かすことのできる環境を作る。

画像

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関連項目

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参考文献

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  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ2 アマゾン』、講談社2001年、100-101、102、171-172頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社2001年、126、279頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ2002年、169頁。
  • 安川雄一郎 「曲頸類総覧(前編)」『クリーパー』第20号、クリーパー社、2003年、16、44頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、65頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1 アメリカ大陸のミズガメ』、誠文堂新光社2005年、89-91頁。
  • 安川雄一郎 「曲頸類総覧(後編)」『クリーパー』第26号、クリーパー社、2005年、19頁。
  • 安川雄一郎 「水棲ガメの世界」『ハ・ペト・ロジー』Vol.3、誠文堂新光社、2005年、23頁。
  • 安川雄一郎 「ビギナーにおすすめのカメ12種〜初心者向けとして飼育者に薦めるカメ類〜」『エクストラ・クリーパー』No.1、誠文堂新光社2006年、126-127頁。

外部リンク

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