バーニングファイト

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バーニングファイト
ジャンル ベルトスクロールアクションゲーム
対応機種 アーケードゲーム[AC]
開発元 SNK
発売元 SNK
D4エンタープライズ[VC]
ハムスター[アケアカNEOGEO]
プロデューサー 川崎英吉
デザイナー 安部直人[1]
音楽 山田泰正
人数 1 - 2人(協力)
メディア [AC]業務用基板(54メガ)
[NG]ROMカセット
[NGCD]CD-ROM1枚
発売日 [AC]1991年5月20日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
システム基板 [AC]Multi Video System
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バーニングファイト』(Burning Fight)は、1991年SNKから発売されたアーケードゲームである。

ベルトスクロールアクションゲームである本作は、日米3人の刑事たちが大阪を舞台に犯罪組織と戦う様子を描いており[2]、全5ステージで構成されている。本作は単純で激しいアクションを特徴とすると同時に、コミカルで奇抜な敵キャラクターの存在も特徴としている[3]

本作は家庭用ゲーム機ネオジオにも対応しているほか、1994年9月9日にはネオジオCDに移植された。また、2008年5月7日Wiiバーチャルコンソール対応ソフトになった。さらにアケアカNEOGEOの1作品として2017年9月28日PlayStation 4Xbox OneNintendo Switch[2][3]2018年8月2日PC(Windows 10)で、2022年6月16日iOSAndroid[4][5]、それぞれ配信が開始された。

システム[編集]

8方向レバーと3つのボタンでプレイヤーキャラクターを操作する。

レバーで上下左右に移動。Aボタンで出が早いが威力が低いパンチ攻撃、Bボタンでジャンプ、Cボタンで出は遅いが高威力のキック攻撃。

敵に密着すると掴み動作となり敵を直接攻撃したり後方に投げることができる。ただし威力そのものは非常に低く、投げの巻き込み判定も狭いため、他のベルトスクロールアクションのような使い方はできない。

AボタンとBボタン同時押しで無敵状態で高威力・広範囲攻撃ができる必殺技を繰り出す。ただし、必殺技を使用すると体力を若干消耗する。

ステージ道中には入ることができる店舗や倉庫(これらは全て犯罪組織のフロント企業という設定)があり、入ることで内部に置かれている商品や家具を破壊するボーナスステージが開始される。制限時間内に破壊すれば体力を全回復する「パワードリンク」や特定が入る「コイン」が入手できるが、敵も配置されているため安全地帯と言うわけではない。

44マグナムやナイフなど、敵が落とした武器は拾って攻撃することも出来る。武器アイテムの性能は高めだが、一定時間使用すると自動的に落としてしまう他、拾わないと一定時間が経過すると消滅する。落ちている武器アイテムと持ち替えることで使用時間はリセットされるが、何度か行うと持ち替えた武器が消滅してしまう。

プレイヤーキャラのダウン起き上がり動作には無敵時間がないため、一度ダウンするとそのまま攻撃を重ねられて倒される危険性が高い。

ストーリー[編集]

デューク・エドワーズとビリー・キングはニューヨークの犯罪組織であるキャステローラ・ファミリーを追っていたが、組織壊滅まであと一歩のところで国外逃亡を許してしまう。ニューヨークを出たキャステローラ・ファミリーは、大阪の犯罪組織・平和組と手を組んで街を我がもの顔で荒らしていた。

そんな中、デュークとビリーは、平和組を追う日本刑事のリュウ・サエバと出会う。3人はキャステローラ・ファミリーと平和組という2つの犯罪組織壊滅に立ち向かう。

登場キャラクター[編集]

プレイヤーキャラクター[編集]

デューク・エドワーズ(DUKE EDWARDS)
本作の主人公で、ニューヨーク市警の刑事。1964年7月27日生まれ。「マッドデューク」の名で裏社会から恐れられている一方、始末書の多さでも知られている。かつては札付きの不良だった過去を持つ。趣味はドライブ
青いタンクトップとジーンズを着用している。バランスタイプのキャラクターで、必殺技はアッパーカットを出しながら少し前進するサブマリンスクリュー
リュウ・サエバ(RYU SAEBA)
平和組を追う日本の刑事。1964年12月27日生まれ。あらゆる武術をマスターしている。犯罪組織壊滅のため、デュークやビリーと組む。趣味はスキー
赤っぽいオレンジの衣装を着用している。スピードタイプのキャラクターで、必殺技はその場でジャンプして回し蹴りを繰り出す旋風脚
ビリー・キング(BILLY KING)
デュークの同僚の刑事。1961年7月20日生まれ。かつては暴走族のリーダーだったが、デュークとの決闘により更生。大学時代ではアメフトの経験がある。趣味はサーフィン
黒いライダースーツを着用した大男。パワータイプのキャラクターで、必殺技は前進しながらショルダータックルを繰り出すハイパータックル

ボスキャラクター[編集]

ユウジロー・ヘイケ(YUJIRO HEIKE)
ステージ1のボス。肩に桜吹雪の入れ墨を入れた肥満体形の男。ステージ5でも中ボスとして登場する。
トム・アンダーソン(TOM ANDERSON)
ステージ2の中ボス。長髪で髭面のプロレスラー。登場時は噴水を壊して「イッチバーン!」とアピールする。片腕を上げてからの突進が得意技。
アズサ・ヘイケ(AZUSA HEIKE)
ステージ2とステージ5の中ボス。着物姿の女極道ドスを武器とする。
マーシャル(MARSHALL)
ステージ2とステージ4のボス。筋肉質なブロンドの大男。高い頻度でこちらの攻撃をガードし、時々赤くなって攻撃することがある。体力が減ると高威力の回し蹴りを繰り出してくる。ステージ5でも中ボスとして登場する。
ゲイリー・パウエル(GARY POWELL)
ステージ3の中ボス。トムの顔違いの黒人レスラー。
ニトウ・リュウジ(NITOU RYUJI)
ステージ3のボス。二刀流で闘う袴姿の男。登場時には「マチカネタゾ!」と発する。時々、背景である工事現場の土台に飛び乗って襲いかかることがある。
マッド・ディリー(MAD DILLY)
ステージ5の中ボス。トムの色違い。トムやゲイリーに比べ動作が高速化されている。
ニトウ・リュウゴ(NITOU RYUGO)
ステージ5の中ボス。リュウジの色違い。今回は背景の足場を使った攻撃は行わない。
キャステローラ(CASTERORA)
最終ボス。銃弾の飛びだすステッキが武器。ステッキによる殴打やガードが強力で、小太りな見た目とは裏腹に機動性も高い強敵。

通常敵キャラクター[編集]

ヨシオ(YOSHIO)
タンクトップにジーパン姿の男。「タケシ」「ヤス」「ピーター」「マービン」など多数の名前がある。最も出現数が多い敵で、ナイフ、空き瓶、角材といった武器を装備していることもある。
ジャック(JACK)、ジョニー(JOHNNY)
鎖を持った敵。体力は低めだがリーチの長い通常攻撃と無敵時間のあるジャンプ攻撃が強力で、細かいジャンプやバックステップでこちらの攻撃を的確に回避してくる難敵。
ダフィー(DUFFY)
3面以降に登場する、オーバーオールを着た金髪のデブ。遠距離からの突進やダウン追撃の踏み潰しに加え、こちらの攻撃を防ぐガード、高速で割り込んでくる強制ダウン付きの張り手と非常に高性能なザコ敵。
ゴンザレス(GONZALES)
ダフィーと似た外見の禿げたデブ。2面にしか出現せず、ガード動作がないため下位互換的存在。
ボブ(BOB KATOU)
直接攻撃はせず、ダイナマイトを投げつけてくる敵。ダイナマイトは爆発する前に拾って投げつけることが可能で、敵にも攻撃判定がある。
ロバート(ROBERT BAUN)、ブルース(BRUCE STONE)
拳銃を持ったスーツ姿の男。高威力の拳銃で射撃を行い、拳銃を手放すと発生の速いスライディングで攻撃してくる。
ハロルド(HAROLD CARR)
ステージ2でアズサの護衛として登場するスーツ姿の敵。拳銃を持っておらず、体力が減ると逃げ出してしまう。
ヤマモト(WOO YAMAMOTO)
ステージ1で登場する客引き。攻撃はしてこないが、近づくとしがみ付いて動きを止めてくる。
ゴウハラ(GOZO GOHARA)
ステージ3で登場するホームレス。性質はヤマモトと同じ。

ステージ[編集]

ステージ1。繁華街が舞台。
ステージ2。前半は地下街にある商店街、中盤は駅の歩く歩道、後半は電車の上。
ステージ3。前半は下町、後半は工事現場が舞台。工事現場ではエレベーターを使って上へと上がっていく。
ステージ4。前半は倉庫、後半は埠頭が舞台。
  • SEA AREA(同上)
ステージ5。キャステローラの所有するクルーザーが舞台。道中にはこれまでのステージに登場したボスキャラクターが勢揃いする。

開発[編集]

本作のゲームデザインを担当した安部直人によると、本作の難易度設計は企画担当が行っており、アーケードゲームとしての収入を確保しやすくするために、2面以降は少しずつ難しくなるよう設計されたとファミ通とのインタビューの中で語っている[1]。また、安部は当時のSNKには流行り物に乗っていこうという風潮があったかもしれないと述べており、本作についても映画『ブラック・レイン』から影響を受けていたと前述のインタビューの中で述べている[1]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]