ノート:長沢芦雪
改名提案
[編集]本項目を「長沢盧雪」に改名することを提案します。長沢芦雪の名前は文献によって「沢」と「澤」、「芦」と「盧」の組み合わせの違いによる表記ゆれがあります。「長澤芦雪」は殆ど無いと思いますが、それ以外の3種類の表記はどれも使用している文献があります。「沢」と「澤」は、「沢」が常用漢字なのでこちらを優先するべきだと考えます。芦雪自身は作品に「長澤」と署名していますが、それを言い出すと「円山応挙」も「圓山應擧」としなければいけなくなり、さすがにそれは現代の一般的な表記から外れてしまいます。
「芦」と「盧」は、どちらの常用漢字ではないのでこのルールは使えません。実際画集などでは、「長澤」より「長沢」表記が多いですが、「芦雪」と「蘆雪」だと自分の印象では「蘆雪」が気持ち優勢な気がするものの、ほぼ伯仲しており、現状の「長沢芦雪」のままでも問題ないかもしれません。しかし、自分が改名を提案するきっかけとなった金子信久『もっと知りたい長沢蘆雪』のp.17のコラムでは、印刷標準字体を示した表外漢字字体表に、「盧」が優先的に使うべき標準字体として、「芦」が使っても簡易慣用字体差し支えない簡易慣用字体として記載されてることから、「盧」がより望ましいとしています。金子氏は続けて、芦雪自身が作品に記した落款もほぼ「盧」だと指摘しています。自分も図録類で確認しましたが金子氏の言う通りで、自分の見たところ芦雪は印章も「蘆」を使っています。よって「長沢蘆雪」がより好ましい表記だと考えますが、如何でしょうか--Foldingfan(会話) 2015年2月1日 (日) 07:29 (UTC)
- コメント 国立国会図書館サーチで見るとデジタル大辞泉、日本国語大辞典、日本大百科全書、国史大辞典、日本人名大辞典と辞書類が全て「長沢蘆雪」を採用しています。大辞林は併記ですね。現時点で辞書・辞典での使用例の多い「長沢蘆雪」表記に反対しません。
- ただし、金子氏の論拠はあまり採用すべきではないと考えます。2004年の人名漢字追加では、「蘆」ではなく「芦」が採用されました。そのときの議論は法制審議会人名用漢字部会第5回会議からダウンロードできます。その議論では、「あし」以外についてはほとんど印刷標準字体を採用していますが、「あし」だけはあえて印刷標準字体ではなく簡易慣用字体を採用しています。美術が専門である金子氏は、最新の漢字問題については失礼ですが精通してはおられないようです。
- なお、「蘆」と「芦」は、おなじ漢字の別字体ですから、芦雪が「蘆」を使っていたことはその簡易慣用字体である「芦」を否定する根拠にはなりません。単に長沢芦雪が生きていた時代には「蘆」が使われていたのであり、現代ではその文字の字体としては「芦」が一般的になってきているのです。
- また、使用例については、CiNiiおよびGoogle Scholarではほぼ伯仲ですがやや「長沢芦雪」の方が「長沢蘆雪」よりも多いようです。
- 長い目で見ると人名漢字になり、地名としても使われる「芦」が優勢になっていくと思いますし、個人的には「長沢芦雪」の方が好ましい表記だとは思いますが、ウィキペディアのルールとしては辞書・辞典類の表記を優先するべきでしょうから、改名には消極的賛成とします。--アルビレオ(会話) 2015年2月1日 (日) 12:59 (UTC)
- 2004年にそのような会議があったのですか・・・。この会議の結果か、確かに美術書でも、近刊書ほど「芦雪」を採用する傾向がありますね(平凡社の『別冊太陽 長沢芦雪』や、小学館の『日本美術全集14 若冲・応挙、みやこの奇想』など)。長い目で見ると「芦」が優勢になるというのも、そのとおりだと思います。個人的には、絵師や画家の名は、当人が作品に記した表記を極力尊重すべきだと思うので、「蘆雪」の方がしっくり来るのですが。--Foldingfan(会話) 2015年2月1日 (日) 14:38 (UTC)
- Foldingfanさんが『「蘆雪」の方がしっくり来る』とおっしゃる気持ちはわかります。私は本件分野では全くの門外漢であり、直接的な知識は全くもっておりませんので、個別的な賛否は表明しません。が、別の分野でも明治・大正期の文献を数多くあたっていますと、当時の表記が当たり前、という感じになっていきます。字体を変え(大抵の場合は簡略・平易な方向への変更のはずです)ることで、そこに包含・象徴されている意味内容までも変わってしまうような感じさえ受けます。旧い字体(≒難解な字体)を使うほうが、荘厳さや複雑さ、格式の高さというような重みが出るようにも思います。
- しかし、当時の/本人の/当事者の書いたものを「一次資料」、後世の言及が「二次資料」と解釈すれば、近年の・より高次の資料での表記を採用する、と考えるというのも説得力があるようにも思います。話は飛躍してしまうかもしれませんが、カグツチのように、古い文献では(さまざまな)漢字がアテられていたものが、いまはカタカナで分析的に記述される、なんてこともあります。--柒月例祭(会話) 2015年2月5日 (木) 06:45 (UTC)
- 2004年にそのような会議があったのですか・・・。この会議の結果か、確かに美術書でも、近刊書ほど「芦雪」を採用する傾向がありますね(平凡社の『別冊太陽 長沢芦雪』や、小学館の『日本美術全集14 若冲・応挙、みやこの奇想』など)。長い目で見ると「芦」が優勢になるというのも、そのとおりだと思います。個人的には、絵師や画家の名は、当人が作品に記した表記を極力尊重すべきだと思うので、「蘆雪」の方がしっくり来るのですが。--Foldingfan(会話) 2015年2月1日 (日) 14:38 (UTC)
御意見を寄せて下さった方々、有難うございました。現時点においては辞書類の記述から「蘆雪」表記の方が適切な気がするものの、将来「芦雪」表記が有力になっていくことを鑑み、現状の「長沢芦雪」のまま止めようと思います。お騒がせして申し訳ございませんでした。--Foldingfan(会話) 2015年2月12日 (木) 10:20 (UTC)