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ヒゲダンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ヒゲダンスは、ザ・ドリフターズ加藤茶志村けんがヒゲのコンビとして[1]1979年から1980年にかけてテレビ番組『8時だョ!全員集合』の「後半コント」コーナーで披露した、大道芸の要素を取り入れたダンス

概要

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元は『8時だョ!全員集合』に前座出演したMr.ボールドの「コミックサイクル」をアレンジしたものといわれている[2]

加藤茶と志村けんの2人は燕尾服(靴は同系色のデッキシューズ)に付けの扮装で、基本的に無言(加藤が、芸に成功した時や客席をけしかける時に「Yeah!」や「Hey!」などと叫ぶ程度)。腕をまっすぐに下ろし手首を外側に90度向けるというペンギンに似た姿勢を取り、軽快な音楽に乗せて膝を大きく曲げながら歩き回る踊りをしつつ、様々な芸に挑戦する(2人は、ステージ中央に来たところでクルリと右に一回転し、芸の題材を見つけて本編スタートとなる。難易度が高くなるほど志村の演技がオーバーになる)。加藤の役はボケで、基本的に失敗をし、志村の突っ込みに対して笑いを取り、続いて志村による芸の成功により拍手を得るかと思ったところで、芸の種をわざと暴露させ、更なる笑いを取るという構成が多く取られていた。

また、一通りの芸を終えて志村が戻ろうとする際、加藤がアンコールをすることがある。志村は一度は固辞するが、加藤が客席をけしかけて万雷の拍手が起きると、志村はやけくそ気味に手を振りながらも、アンコールにきっちりと応えて、更なる笑いを取っている。加藤が志村に対し過度の「むちゃぶり」をして志村を疲弊させた場合は、退場の際に志村が加藤に飛び蹴りをお見舞いすることもある。

時折ゲストとの3人ヒゲダンスも行われた。『全員集合』では、前川清沢田研二小柳ルミ子榊原郁恵郷ひろみなどもヒゲダンスに参加した。二枚目男性や美人歌手が珍妙な付け髭姿で踊るというシチュエーションは、レギュラーの加藤・志村コンビの演技とは違う意味で視聴者の笑いを誘った。また三船敏郎もアドリブでヒゲダンスを披露し、ドリフメンバーや観客を驚かせたことがある。

背景には煉瓦造りの壁を模したセット(天井から書き割りとして降りてくる)が用いられていた。

ヒゲダンスは、1979年から暫くの間、子供だけでなく大人の間でも会社の忘年会や新人歓迎会の芸にも使われる程の大ヒットを飛ばした。1980年3月にはBGMがシングルレコード化されている[3]。ただ、『全員集合』内でのヒゲダンスそのものはあまり長く行われていたわけではなく、1980年9月20日の放送を最後に終了した。しかし視聴者に与えたインパクトは大きく、ヒゲダンスキットは現在でもパーティグッズの定番の一つとして市販されている。

1980年5月5日には、他局にあたるテレビ朝日オリンパソン'80』の一コーナーともなり、『全員集合』と同じ20時から放送された。このためネット局の朝日放送では久しぶりに全員集合ネタが放送された。

ヒゲダンスが行われていた当時、永谷園からはザ・ドリフターズをイメージキャラクターに起用した「味ぶし」「鮭っ子」等の各種ふりかけが売られる程の人気であった(「味ぶし」と「鮭っ子」だけだった当時は、ヒゲダンスの扮装をした加藤と志村のみの出演で、ドリフ他メンバーの出演はラインナップが増えてから)。

1995年5月25日には、ヒゲダンスのBGMである「「ヒゲ」のテーマ」が8cmシングルCDとしてファンハウス(後のBMGファンハウスBMG JAPANアリオラジャパンソニー・ミュージックレーベルズ)より再発された。

21世紀に入ると、時折ヒゲダンスがスペシャル番組の企画内で復活している。2001年にNHKで放送された『思い出のメロディー』にドリフが出演した際、加藤と志村によりヒゲダンスが復活した。2004年の暮れには、黒木瞳と志村の組み合わせによるヒゲダンスがNHKのリバイバル企画番組中で披露され、その後2005年10月2日のTBSの50周年記念番組『名番組だョ!全員集合』でもリバイバルされ、番組中で優香ベッキーえなりかずき中居正広SMAP)の4人が体験し6人ヒゲダンスも行われている。

2020年8月23日の『24時間テレビ』に加藤・仲本工事高木ブーが出演。その際に加藤・仲本によってヒゲダンスが披露され、メインパーソナリティを務めた井ノ原快彦 (V6 / 20th Century) 、重岡大毅ジャニーズWEST)も参加した。

2021年9月26日の『ドリフに大挑戦スペシャル』では、Snow Man深澤辰哉向井康二宮舘涼太飯尾和樹ずん)の4人がヒゲダンスに挑戦した[4]

2021年12月27日に放送されたドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』で山田裕貴勝地涼が披露した。

BGM

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ソウルミュージックを好んで聴いていた志村の推薦により、アメリカR&B歌手テディ・ペンダーグラスが1979年発売に発売したアルバム『テディ英語版』に収録されている「Do Me」のベースラインをたかしまあきひこが一部だけ抜き取りアレンジし直したBGMを作成し、1980年2月25日に「「ヒゲ」のテーマ」として音源化された。たかしまによるとソウル通の志村が、「Do Me」のレコードを持って来て「これと似たようなBGMできないかな?」と言ったという。なお、原曲である「Do Me」は、ヒゲダンスの流行と共に日本独自にシングルカットされ、CBS・ソニー(後のソニーレコードソニー・ミュージックレコーズソニー・ミュージックレーベルズ)より発売された(06SP-464)。

「ヒゲ」のテーマ

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「「ヒゲ」のテーマ」
たかしまあきひこ & エレクトリック・シェーバーズシングル
初出アルバム『ドリフだョ!全員集合 青盤』
A面 「ヒゲ」のテーマ
「ヒゲ」のテーマ (オリジナル・バージョン)(再発)
B面 "カラオケ" いい湯だな
「ヒゲ」のテーマ (HIP BASS MIX)(再発)
「ヒゲ」のテーマ (TECHNO BASS MIX)(再発)
リリース
ジャンル ソウルミュージック
ミニマルミュージック
レーベル SMSレコード
ファンハウス(再発)
作詞・作曲 K.GAMBLE & L.HUFF
プロデュース 志村けん(#1)
チャート最高順位
たかしまあきひこ & エレクトリック・シェーバーズ シングル 年表
-「ヒゲ」のテーマ
(1980年)
-
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解説

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  • 曲の冒頭にはニ長調の明るいメロディが出囃子として挿入される(『全員集合』でも演奏されていたが、音階(本編と同じト長調)などアレンジがやや異なる)。
  • レコード化の際に再録音されたため、『8時だョ!全員集合』の放送で使用されていたBGMとはアレンジがやや異なっている。なおレコードバージョンは、1980年5月3日の放送で、ヒゲダンスのBGMとして使用された事がある。
  • ジャケットデザインはSMSレコードに所属時の安斎肇が担当した。ジャケット裏の絵を切り取るとヒゲグッズになるのは安斎の発案だが、実際切り取るとジャケットが台無しになるから意味が無かったと後年語っている(発売当時はコピーを取って使うという手段もまだ一般的とは言いがたいものであった)。
  • 志村けんは2020年3月29日に死去したが、同年3月26日〜4月1日集計分のSpotify「バイラルトップ50(日本)」のランキングでは、本楽曲が5位にランクインされた[6]

収録曲

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1980年盤(SM06-52)
  1. 「ヒゲ」のテーマ
  2. "カラオケ" いい湯だな
    • 作詞:永六輔、作曲:いずみたく、編曲:たかしまあきひこ
    • 演奏:たかしまあきひこ & エレクトリック・シェーバーズ
1995年盤(FHDF-1473)
  1. 「ヒゲ」のテーマ (オリジナル・バージョン)
    • 作曲:Kenny Gamble, Leon A. Huff、編曲:たかしまあきひこ
  2. 「ヒゲ」のテーマ (HIP BASS MIX)
    • 作曲:Kenny Gamble, Leon A. Huff、Remixed by MONCHI TANAKA
  3. 「ヒゲ」のテーマ (TECHNO BASS MIX)
    • 作曲:Kenny Gamble, Leon A. Huff、Remixed by MONCHI TANAKA

CMソングとしての起用

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BGMとしての使用

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その他

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脚注

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