ヒドロキシシトロネラール
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ヒドロキシシトロネラール | |
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7-Hydroxy-3,7-dimethyloctanal | |
別称 7-Hydroxycitronellal | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 107-75-5 |
PubChem | 78881266924 (R)1715134 (S) |
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特性 | |
化学式 | C10H20O2 |
モル質量 | 172.26 g mol−1 |
外観 | 無色ないし黄色の液体[1] |
匂い | 特異臭 |
沸点 |
241 ℃[1] |
水への溶解度 | 難溶 |
有機溶媒への溶解度 | 50%エタノールに可溶、グリセリンに難溶 |
危険性 | |
引火点 | 104 ℃[1] |
半数致死量 LD50 | 5g/kg(ラット、経口)[2] |
関連する物質 | |
関連する異性体 | C10H20O2 |
関連物質 | シトロネラール ヒドロキシシトロネロール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヒドロキシシトロネラール(英: Hydroxycitronellal)は、化学式C10H20O2で表される有機化合物である。スズランの香りを持ち、香水などに使われる。
香り
[編集]スズランの香りを表現するために開発された合成香料の一つで、クリスチャン・ディオールの香水ディオリシモに配合された。その後皮膚に対する感作性[3]や安定性に問題のあることが分かり、化粧品中に1.0%以上含まれてはならない規制が設けられた。酸やアルカリに弱い欠点があり、より安定性のあるフロロールやマジャントール、ヒドロキシイソヘキシル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒドなどが開発された[4]。不斉炭素原子を一つ含むことから光学異性体が知られるが、香料の目的では区別されずに使用される。皮膚の感作性の点では(S)-(-)体は(R)-(+)体に比べて弱いことが確認されている[3]。使用制限があるものの、スズランやミューゲ、ユリなどのフローラル系調合香料に使われるほか、シトラス、チェリー、ベリータイプのフレーバーに花調を与える目的で使用される[3]。
合成
[編集]シトロネラールを亜硫酸水素ナトリウム付加体としてアルデヒド基を保護して加水反応する方法がある。シトロネロールからヒドロキシシトロネロールを作り、接触脱水素によりアルデヒドにする方法も行われた[3]。
脚注
[編集]- ^ a b c d “ヒドロキシシトロネラール”. 富士フイルム和光純薬. 2018年6月6日閲覧。
- ^ “ヒドロキシシトロネラール”. 総務省消防庁 危険物災害等情報支援システム. 2018年6月6日閲覧。
- ^ a b c d (合成香料編集委員会 2016, pp. 188–190)
- ^ (平山 2017, pp. 205–206)
参考文献
[編集]- 平山令明『「香り」の化学』講談社、2017年6月20日。ISBN 978-4-06-502020-3。
- 合成香料編集委員会『合成香料 化学と商品知識(増補新版)』化学工業日報社、2016年。ISBN 978-4-87326-677-0。