バーシア
バーシア Basia | |
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バーシア | |
基本情報 | |
出生名 | Barbara Stanisława Trzetrzelewska |
生誕 | 1954年9月30日(70歳) |
出身地 | ポーランド ヤヴォジュノ |
学歴 | ヤギェウォ大学物理学部 |
ジャンル | ポップス、ジャズ・ポップ、ソフィスティ・ポップ、ボサノヴァ、サンバ、ソウル、スウィング |
職業 | ミュージシャン、シンガーソングライター |
担当楽器 | ボーカル |
活動期間 | 1969年 - |
レーベル | エピック、eOne、シャナキー |
共同作業者 |
マット・ビアンコ ピーター・ホワイト パーフェクト アリバブキ |
公式サイト |
www |
バーシア(Basia、本名:バルバラ・スタニセワ・チェチェレフスカ[1]、1954年9月30日 - )は、イギリスを中心に活動するポーランド出身の歌手、音楽プロデューサーである。
人物
[編集]ポーランドのシロンスク県ヤヴォジュノ生まれ。実家はアイスクリーム屋を営んでいた。幼少期から合唱に取り組み、成長してプロの歌手としてポーランド国内で歌った。歌手活動と並行してポーランド最古の大学でワルシャワ大学と並ぶ名門大学のヤギェウォ大学[2]で数学を専攻することを希望していたが、両親が職人であった関係で入試における点数が足りなかったために、致し方なく物理学の専攻に変更した[3]。そのような状況下で、ポーランドで活動するAlibabkiのマネージャーからの連絡があったため、魅力を感じない物理学を諦めてバンド活動に軸足を移した[4]。
その後、1979年にアメリカ、のちイギリスに渡り、一時イギリスで流行したファンカラティーナ[5]というジャンルを代表するバンド「ブルー・ロンド・ア・ラ・ターク」で活動したマーク・ライリーが率いるマット・ビアンコへの在籍を経て、そのメンバーであったダニー・ホワイトと彼の兄ピーター・ホワイトのサポートで1986年にソロ・デビューした(ソロデビューまでの移住先の国の首都名が後のソロ2枚目のアルバムである London Warsaw New York の題名となる)。ラテン音楽の影響はソロ活動においても残っており、ボサノヴァなどのブラジル音楽やジャズをポップスとして昇華させた上品な楽曲で人気を博した。初期の2枚のアルバム作品は、1980年代の英語圏の音楽シーンを席巻していたPWLも制作に協力(全面プロデュースではない)した作品で、シンセ打ち込みを主体とした作風であった。
アメリカやイギリスを中心に活動した他、数回来日したこともある。バーシアのソロデビュー当時、空前のバブル景気に沸いていた日本では、ハイソな音楽性によって早期から本物を求める文化的な感度の高い層に人気を博しており、各所でプッシュされていた。例えば、ソロデビューアルバム収録曲の『ニュー・デイ・フォー・ユー』が日本のファッションビルであるPARCOのクリスマス・キャンペーン・ソングに採用され、バーシア自身もポーランド語を話すCMで日本での知名度を獲得した。CM出演の結果として渋谷PARCO内にある渋谷CLUB QUATTROのこけら落としのライブも行うことになった。渋谷PARCOも渋谷CLUB QUATTROも共に20世紀の日本で最先端だった渋谷文化を牽引する存在であった。従って、バーシアは日本のバブル期を彩った存在でもある。
2003年にはマット・ビアンコに、初期オリジナル・メンバーとして復帰しアルバム『マッツ・ムード』を発表、ツアーにも参加した。ただしマット・ビアンコはマーク・ライリー個人のバンドユニット名となっており、パーマネントなバンド編成ではないため、期間限定の復帰に終わった。
2009年に『イッツ・ザット・ガール・アゲイン』をソロ・アルバムとして約15年ぶりに発表し、世界ツアーを行った。来日も果たし、ブルーノート東京、名古屋にて公演を行った。
2013年の来日公演では、バーシア本人の体調不良により、東京公演の一部がバーシア不在による公演となった。
2015年にも来日公演を行う。
2018年5月16日に実に9年ぶりとなるオリジナル・アルバム『バタフライズ』をリリースした。 同年中にワールドツアーを行い、来日を果たした。
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『タイム・アンド・タイド』 - Time and Tide (1987年)[6]
- 『ロンドン・ワルシャワ・ニューヨーク』 - London Warsaw New York (1989年)[7]
- 『スウィーテスト・イリュージョン』 - The Sweetest Illusion (1994年)[8]
- 『イッツ・ザット・ガール・アゲイン』 - It's That Girl Again (2009年)[9]
- 『バタフライズ』 - Butterflies (2018年)[10]
ライブ・アルバム
[編集]- 『バーシア・オン・ブロードウェイ』 - Basia on Broadway (1995年)
- From Newport to London: Greatest Hits Live ... and More (2011年)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『ベスト・リミックス』 - The Best Remixes (1990年)
- 『ブレイヴ・ニュー・ホープ (ブレイヴ・ニュー・ミックス)』 - Brave New Hope (1990年)
- 『ザ・ベスト・リミックス2』 - The Best Remixes II (1991年)
- 『クリア・ホライズン〜ベスト・オブ・バーシア』 - Clear Horizon – The Best of Basia (1998年)
- Simple Pleasures (2003年)
- Superhits (2004年)
- Playlist: The Very Best of Basia (2013年)
参加アルバム
[編集]- マット・ビアンコ : 『フーズ・サイド・アー・ユー・オン』 - Whose Side Are You On? (1984年)
- デヴィッド・キャシディ : 『ロマンス』 - Romance (1985年) ※「Romance (Let Your Heart Go)」に参加
- パーフェクト : Historie nieznane 1971–1991 (1993年) ※「Obłęd w podmiejskiej dyskotece」に参加
- ピーター・ホワイト : Caravan of Dreams (1996年) ※「Just Another Day」に参加
- スパイロ・ジャイラ : 『ゴット・ザ・マジック』 - Got the Magic (1999年) ※「Springtime Laughter」に参加
- 葉加瀬太郎 : 『DUETS』 - Duets (1999年) ※「So Nice (Summer Samba)」に参加
- マット・ビアンコ : 『マッツ・ムード』 - Matt's Mood (2004年)
- ピーター・ホワイト : Good Day (2009年) ※「Love Will Find You」に参加
- モニカ・リドケ : If I Was to Describe You (2014年) ※「Tum Tum Song」に参加[11]
- ペクトゥス : Kobiety (2015年) ※「Ostatnia z niedziel」に参加
来日公演
[編集]- TIME AND TIDE TOUR
- 1987年 渋谷クラブクアトロ
- AJINOMOTO PRESENTS'90 BASIA IN JAPAN
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- Basia on Broardway in Orchard Hall
- LONDON WARSAW NEW YORK TOUR
- 1990年10月1日 名古屋市民会館、10月3日 フェスティバルホール、10月4日 浦和市文化センター、10月6日 東京ベイNKホール
- THE SWEETEST ILLUSION TOUR
- 1994年7月1日 名古屋市公会堂(ワールドツアー初日)、7月2日 名古屋クラブクアトロ、7月4日 心斎橋クラブクアトロ、7月5日・6日 大阪厚生年金会館、7月8日 広島メルパルクホール、7月10日 NHKホール、7月11日 日本武道館、7月13日 渋谷クラブクアトロ、7月14日 神奈川県民ホール
- MATT'S MOOD TOUR(マット・ビアンコ フィーチャリング バーシア)
- 2005年3月28日 大阪なんばHatch、3月29日-31日 東京国際フォーラム・ホールC
- IT'S THAT GIRL AGAIN TOUR
- 2009年10月13日 ブルーノート名古屋、10月15日-19日 ブルーノート東京
- JAPAN TOUR 2013
- 2013年5月2日 ビルボードライブ大阪、5月4日・5日 ビルボードライブ東京(全日程 1日2回公演)
- JAPAN TOUR 2015
- 2015年1月27日・28日 ビルボードライブ東京、1月30日 ビルボードライブ大阪(全日程1日2回公演)
- Butterflies TOUR 2018
- 2018年11月5日・6日 ビルボードライブ東京、11月8日 ビルボードライブ大阪(全日程1日2回公演)
脚注
[編集]- ^ “60. minut z Basią | Portal Informacji Kulturalnej Województwa Świętokrzyskiego” (ポーランド語). pik.kielce.pl. 2019年3月23日閲覧。
- ^ “Jagiellonian University in Kraków | 上智大学外国語学部 留学ガイド”. 2023年5月10日閲覧。
- ^ ヤギェウォ大学の受験において、数学専攻の不合格者は物理学専攻に変更することが慣例となっていた。
- ^ “Basia Trzetrzelewska o życiu w Londynie, śmierci ukochanej mamy i międzynarodowej karierze” (ポーランド語). Viva.pl. 2023年5月10日閲覧。
- ^ ファンクとラテン音楽を融合させたポップスのこと。
- ^ 『Basia - Time And Tide』 。2023年5月10日閲覧。
- ^ 『Basia - London Warsaw New York』 。2023年5月10日閲覧。
- ^ 『Basia - The Sweetest Illusion』 。2023年5月10日閲覧。
- ^ 『Basia - It's That Girl Again』 。2023年5月10日閲覧。
- ^ 『Basia - Butterflies』 。2023年5月10日閲覧。
- ^ Ewa Litwin (2014年3月16日). “Piosenka tygodnia (17-23.03.2014): Monika Lidke feat. Basia - Tum Tum Song - Polskie Radio PiK” (Polish). www.radiopik.pl. 2018年10月5日閲覧。
参考文献
[編集]- プロフィール | バーシア | ソニーミュージックオフィシャルサイト
- バーシア - ブルーノート東京。2009年東京公演の際のアーカーブ