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ビンズイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビンズイ
ビンズイ Anthus hodgsoni
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: セキレイ科 Motacillidae
: タヒバリ属 Anthus
: ビンズイ A. hodgsoni
学名
Anthus hodgsoni
Richmond, 1907
和名
ビンズイ
英名
Olive-backed Pipit

ビンズイ(便追、木鷚[1]学名: Anthus hodgsoni)は、スズメ目セキレイ科に分類される鳥類の一種である。別名キヒバリ(木雲雀)[2]。一般的な英名はOlive-backed Pipitだが、Indian Tree Pipit または Hodgson's Tree Pipitと呼ばれることもある。Tree Pipitはヨーロッパビンズイをさす言葉だが、見た目が酷似しているのでそう呼ばれる。良い声でさえずる。

分布

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西シベリアからロシア極東、サハリン、朝鮮半島、中国東北部にかけてとヒマラヤ付近で繁殖し、冬季はインドや東南アジア、フィリピン、台湾などの温暖な地域に渡り越冬する。

日本には漂鳥または夏鳥として四国以北の山地で繁殖し、冬は暖地に移動する。西日本での繁殖は局地的である。北海道や本州北部では平地でも繁殖する。

形態

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体長15-16cm、体重19-26g。雌雄同色である。夏羽の成鳥は頭頂から背中にかけて緑褐色。体下面は白色で脇や胸は黄色みを帯びる。頭や胸などに暗褐色の斑があり、背面にも不明瞭な斑がある。暗褐色の細い過眼線がある。後趾の爪は短く湾曲している。冬羽は中雨覆先端や脇、胸などの黄色味が強い。

生態

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繁殖期は、低山から亜高山の林、林縁、木の疎らに生えた草原などに生息する。非繁殖期は低地の松林で観察されることが多い。繁殖期は縄張りを形成する。非繁殖期は小群で生活する。

繁殖期の主食は昆虫類やクモ類で、非繁殖期は植物の種子などが主食になる。主に地上で採食する。

繁殖形態は卵生。年2回繁殖することが多い。草地、崖、土手の窪みに草の茎などを用いて椀形のを作り、5-8月に3-5個の卵を産む。卵は暗い茶色で黒っぽい斑点がある。抱卵期間は12-13日で、雌または雌雄協同で抱卵する。雛は約10日で巣立ちする。

歩きながら尾をよく縦に振る。

亜種

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以下の2亜種に分類される。

  • ビンズイ A. h. hodgsoni

 基亜種

  • カラフトビンズイ A. h. yunnanensis 

 ビンズイに比べて黒っぽさが少なく、上一面がオリーブ色に見える。

類似種との識別

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  • ヨーロッパビンズイとの識別はとても困難である。見分ける点は、ヨーロッパビンズイの体上面は緑色みが乏しく、明瞭な縦斑がある所である。また胸の斑もビンズイに比べて小さめである。
  • ムネアカタヒバリAnthus cervinus)には体上面の緑みがなく、胸が赤っぽい。背中の斑も明瞭である。地鳴きも異なる。
  • タヒバリAnthus rubescens)にも似るが、眼の後方に薄い褐色の斑、その下方に黒斑があることで見分けられる。地鳴きも異なる。

脚注

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  1. ^ 松村明 編「びんずい(便追・木鷚)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  2. ^ 松村明 編「きひばり(木雲雀)」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 

参考文献

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関連項目

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