ヒロハサギゴケ
ヒロハサギゴケ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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グラウンドカバーに植栽されたヒロハサギゴケ
(2024年11月 沖縄県石垣市 バンナ公園) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト) (ミヤコジマソウとして)
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Strobilanthes reptans (G.Forst.) Moylan ex Y.F.Deng et J.R.I.Wood | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヒロハサギゴケ、ミヤコジマソウ |
ヒロハサギゴケ(学名:Strobilanthes reptans)はキツネノマゴ科イセハナビ属の多年生草本。旧ヒロハサギゴケ属Hemigraphisとされていたが、ヒロハサギゴケ属はイセハナビ属の内群であることが分子系統学的に明らかとなり[1]、イセハナビ属に含められるようになった[2]。
また、沖縄県宮古島にのみ生息する、環境省及び沖縄県絶滅危惧IA類(CR)のミヤコジマソウ[3][4]Hemigraphis okamotoiをヒロハサギゴケに含む見解[5][3][6][2][7]と、別種と扱う見解[8][9]などがある。本項では前者に従い、ミヤコジマソウを含めS. reptansとして扱う。文献によるヒロハサギゴケとミヤコジマソウの取り扱いの違いについては参考文献欄を参照。
特徴
[編集]高さ5–15 cmほどで、種小名reptans(這性)で示されるように茎は匍匐する。葉の両面と茎に粗い毛が多く、手触りはざらつく。葉は長さ4–9 cmの楕円形、鋸歯縁で対生する。葉表は赤紫色の葉脈が目立ち、葉裏は赤紫色。花は白~薄紫色で径1 cmの漏斗型で、先端は5裂する。花期は春~秋。実の形は棒状。ミヤコジマソウの葉は長さ1–3 cm、円形~卵円形で葉脈は目立たず、花はごく淡い黄色~青みがかった白色。同属のシソモドキS. alternataはヒロハサギゴケとよく似るが、高さ30 cmを超える点で判別される[10][11][3][6][2][9]。
分布と生育環境、利用
[編集]東南アジア~太平洋諸島原産で、温室等のグラウンドカバーとして利用され、時に木陰に帰化する。ミヤコジマソウは沖縄県宮古島および大神島(自生北限、宮古島市指定天然記念物[12])の石灰岩の海岸に稀に生育し、園芸用に栽培もされる[10][11][3][6][2][9]。
脚注
[編集]- ^ (Moylan et al. 2004, p. 724–735)
- ^ a b c d (邑田 2021, p. 448)
- ^ a b c d (横田ほか 2018, p. 277)
- ^ (環境省 2020, p. 71)
- ^ (米倉 & 梶田 2003)
- ^ a b c (片野田 2019, p. 176)
- ^ (沖田原 2021, p. 429)
- ^ “Hemigraphis okamotoi Masam. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. POWO. 2024年11月5日閲覧。
- ^ a b c (林 & 名嘉 2022, p. 122)
- ^ a b (池原 1989, p. 238)
- ^ a b (邑田 1997, p. 119–120)
- ^ (宮古島市 2012)
参考文献
[編集]【ヒロハサギゴケとミヤコジマソウを同種とする文献】
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “ヒロハサギゴケ”. 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList). 2024年11月5日閲覧。
- 横田昌嗣・川上勲・松村俊一・横田昌嗣(追補)・阿部篤志(追補)・佐藤宣子(追補)「ミヤコジマソウ」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(菌類編・植物編)―レッドデータおきなわ―』沖縄県、2018年3月、277頁 。
※ 学名H. reptans、和名ミヤコジマソウ(別名ヒロハサギゴケ)とする - 片野田逸郎「ヒロハサギゴケ」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056。
※ 学名S. reptans、和名ヒロハサギゴケ(別名ミヤコジマソウ)とする - 邑田仁 著「ヒロハサギゴケ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 2巻、平凡社、2021年、448頁。ISBN 9784582535396。
※ S. reptans、和名ヒロハサギゴケ(別名ミヤコジマソウ)とする
【ヒロハサギゴケとミヤコジマソウを同種のH. okamotoiとするが、H. reptansをこれとは別種とする文献】
- 沖田原耕作「ミヤコジマソウ」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832。 ※ 和名ミヤコジマソウ(別名ヒロハサギゴケ)の学名をH. okamotoi、グラウンドカバーとして栽培されるものを別種ヘミグラフィス・レプタンスH. reptansとする
【H. okamotoiとS. reptansを別種とする文献】
- “Hemigraphis okamotoi”. POWO. 2024年11月5日閲覧。※ 南西諸島と台湾に分布
- “Strobilanthes reptans”. POWO. 2024年11月5日閲覧。※ フィリピン以南に分布
【ヒロハサギゴケとミヤコジマソウを別種とする文献】
- 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
※ ヒロハサギゴケH. reptansとミヤコジマソウH. okamotoiを別種としてそれぞれ記している
【ミヤコジマソウのみを記している文献】
- 邑田仁 著「ミヤコジマソウ」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 2巻、朝日新聞社、東京、1997年、119–120頁。ISBN 9784023800106。
※ 学名H. okamotoi - 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第8巻 ばら科~きつねのまご科』新星図書出版、1989年、238頁。
※ 学名H. reptans - 環境省 (2020年). “【維管束植物】環境省レッドリスト2020”. p. 71. 2024年11月5日閲覧。
※ 学名H. okamotoi - 宮古島市 (2012年). “宮古島市指定天然記念物(植物)ミヤコジマソウ”. 2024年11月5日閲覧。
※ 学名H. okamotoi
【その他】
- Moylan, Elizabeth C; Bennett, Jonathan R; Carine, Mark A; Olmstead, Richard G; Scotland, Robert W (2004). “Phylogenetic relationships among Strobilanthes s.l. (Acanthaceae): evidence from ITS nrDNA, trnL-F cpDNA, and morphology” (英語). American Journal of Botany 91 (5): 724–735. doi:10.3732/ajb.91.5.724. PMID 21653427 2024年11月5日閲覧。.
外部リンク
[編集]- ミヤコジマソウ (ヒロハサギゴケ) 山科植物資料館 ※ 学名S. reptans
- ミヤコジマソウ(別名ヒロハサギゴケ) ※ 学名S. okamotoi
- ヒロハサギゴケ、別名ミヤコジマソウ サラノキの森
- ミヤコジマソウ(別名ヒロハサギゴケ) 四季の山野草 ※ 学名H. reptans
- ミヤコジマソウ(宮古島草)ヒロハサギゴケ ※ 学名H. okamotoi