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ノート:鳥と獣とコウモリ

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原典のイソップ寓話は「卑怯」ではない?

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現記事にあるような童話は私も幼い頃に絵本で読んだおぼえがありますが、最近偶然読んだ祥伝社『イソップ物語 その恐ろしい真相』によると、原典のイソップ寓話『鳥なき里のコウモリ』では、「獣の国と鳥の国の大戦争が起き、コウモリは獣に殺されそうになったときは『僕は獣の仲間です』と言い、鳥に殺されそうになったときは『僕は鳥の仲間です』と言って命の危機を切り抜けた」という話で、著者の五島勉氏は、コウモリのこのような生き残りの知恵を高く評価する話だったものが、いつのまにかコウモリは卑怯だという教訓話にすりかえられてしまったと述べており、岩波文庫や中公文庫のイソップ寓話集にはそのような原典が載っているはずとしています。イソップ童話には詳しくありませんので未確認ですが、本当であればその辺りの話のすり替え事情などの記載もほしいところですし、記事名も「卑怯なコウモリ」はふさわしくなかろうと思います。どなたかイソップ寓話にお詳しい方、コメントをお願い致します。--逃亡者 2008年7月2日 (水) 11:47 (UTC)[返信]

私の手許にある

「イソップ寓話集」中努哲郎訳 2008年5月23日 第12刷 岩波書店

には、471編の寓話が収載されていますが、その中でこのエピソードに該当するものは

172 蝙蝠と鼬

です。他の寓話に違わず短いものですので、全文を引用したいところですが憚られますので要約すると

地面に落ちた蝙蝠が鼬に捕まって命乞いをすると「すべて羽のあるものと戦争しているので逃がすわけにはいかない」と言われ、自分は鳥ではなく鼠だと言って放免してもらう。 しばらくして別の鼬に捕まった時、今度の鼬は鼠はみな仇敵だと言うので、自分は鼠ではなく蝙蝠だと言ってまたも逃がしてもらう。

というものです。そして、末尾につけられた教訓部では「状況に合わせて豹変する人は、しばしば絶体絶命の危機をも逃げおおす、ということを弁えて、いつまでも同じところに留まっていてはならない」としています。 471編の中で蝙蝠が登場する話はほかに、「ナイチンゲールと蝙蝠」「蝙蝠と茨と水薙鳥」がありますが、いずれの話でも蝙蝠は卑怯者扱いはされていません。 私が参照した「イソップ寓話集」が全ての寓話を収録しているかどうかを確認する術はありませんが、「解説」に見られる学術的な文献考証からは、有名なエピソードが落とされている余地はないものと思われます。 従って、逃亡者さんのご指摘は正しいと考えられます。

ただし、教訓の内容が変わってしまった経緯については不詳です。 Nhkbs2 2009年3月19日 (木) 00:34 (UTC)[返信]


自宅にあった、50年ほど前に出版されたイソップ童話には親への注釈が一話毎についており、コウモリの話には「常に状況を見極めて有利な方につくべし」といった注釈がありました。 コウモリの話から受ける印象とは真逆の寓意だったので非常に鮮明に覚えており、小学校高学年頃図書館に通えるようになってから調べてみたのですが、それに、イソップは奴隷出身なのでその寓話は奴隷の知恵であり高潔な倫理で書かれてはいないからではないか、と評したものがありました。 そう考えると非常に納得の行くものです。 ただ、近~現代の倫理観にそぐわないものなのは確かなのでいつしか改変が為されたのだと思います。 残念ながらその時期は不明です。 機会があれば調べてみたいですね。

「鳥と獣とコウモリ」

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イソップのコウモリの話のタイトルって何だったかと確認のためこのページを見て吃驚しました。

しかし、「鳥と獣とコウモリ」と「コウモリとイタチ」は別の話です。このページの「卑怯なコウモリ」は明らかに「鳥と獣とコウモリ」(私はこの名前で記憶してたのですが)のことです。

http://en.wikisource.org/wiki/The_Birds,_the_Beasts,_and_the_Bat

http://en.wikisource.org/wiki/The_Bat_and_the_Weasels

但し、「鳥と獣とコウモリ」には外国語リンクがなく、かつ、いくつかのバージョンが存在するようで、もしかすると英語圏でしか広まっていない話かもしれません。

とにかく、「コウモリとイタチ」は別の記事にした方が良いようです。 --61.124.237.26 2014年4月7日 (月) 09:19 (UTC)[返信]

コメントありがとうございます。即興で検索すると、双方は別々の話だとする主張が確かにありますね[1]。「『卑怯なコウモリ』は、もとは別の意味の話だった」という固定観念を持っていたのは不勉強な次第で、時間があったら図書館などで「双方は別々の話だ」とする前提のもとに資料をあたってみたいです。--逃亡者会話2014年6月23日 (月) 20:35 (UTC)[返信]

改名提案

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提案卑怯なコウモリ」を「鳥と獣とコウモリ」に改名することを提案します。この話の題名はいろいろあるようですが、「卑怯なコウモリ」あるいはそれに似た題をつけた本を見つけることができませんでした。より一般的な「鳥と獣とコウモリ」にする方が良いとおもいます。--Pekanpe会話2023年9月16日 (土) 16:04 (UTC)[返信]

コメント この話は古代の寓話集に見当たらないため、原典によった最近のイソップ寓話集には載っていないことが多いのですが、20世紀以降の翻訳をざっと見た感じではこのようなものがありました。

  • 佐藤潔『正訳伊蘇普物語』(1907)「鳥と獣と蝙蝠」
  • 馬場直美『新訳イソップ物語』(1910)「蝙蝠の二心」
  • 西垣尭則『伊蘇普物語』(1911)「鳥と獣と蝙蝠」
  • 巌谷小波『イソップ御伽噺』(1911)「鳥獣合戦と蝙蝠」
  • 楠山正雄『イソップ物語』(冨山房1916)「鳥と獣と蝙蝠」
  • 山崎光子『世界童話大系』(1925)「鳥類と獣類と蝙蝠」
  • 新村出『イソップ物語』(アルス1929)「夕ぐれに飛ぶかうもり」
  • 川端康成『イソップ1』(トッパン1953)「こうもり」
  • パエドルス/バブリオス、岩谷智・西村賀子訳『イソップ風寓話集』(国文社1998)「コウモリ」
  • 渡辺弥生監修・佐和みずえ文『よみきかせえほん イソップ童話』(成美堂出版2019)「鳥とけものとコウモリ」

--Pekanpe会話) 2023年9月16日 (土) 16:34 (UTC) 修正 --Pekanpe会話2023年9月17日 (日) 02:36 (UTC)[返信]

{{保留}} 賛成 現在の記事名は暫定的なものですので改名自体には賛同します。ご調査頂いている題名に「鳥と獣とコウモリ」の用例はありませんが、複数みられる「鳥と獣と蝙蝠」や、直近での「鳥とけものとコウモリ」などとしなかった理由は何かございますか?--Amayus会話) 2023年9月17日 (日) 06:02 (UTC) 賛成票に変更。 --Amayus会話2023年9月20日 (水) 19:39 (UTC)[返信]
コメント 「蝙蝠」となっているのは大正時代までで、それ以降はなっていませんし、この2字は常用漢字でもありません。また「けもの」が仮名になっているのは題名からわかるとおり、この本の対象年齢が低いからでしょう。--Pekanpe会話2023年9月18日 (月) 07:37 (UTC)[返信]
返信 改名するのであれば、可能な限り用例がある題名を記事名に採用したいと考えます。物語を収録しているかは未確認のためわかりませんが、「10歳からの考える力が育つ20の物語 (2021) ISBN 978-4-7762-1161-7」にて「鳥と獣とコウモリ」との表記を採用しているようです。使用されたことがあるのであれば、反対することもありません。--Amayus会話2023年9月18日 (月) 10:54 (UTC)[返信]
調べてくださり、ありがとうございます。それは「鳥と獣とコウモリ」でよい、ということでしょうか。もしよりよい改名候補がありましたらお教えください。なおご指摘の本のほかに、『少年少女 世界の文学1 ギリシア神話 イソップ物語 北欧神話』(河出書房1967)p.256 も「鳥と獣とコウモリ」になっていました。『世界童話宝玉選』(小学館1962)p.520 には平仮名ですが「鳥と獣とこうもり」とありました。--Pekanpe会話2023年9月20日 (水) 13:34 (UTC)[返信]
返信 本記事の物語が「鳥と獣とコウモリ」の題名で呼ばれることが確認できた認識ですので、Pekanpeさんのご提案に賛成します。大変お手数おかけいたしました。表記の違いはあれど、ご調査頂いた用例をみると日本語ではこの形で呼ばれることが多いものと感じました。上記節にリンクがありますが英語版ウィキソースでも「The Birds, the Beasts, and the Bat」で収録しているようです。ペリー・インデックスでは、外部リンクのサイトや英語版記事での「The Bat」から「コウモリ」とされているのかもしれませんが、改名後に本記事に合わせる形で修正してよいのではないかと思います。ベン・エドウィン・ペリーで示されている著書や出典の訳が見つかればそちらに合わせられるかもしれません。--Amayus会話2023年9月20日 (水) 19:39 (UTC)[返信]

チェック ちょっと遅くなりましたが、改名しました。--Pekanpe会話2023年9月26日 (火) 14:40 (UTC)[返信]