ノート:マダラチビコメツキ
江・王 (1999) を十分に確認できないのが残念です
[編集]毎年恒例のアジア月間に参加したいという事で、日本語版において二番目となるコメツキムシ科甲虫の記事を作成致しました (ちなみに1番目は他の方によるヒゲコメツキ)。本種は日本国外にも複数の大陸アジア諸国 (+極東ロシア) に分布する種であり、折角のアジア月間という事で極力日本以外での本種に関する情報の割合を多めにするのが理想ではあったのですが、こういう時に限ってほぼ日本人による学術資料ばかりが多く見つかり、国外の資料は原記載やカタログ類を除けばせいぜい江・王 (1999) で中国語名の裏付けを取るので限界でした。韓国済州島での記録の報告も共著者の片方が日本人だったりします(Kishii & Paik, 2002: 5)。
当該文献においては10頁にマダラチビコメツキが稲の害虫である事が書かれているらしいのですが(Google Books の「agnata + 害」で内部検索; ちなみに当該文献では Aeoloderma 属扱いの上、属が誤って女性名詞と見做されています)、このスニペット状態では無関係な記述が隣り合って出力される例も存在する為、この要素を本分に使用する事は見送りました(仮に閲覧できたとしても左記の情報しか存在しない場合、今のところ日本の農研機構ホームページの情報で事足りてしまっているという事になります)。
江・王 (1999) は中国産コメツキムシの新種が4種ほど発表された文献であり (参照: species:Template:Jiang & Wang, 1999)、全世界的に分布するコメツキムシ科甲虫についての貴重な資料の一つと考えられるのですが、CiNiiで調べた限り日本の大学図書館での所蔵が確認できず、また昆虫学に関して大学レベルの質の蔵書を誇る某公共図書館にも所蔵されていないという事で、現状ではこれ以上深くアクセス手段が見つかっておりません。
表題の件からは話が逸れますが、農業害虫としての言及が日本国内に関する文献ですら思うように得られなかった事も意外でした。コメツキムシ科甲虫の幼虫は通称「ハリガネムシ」と呼ばれ、農作物を食害する事で悪名高い模様ですが、知名度があるのはトビイロムナボソコメツキ (Agriotes ogurae fuscicollis (Miwa, 1928); 北海道産;『世界大百科事典』第2版 [CD-ROM版] においてコメツキムシ科昆虫で唯一の個別項目持ち)、コガネコメツキ(Selatosomus puncticollis Motschulsky, 1866)、カバイロコメツキ (Ectinus sericeus (Candèze, 1878))、「クシコメツキ」と名の付くもの(Melanotus 属)といったところであり(参考)、マダラチビコメツキは鈴木・大平 (2007) により一応「害虫」とされているものの、『日本農業害虫大事典』(梅谷献二、岡田利承 編、全国農村教育協会、2003年) では一切言及を確認する事ができませんでした。こういった事情から、害虫としても何とも言えない位置付けの虫なのかな、という印象を抱いております。--Eryk Kij(会話) 2024年11月23日 (土) 15:05 (UTC)