ニタリ
ニタリ | |||||||||||||||||||||
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ニタリ Alopias pelagicus
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保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Alopias pelagicus Nakamura, 1935[3][4] | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Pelagic thresher[3][4] | |||||||||||||||||||||
ニタリ (Alopias pelagicus) は、ネズミザメ目オナガザメ科に分類されるサメ。
分布
[編集]分布域の詳細に関しては、マオナガと混同されている可能性があり、さらなる情報が必要である。主に外洋に生息するが、沿岸部にも現れる。生息水深帯は0~152m以深[5]。
形態
[編集]最大全長428cm。他のオナガザメ類と同様、全長の半分を占める尾鰭をもつ。背側の体色は濃青色か灰色、体側はメタリックシルバー。腹側は白色である。腹側の白色帯は胸鰭基部の上まで伸びない[5]。ニタリと非常によく似たマオナガ A. vulpinus ではこの白色帯が胸鰭基部の上まで伸びることから、これら2種の区別が可能である。ハチワレ A. superciliosus はこれら2種と異なり、頭部後方に目立つ溝があるので見分けやすい。
出産直後の個体は、全長158 - 190センチメートル[3]。
生態
[編集]外洋性浮魚類を主に捕食し、イカ類も餌生物に含まれる。
胎生。胎盤を形成しない卵食型。子宮内の胎仔は最初自らの卵黄で成長し、約12cmになると未受精卵を食べ始める[5]。発生初期は歯を使って卵を食い破るが、後期では卵を丸呑みする[6]。産仔数は通常2尾で、2つの子宮それぞれに1尾が育つ[6]。正確な妊娠期間は知られていないが、12ヶ月より短く、毎年出産すると考えられている[5]。
人間との関係
[編集]地域によっては漁業対象種になることもあるが、マグロ・カジキ延縄での混獲が主。肉、鰭、肝油、皮が利用される[6]。
人に対して危険ではない[6]。
延縄や刺し網などによる混獲や本種を対象とした漁業・スポーツフィッシング(多くの個体はリリースされるが、リリース後に死亡する可能性が高いことが示唆されている)により、生息数は減少している[3]。2017年にAlopias属単位で、ワシントン条約附属書IIに掲載(1月に掲載されたが、規制は同年10月から)されている[2]。
水族館での飼育例は少なく、日本では時期は不明だが、沖縄県の旧館時代の沖縄美ら海水族館が飼育した記録がある[7]。大阪府の海遊館の洋上の生簀で飼育されたことがある[8][9]。生簀では1.7~1.9mの雌雄3個体、最長で26日の飼育に成功した[9]。また、2015年4月20日に葛西臨海水族園の水槽内で展示された[10]。
出典
[編集]- ^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 08/07/2020)
- ^ a b UNEP (2020). Alopias pelagicus. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 08/07/2020)
- ^ a b c d e f Rigby, C.L., Barreto, R., Carlson, J., Fernando, D., Fordham, S., Francis, M.P., Herman, K., Jabado, R.W., Liu, K.M., Marshall, A., Pacoureau, N., Romanov, E., Sherley, R.B. & Winker, H. 2019. Alopias pelagicus. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T161597A68607857. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T161597A68607857.en. Downloaded on 07 August 2020.
- ^ a b Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2019. Alopias pelagicus. FishBase. World Wide Web electronic publication. http://www.fishbase.org, version (12/2019).
- ^ a b c d Leonard J. V. Compagno (2002) "Sharks of the world: An annotated and illustrated catalogue of shark species known to date" Volume 2, Food and Agriculture Organization of the United States. pp.81-83.
- ^ a b c d Biological Profiles:Pelagic thresher Florida Museum of Natural History Ichthyology Department.[リンク切れ]
- ^ 国営沖縄記念公園水族館 (1988). 水族館動物図鑑 沖縄の海の生きもの. 財団法人 海洋博覧会記念公園管理財団. pp. 127
- ^ 海遊館スタッフブログより
- ^ a b 北谷佳万・西田清徳・仲谷一宏「ニタリ Alopias pelagicus の捕食行動と尾の構造」『板鰓類研究会報』第47巻、日本板鰓類研究会、2011年9月、01-09頁。
- ^ 葛西臨海水族園公式Twitterのツイートより[出典無効]