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ハージティ・アンドラーシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハージティ・アンドラーシュ
15歳のハージティ
1971年ヨーロッパジュニア選手権にて)
国籍  ハンガリー
泳法 バタフライ個人メドレー
生年月日 (1956-03-17) 1956年3月17日(68歳)
生誕地 ハンガリーの旗 ブダペスト
身長 188cm
獲得メダル
国際大会 1 2 3
オリンピック 0 0 1
世界選手権 3 0 1
ヨーロッパ選手権 3 0 1
ユニバーシアード 1 0 0
ヨーロッパジュニア選手権 8 0 1
合計数 15 0 4
競泳 男子
 ハンガリー
オリンピック
1972 ミュンヘン 400m個人メドレー
世界選手権
1973 ベオグラード 400m個人メドレー
1975 カリ 200m個人メドレー
1975 カリ 400m個人メドレー
1978 西ベルリン 400m個人メドレー
ヨーロッパ選手権
1974 ウィーン 200mバタフライ
1974 ウィーン 400m個人メドレー
1977 ヨンショーピング 200m個人メドレー
1974 ウィーン 200m個人メドレー
ユニバーシアード
1977 ソフィア 400m個人メドレー
ヨーロッパジュニア選手権
1969 ウィーン 200m平泳ぎ
1969 ウィーン 200m個人メドレー
1971 ロッテルダム 100m自由形
1971 ロッテルダム 400m自由形
1971 ロッテルダム 200m平泳ぎ
1971 ロッテルダム 100mバタフライ
1971 ロッテルダム 200mバタフライ
1971 ロッテルダム 200m個人メドレー
1971 ロッテルダム 100m平泳ぎ
テンプレートを表示
50代半ばのハージティ(2011年

ハージティ・アンドラーシュ(Hargitay András、1956年3月17日 - )は、ハンガリーブダペスト出身の元男子競泳選手。1972年ミュンヘンオリンピック400m個人メドレー銅メダリストであり、同種目の元世界記録保持者。個人メドレーで3度の世界選手権チャンピオン、2度のヨーロッパ選手権チャンピオンに輝き、バタフライでもヨーロッパ選手権チャンピオンに輝いた選手である。

経歴

[編集]

1972年8-9月、ミュンヘンで開催されたオリンピックに16歳で出場。400m個人メドレーでは予選1組目で4分37秒51のオリンピック新及びハンガリー新記録を樹立したが、2組目のグンナル・ラーションがオリンピック記録を4分34秒99に更新した。迎えた決勝では予選のハンガリー記録を大幅に更新する4分32秒70をマークし、4分31秒98のオリンピック新記録(当時)を樹立したグンナル・ラーションとティム・マッキー英語版に次いで銅メダルを獲得した。この銅メダルはハンガリーにとって16年ぶりとなるオリンピック競泳競技のメダルとなった[1][2][3]

1973年9月、ベオグラードで開催された第1回世界選手権に出場。400m個人メドレー決勝で大会新及びヨーロッパ新記録(当時)の4分31秒11をマークし、2位のロッド・ストラカン英語版に2秒39の差をつけて初の世界タイトルを獲得した。また、これはハンガリーが世界選手権で獲得した最初の金メダルとなった[4][5]

1974年8月、ウィーンで開催されたヨーロッパ選手権英語版に出場し、200mバタフライと400m個人メドレーの2冠を達成した[6]。400m個人メドレー決勝でマークした4分28秒89は、アメリカのゲーリー・ホール・シニア英語版が保持していた世界記録(4分30秒81)を2年ぶりに塗り替えるタイムであり、この世界記録は1976年4月に同じハンガリー人のベラスト・ゾルターンが4分26秒00をマークするまで保持された[7]

1975年7月、カリで開催された世界選手権に出場し、個人メドレー2冠(200m・400m)を達成した。200m個人メドレーは2分7秒72の大会新記録(当時)を樹立したものの、2位のスティーブ・ファーニス英語版とは0秒03差という僅差での勝利だったが[8]、400m個人メドレーは2位に3秒07の差をつける圧勝だった[9]

1976年7月、モントリオールで開催されたオリンピックに出場。400m個人メドレーでは、世界新記録(当時)で優勝したロッド・ストラカン(4分23秒68)、ティム・マッキー(4分24秒62)、アンドレイ・スミルノフ英語版(4分26秒90)に次ぐ4位に終わり、0秒23差で2大会連続のメダルを逃した[10]

1978年8月、西ベルリンで開催された世界選手権に出場。400m個人メドレーでは、世界新記録(当時)で優勝したジェシー・バサロ英語版(4分20秒05)、セルゲイ・フェセンコ英語版(4分22秒29)に次ぐ3位に入り、3連覇は逃したものの3大会連続のメダルを獲得した[11]

1980年7月、モスクワで開催されたオリンピックの400m個人メドレーに出場。2大会ぶりのメダルがかかった決勝では、オリンピック新記録(当時)を樹立したアレクサンドル・シドレンコ(4分22秒89)、セルゲイ・フェセンコ英語版(4分23秒43)、ベラスト・ゾルターン(4分24秒24)に次ぐ4位に終わり、0秒24差でメダルを逃した[12]

現役中に獣医師になることを決意し、しばらくは大学と水泳を両立していたが、トレーニング中にダルニュイ・タマスに負けたことがきっかけとなり、1982年に現役を引退した[13][14]

獣医師の傍ら、1988年ソウルオリンピック2016年リオデジャネイロオリンピックで水泳ハンガリー代表ヘッドコーチを務めた[13][15][16]

2008年に国際水泳殿堂入りを果たした[17]

主要国際大会の成績

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世界水泳連盟ウェブサイトなど参照[18]

大会 場所 種目 結果 記録 備考
 ハンガリー代表
1969 ヨーロッパ
ジュニア選手権
英語版
ウィーン 200m平泳ぎ 金メダル 2分38秒2
200m個人メドレー 金メダル 2分21秒5
1970 ヨーロッパ選手権英語版 バルセロナ 1500m自由形 7位 17分21秒10
400m個人メドレー 6位 4分45秒40
1971 ヨーロッパ
ジュニア選手権
ロッテルダム 100m自由形 金メダル 55秒8
400m自由形 金メダル 4分15秒2
100m平泳ぎ 銅メダル 1分11秒0
200m平泳ぎ 金メダル 2分33秒3
100mバタフライ 金メダル 58秒7
200mバタフライ 金メダル 2分08秒1
200m個人メドレー 金メダル 2分14秒1
1972 オリンピック ミュンヘン 200mバタフライ 6位 2分04秒69
200m個人メドレー 5位 2分09秒66
400m個人メドレー 銅メダル 4分32秒70 NR
4x100mメドレーリレー 予選8位 3分59秒86 第3泳[注釈 1]
1973 世界選手権 ベオグラード 200mバタフライ 6位 2分04秒10
200m個人メドレー 4位 2分09秒52
400m個人メドレー 金メダル 4分31秒11 ARCR
1974 ヨーロッパ選手権英語版 ウィーン 200mバタフライ 金メダル 2分03秒08
200m個人メドレー 銅メダル 2分09秒08
400m個人メドレー 金メダル 4分28秒89 WR
1975 世界選手権 カリ 200mバタフライ 予選9位 2分06秒57
200m個人メドレー 金メダル 2分07秒72 CR
400m個人メドレー 金メダル 4分32秒57
1976 オリンピック モントリオール 200mバタフライ 予選20位 2分06秒20
400m個人メドレー 4位 4分27秒13
1977 ヨーロッパ選手権英語版 ヨンショーピング 200m個人メドレー 金メダル 2分06秒82
400m個人メドレー 4位 4分31秒96
ユニバーシアード ソフィア 400m個人メドレー 金メダル 4分32秒91
1978 世界選手権 西ベルリン 200m個人メドレー 予選9位 2分09秒22
400m個人メドレー 銅メダル 4分27秒04
1980 オリンピック モスクワ 400m個人メドレー 4位 4分24秒48
CR=大会記録、WR=世界記録、AR=ヨーロッパ記録、NR=ハンガリー記録

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 予選のみ出場。決勝のハンガリーは8位。

出典

[編集]
  1. ^ Ötven éve történt: München 1972 – a tőrvívó Kamuti Jenő ezüst-, az úszó Hargitay András bronzérmes” (ハンガリー語). archiv.olimpia.hu. ハンガリーオリンピック委員会 (2022年8月30日). 2024年12月5日閲覧。
  2. ^ Földi, Balczó: a közvélemény aranyai” (ハンガリー語). nemzetisport.hu. Nemzeti Sport (2022年9月3日). 2024年12月5日閲覧。
  3. ^ Olympic Games Munich 1972 Men 400m Medley Results” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年11月22日閲覧。
  4. ^ Gyurta győzelme már most legendás - vizes vb-történelem” (ハンガリー語). nemzetisport.hu. Nemzeti Sport (2011年7月18日). 2024年12月5日閲覧。
  5. ^ 1st FINA World Championships 1973 Men 400m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  6. ^ LEN EUROPEAN CHAMPIONSHIPS AQUATIC FINALISTS 1926-2016” (PDF) (英語). www2.len.eu. 欧州水泳連盟 (2018年). 2020年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月5日閲覧。
  7. ^ Phillip Whitten (2002年8月15日). “FLASH!! Michael Phelps, Erik Vendt Both Break the World Record in the 400 IM” (英語). swimmingworldmagazine.com. Swimming World. 2024年11月22日閲覧。
  8. ^ 2nd FINA World Championships 1975 Men 200m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  9. ^ 2nd FINA World Championships 1975 Men 400m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  10. ^ Olympic Games Montreal 1976 Men 400m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  11. ^ 3rd FINA World Championships 1978 Men 400m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  12. ^ Olympic Games Moscow 1980 Men 400m Medley Final Result” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年12月5日閲覧。
  13. ^ a b KOVÁCS ERIKA (2024年3月26日). “Hősök, példaképek: halhatatlanok – az úszó Hall of Fame magyar tagjai” (ハンガリー語). nemzetisport.hu. Nemzeti Sport. 2024年12月7日閲覧。
  14. ^ Hegyi Áron (2021年12月11日). “Hargitay András: 66 évesen is van még jövőm – Interjú a világbajnokkal Széchyről, csajozásról, pénzről, családról, soha nem látott fotókkal” (ハンガリー語). blikk.hu. Blikk. 2024年12月7日閲覧。
  15. ^ Jason Marsteller (2016年4月11日). “Hungary Hires Andras Hargitay to Replace Laszlo Kiss” (英語). swimmingworldmagazine.com. Swimming World. 2024年12月7日閲覧。
  16. ^ Retta Race (2016年4月11日). “After Kiss’ Resignation, Hungary Names New Head Coach” (英語). swimswam.com. SwimSwam. 2024年12月7日閲覧。
  17. ^ Happy Birthday Andras Hargitay !!!” (英語). ishof.org. 国際水泳殿堂. 2024年12月7日閲覧。
  18. ^ Andras HARGITAY” (英語). worldaquatics.com. 世界水泳連盟. 2024年11月18日閲覧。

外部リンク

[編集]
記録
先代
アメリカ合衆国の旗 ゲーリー・ホール・シニア英語版
(4分30秒81)
男子400m個人メドレー
世界記録保持者
(4分26秒00)

1974年8月20日 - 1976年4月2日
次代
ハンガリーの旗 ベラスト・ゾルターン
(4分26秒00)