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バキュロウイルス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バキュロウイルス科
核多核体病ウイルス
分類
: 第1群(2本鎖DNA)
: バキュロウイルス科
Baculoviridae

本文参照

バキュロウイルス科(Baculoviridae)はDNAウイルスの科。Nucleopolyhedrovirus(NPV:核多角体病ウイルス)とGranulovirus(GV:顆粒病ウイルス)の2属に分けられ、一般にバキュロウイルス(Baculovirus)と呼ばれる。バキュロウイルスは節足動物に感染し、宿主に対する特異性が高い。大部分はチョウ目幼虫に感染するが、ハチエビに感染するものも知られている。脊椎動物には感染・増殖しない。特定の宿主にしか感染しないが致死性が高く、他の動物には安全なので、生物農薬として利用されるものもある。

性質

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ビリオンは大型の棒状。エンベロープを持ち、GVはエンベロープ1個にヌクレオカプシドを1個だけ含むが、NPVにはエンベロープ1個にヌクレオカプシドを複数含むものもある。さらにビリオンはタンパク質(GVではグラニュリン、NPVではポリヘドリン)の結晶(包埋体)に包まれる。GVの包埋体(顆粒体)は小型でビリオンを1個しか含まないが、NPVの包埋体(核多角体)は大型で多数のビリオンを含む。ゲノムは環状二本鎖DNAで、80から180kbpと大きく、遺伝子数も100以上ある。

感染過程

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包埋体は虫に食べられたあと、中腸でアルカリ性のため溶解し、感染する。細胞内で複製されたウイルスはまず細胞表面から出芽し、他の細胞に感染して全身感染に至る。次に各細胞内で包埋体が作られる。包埋体型ウイルスは出芽型ウイルスよりも安定性、感染性ともに高い。虫は死んで虫体内部は液状化し、その後皮膚が破れると内部に充満したウイルスがまき散らされ、他の虫に食べられて感染する。