コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ピット (カードゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピット(Pit)
ピット(Pit)の箱とカード
販売元 ハズブロ
期間 1904年
ジャンル カード交換ゲーム
プレイ人数 3~8人
準備時間 1~2分
プレイ時間 1ラウンドに付き、平均10分程度。数ラウンド(目安として3ラウンド以上)行う。
運要素 高(カード取引、相手のカードが見えない交換)
必要技能 持ち札の管理、取引の作戦

ピットPit)は、商品農産物鉱物)の入札のための立ち会い取引をモデルにした、3~8人で遊ぶ非常にテンポの速いカードゲームである。このゲームはパーカー・ブラザーズによって発明され、1904年に最初に発売された。このゲームで有名なバージョンの物としては、心霊診断家としての名声を高めることになった[1]エドガー・ケイシーが発明した物である[2] 。「The Pit」の名で知られるシカゴ商品取引所フィラデルフィアフィラデルフィアとうもろこし取引所英語版、それに商売的に成功した有名なゲームであるGavitt's Stock Exchange[3]から発想を得た。Billionaire, Business, Cambio, Deluxe Pit, Quick 7,Zaster等の名前で、販売されている[1]

ゲームの内容

[編集]

1セット(箱1つ)に対し、8つの異なった種類の商品が書かれた物が9枚ずつ入った、74枚のカードで構成されている。商品の種類は様々なゲームの種類において異なっているが、近年最も遊ばれているバージョンに使われている物としては、大麦,トウモロコシ,コーヒー豆,オレンジ,カラスムギ,大豆,砂糖そして小麦が挙げられる。古典的なバージョンでは、亜麻,干し草,カラスムギ,ライ麦,トウモロコシ,大麦そして小麦である。

そして、大抵は2枚の特別なカードが含まれており、がこれらにあたる(番犬農夫など他のバージョンの物もある)。これらのカードは、オプション的な位置づけである。

1970年代になると、取引を開始する際に使用するベルを含んだバージョンが出るようになった。商品を9枚揃えて、最初にあがったプレイヤーがベルを鳴らすようになったのもこの頃からである[1]

遊び方

[編集]

どのラウンドにおいても、プレイヤーの人数に対して含まれる商品の数は同じである。どのプレイヤーも9枚のカードが配られるが、2人のプレイヤーに対しては、牛か熊が含まれた10枚のカードを持つ事になる。

ピットにはターンがなく、どのプレイヤーも同時にプレーをする。プレイヤーは、相手のカードを見ることなく、他の1人のプレイヤーと1~4枚のカードを相手と同じ枚数分だけ交換する。取引のプロセスは、あるプレイヤーが交換したいカードの枚数を、他のプレイヤーが同数分のカードと提示するまで、叫ぶ事を含んでいる。カードを交換する2人のプレイヤーは、カードの表を伏せて交換する。

9枚同じ商品が揃ったプレイヤーが出ると、そのプレイヤーは「(○○〔商品名〕を)買い占めた!」と宣言して、商品に書かれた数字の分だけ得点を獲得し、1ラウンドが終了する(特別なバージョンのゲームでは、宣言する代わりにベルを鳴らすこともある)。

牛と熊のカード、ゲームの終了

[編集]

牛のカードは、ワイルドカードと見なされ、他の9枚のカードと一緒にあがることが出来る。もしあるプレイヤーが1つの商品を9枚と牛のカードを持ってあがった時には、そのラウンドにおいて、そのプレイヤーはあがった商品に書かれた数字の2倍の得点を獲得できる。

熊のカードは、持っているとあがることが出来ない(言わば「お邪魔カード」である)。ラウンド終了時に、熊のカードを持っているか、他のプレイヤーがあがった時に牛のカードを持っていると、そのプレイヤーは20点だけ減点される。

ゲームの終了は、あらかじめ決められたラウンド数を終了した時(この場合は最も多くの得点を獲得したプレイヤーが勝利)か、あるプレイヤーがあらかじめ決められた得点(250点や500点が多い)に最初に達した時(この場合は最初に所定の得点に達したプレイヤーが勝利)である。

カードの種類

[編集]

オリジナルバージョンでは7種類の商品で構成されている。

商品名 得点
小麦 100
大麦 85
トウモロコシ 75
ライ麦 70
カラスムギ 60
干し草 50
亜麻 40

より新しいバージョンでは7か8種類の商品が含まれており、亜麻・干し草・ライ麦の代わりに、オレンジ・コーヒー豆・砂糖・大豆が入っている。

商品名 得点
小麦 100
大麦 85
コーヒー豆 80
トウモロコシ 75
砂糖 65
カラスムギ 60
大豆 55
オレンジ 50

最初の発売(1904年)から100周年に当たる2004年に発売された「100周年記念バージョン」では、オリジナルバージョンから一新して、より現代化された8種類の商品で構成されている。

商品名 得点
ココア豆 100
白金 85
80
[4] 75
石油 65
60
55
ガス 50

脚注

[編集]
  1. ^ a b c History of Pit at boardgamegeek.com. Accessed August 2007
  2. ^ Bro, Harmon (1997年). A Seer out of Season. New York: St. Martin's. p. 305. ISBN 0-312-95988-5  citing article “The Pit: Copies of Game Invented by Bowling Green Man Received Here”. Bowling Green Times Journal. (1904年) 
  3. ^ 1903年カンザス州トピカで、Harry E. Gavittによって発明され、2004年アウト・オブ・ザ・パブリシング社英語版により正真正銘のお宝バージョンとして復刻された。
  4. ^ この場合、ワイルドカードである牛のカードは、他のカードになっている。

外部リンク

[編集]