パシフィックコーストリーグ
パシフィックコーストリーグ | |
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競技 | 野球 |
創立 | 1903年 |
参加チーム | 10 |
国 | アメリカ合衆国 |
前回優勝 | シュガーランド・スペースカウボーイズ (2024年) |
最多優勝 | サンフランシスコ・シールズ (14回) |
パシフィックコーストリーグ(Pacific Coast League)は、アメリカ合衆国のマイナーリーグ(MiLB)の野球リーグ。メジャーリーグ(MLB)の1つ下のAAA級であり、同じくAAA級であるインターナショナルリーグと並んでマイナーリーグの最上位チーム群を構成チームとしている。
概要
[編集]1903年に6球団で活動開始。
1946年にAAA級の格付けを与えられ、1952年にはAAA級を超えるグレードである「オープン」という分類を唯一与えられたリーグとなった。1958年に再びAAA級となり、1998年には16球団に拡張した。
2006年以降、プレーオフの勝者がインターナショナルリーグの王者と戦うAAAベースボールナショナルチャンピオンシップが行われている。
2019年までは、リーグはアメリカンとパシフィックの2つのカンファレンスに分かれ、各カンファレンスは更に北部と南部に各4球団ずつ分かれていた。
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により6月30日にシーズン中止が発表された[1][2]
2021年シーズン開幕前に行われたマイナーリーグの改編に伴い、リーグは10球団に縮小され、リーグ名は「トリプルAウエスト」(Triple-A West)に変更となった[3]。
2022年よりリーグ名が元の「パシフィックコーストリーグ」に戻された[4]。
打者天国
[編集]標高の高いロッキー山脈周辺地域や乾燥地帯に本拠地を置いている球団が多いため、極めて打者有利(hitter friendly)のリーグとして知られる[5]。特に、リノ、ラスベガス、コロラドスプリングス(2018年まで)、アルバカーキ、ソルトレイクシティ、エル・パソの6球場は顕著な打者天国として有名である[6]。
2011年のリーグ平均打率は.286、OPSは.807で、防御率は5.13だった[7]。東海岸のAAA級リーグであるインターナショナルリーグが平均打率.260、OPS.729、防御率4.03でメジャーリーグと同程度の水準にあるのに対し[8]、パシフィックコーストリーグの打者優位は明らかである[9]。
アメリカ合衆国の関係者やファンの間では、パシフィックコーストリーグでの打撃成績はある程度割引いて考慮すべきという見方が一般的になっている[10]。
所属チーム
[編集]歴代優勝チーム
[編集]年 | 優勝チーム |
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1903年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1904年 | タコマ・タイガース |
1905年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1906年 | ポートランド・ビーバーズ |
1907年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1908年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1909年 | サンフランシスコ・シールズ |
1910年 | ポートランド・ビーバーズ |
1911年 | ポートランド・ビーバーズ |
1912年 | オークランド・オークス |
1913年 | ポートランド・ビーバーズ |
1914年 | ポートランド・ビーバーズ |
1915年 | オークランド・オークス |
1916年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1917年 | サンフランシスコ・シールズ |
1918年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1919年 | ヴァーノン・タイガース |
1920年 | ヴァーノン・タイガース |
1921年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1922年 | サンフランシスコ・シールズ |
1923年 | サンフランシスコ・シールズ |
1924年 | シアトル・インディアンス |
1925年 | サンフランシスコ・シールズ |
1926年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1927年 | オークランド・オークス |
1928年 | サンフランシスコ・シールズ |
1929年 | ハリウッド・スターズ |
1930年 | ハリウッド・スターズ |
1931年 | サンフランシスコ・シールズ |
1932年 | ポートランド・ビーバーズ |
1933年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1934年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1935年 | サンフランシスコ・シールズ |
1936年 | ポートランド・ビーバーズ |
1937年 | サンディエゴ・パドレス |
1938年 | サクラメント・ソロンズ |
1939年 | サクラメント・ソロンズ |
1940年 | シアトル・レイニアーズ |
1941年 | シアトル・レイニアーズ |
1942年 | シアトル・レイニアーズ |
1943年 | サンフランシスコ・シールズ |
1944年 | サンフランシスコ・シールズ |
1945年 | サンフランシスコ・シールズ |
1946年 | サンフランシスコ・シールズ |
1947年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1948年 | オークランド・オークス |
1949年 | ハリウッド・スターズ |
1950年[11] | オークランド・オークス |
1951年 | シアトル・レイニアーズ |
1952年[11] | ハリウッド・スターズ |
1953年[11] | ハリウッド・スターズ |
1954年 | オークランド・オークス |
1955年 | シアトル・レイニアーズ |
1956年 | ロサンゼルス・エンゼルス |
1957年 | サンフランシスコ・シールズ |
1958年 | フェニックス・ファイアバーズ |
1959年 | ソルトレイクシティ・ビーズ |
1960年 | スポケーン・インディアンス |
1961年 | タコマ・タイガース |
1962年 | サンディエゴ・パドレス |
1963年 | オクラホマシティ・エイティナイナーズ |
1964年 | サンディエゴ・パドレス |
1965年 | オクラホマシティ・エイティナイナーズ |
1966年 | シアトル・エンゼルス |
1967年 | サンディエゴ・パドレス |
1968年 | タルサ・オイラーズ |
1969年 | ソルトレイクシティ・ビーズ |
1970年 | スポケーン・インディアンス |
1971年 | ソルトレイク・ビーズ |
1972年 | アルバカーキ・デュークス |
1973年 | スポケーン・インディアンス |
1974年 | スポケーン・インディアンス |
1975年 | ハワイ・アイランダーズ |
1976年 | ハワイ・アイランダーズ |
1977年 | フェニックス・ファイヤーバーズ |
1978年[12] | アルバカーキ・デュークス タコマ・タイガース |
1979年 | ソルトレイク・ビーズ |
1980年 | アルバカーキ・デュークス |
1981年 | アルバカーキ・デュークス |
1982年 | アルバカーキ・デュークス |
1983年 | ポートランド・ビーバーズ |
1984年 | エドモントン・トラッパーズ |
1985年 | バンクーバー・カナディアンズ |
1986年 | ラスベガス・スターズ |
1987年 | アルバカーキ・デュークス |
1988年 | ラスベガス・スターズ |
1989年 | バンクーバー・カナディアンズ |
1990年 | アルバカーキ・デュークス |
1991年 | ツーソン・トロズ |
1992年 | コロラドスプリングス・スカイソックス |
1993年 | ツーソン・トロズ |
1994年 | アルバカーキ・デュークス |
1995年 | コロラドスプリングス・スカイソックス |
1996年 | エドモントン・トラッパーズ |
1997年 | エドモントン・トラッパーズ |
1998年 | ニューオーリンズ・ゼファーズ |
1999年 | バンクーバー・カナディアンズ |
2000年 | メンフィス・レッドバーズ |
2001年[13] | ニューオーリンズ・ゼファーズ タコマ・レイニアーズ |
2002年 | エドモントン・トラッパーズ |
2003年 | サクラメント・リバーキャッツ |
2004年 | サクラメント・リバーキャッツ |
2005年 | ナッシュビル・サウンズ |
2006年 | ツーソン・サイドワインダーズ |
2007年 | サクラメント・リバーキャッツ |
2008年 | サクラメント・リバーキャッツ |
2009年 | メンフィス・レッドバーズ |
2010年 | タコマ・レイニアーズ |
2011年 | オマハ・ストームチェイサーズ |
2012年 | リノ・エーシズ |
2013年 | オマハ・ストームチェイサーズ |
2014年 | オマハ・ストームチェイサーズ |
2015年 | フレズノ・グリズリーズ |
2016年 | エル・パソ・チワワズ |
2017年 | メンフィス・レッドバーズ |
2018年 | メンフィス・レッドバーズ |
2019年 | サクラメント・リバーキャッツ |
2020年 | 開催中止 |
2021年 | タコマ・レイニアーズ |
2022年 | リノ・エーシズ |
2023年 | オクラホマシティ・ドジャース |
2024年 | シュガーランド・スペースカウボーイズ |
脚注
[編集]- ^ “A Message From Pat O'Conner”. (March 13, 2020) May 5, 2020閲覧。
- ^ “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. (June 30, 2020) July 1, 2020閲覧。
- ^ Reichard, Kevin (February 12, 2021). “Minor League Baseball Overhaul Unveiled”. Ballpark Digest. February 13, 2021閲覧。
- ^ Benjamin Hill (2022年3月17日). “Historical league names return to the Minors”. MLB.com. 2022年4月23日閲覧。
- ^ Payne, Matt(2011-07-13). Pitching dominates Triple-A All-Star Game. Desert News(英語). 2011年11月27日閲覧
- ^ Smith, Stephen C(2011-03-09). Mark Trumbo Steps Up to the Plate. FutureAngels.com(英語). 2011年11月27日閲覧
- ^ 2011 Pacific Coast League Statistics. Baseball-Reference.com(英語). 2011年11月27日閲覧
- ^ 2011年のア・リーグは平均打率.258、平均OPS.730。ナ・リーグは平均打率.253、OPS.710。
- ^ 2011 Minor League Baseball League Encyclopedia. Baseball-Reference.com(英語). 2011年11月27日閲覧
- ^ Sheehan, Joe(2011-05-30). Minor leaguers, but these five will be major contributors. SI Vault(英語). 2011年11月27日閲覧
- ^ a b c 資金難を理由にチャンピオンシップシリーズ中止
- ^ チャンピオンシップシリーズが雨天中止のため同率優勝となった。
- ^ 9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生したためチャンピオンシップシリーズが中止となり、同率優勝となった。