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パルヴィペルヴィア類(Parvipelvia, ラテン語で「小さな骨盤」の意)は、後期三畳紀ノーリアン中期から後期白亜紀セノマニアンにかけてアジア・オーストラリア・ヨーロッパ・北アメリカ・南アメリカに生息していた、絶滅した魚竜の分岐群。1999年に藻谷亮介が命名し、マクゴワニアやハドソネルピディアといった基盤的な分類群も含む[1]。Maisch と Matzke は2000年の論文における分析で、パルヴィペルヴィア類を支持する共有派生形質を7つ発見している。彼らはまた、三畳紀の後の魚竜の分岐群を支持する10の共有派生形質を発見しており、Neoichthyosauria というパルヴィペルヴィア類からマクゴワニアとハドソネルピディアを除外した分岐群の有効性を示した[2]。
魚鰭類は前期三畳紀オレネキアン、中期三畳紀ラディニアン、後期三畳紀において属が大きく変遷している。パルヴィペルヴィア類が台頭するまでの魚鰭類はミクソサウルスのように細長いものやシャスタサウルスのように巨大なものが主だったが、後期三畳紀以降にパルヴィペルヴィア類が主流の魚竜となった。パルヴィペルヴィア類は紡錘形の体型をし、尾ビレが巨大で三日月形で、前肢よりも後肢が小さく、目が巨大であるという特徴を持つ[3]。イルカに似ると言われる魚竜はパルヴィペルヴィア類である。
パルヴィペルヴィア類は1999年に分岐学に基づき「ハドソネルピディア、マクゴワニア、イクチオサウルスの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」として定義されている。Maisch と Matzke もまた2000年にマーティン・サンダーに命名された Neoichthyosauria を分岐学に基づいて「テムノドントサウルスとオフタルモサウルスの最も新しい共通祖先とその全ての子孫」として定義した[2]。
下のクラドグラムは Motani (1999) と Maisch and Matzke (2000) に基づく[1][2]。