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ピラジン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピラジン酸
Pyrazinoic acid
Skeletal formula of pyrazinoic acid Space-filling model of the pyrazinoic acid molecule
識別情報
CAS登録番号 98-97-5 チェック
PubChem 1047
ChemSpider 1018 チェック
MeSH Pyrazinoic+acid
ChEBI
ChEMBL CHEMBL613 チェック
特性
化学式 C5H4N2O2
モル質量 124.1 g mol−1
外観 白色ないしごく薄い黄色の結晶または粉末[2]
匂い 無臭[1]
密度 1.403g/cm3
融点

222 - 225℃

沸点

313.1 °C, 586 K, 596 °F (at 760 mmHg)

への溶解度 冷水に可溶
酸解離定数 pKa 2.9
危険性
引火点 143.1 °C (289.6 °F; 416.2 K)
関連する物質
関連物質 ピラジン
ニコチン酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ピラジン酸(ピラジンさん、: Pyrazinoic acid)は、ピラジン環にカルボキシ基が一つ結合した有機化合物である。ピラジンカルボン酸とも称する[2]

性質

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コーヒーなどの香り成分として含まれるメチルピラジン類が体内で代謝されるとピラジン酸が生じる。この物質はピリジン環にカルボキシ基が結合したニコチン酸に構造及び作用が類似する。いずれも内臓脂肪中のHM74受容体に作用し、血中脂肪酸を低下させる[1][3] 。抗炎症作用、血液の凝固を抑制する作用もあり、糖尿病による血管病変を防ぐ効果もある[1][4]

ピラジン酸誘導体は、ファルマシア社(現 ファイザー)による脂質降下薬アシピモックス英語版」(日本未発売)、抗結核薬の「ピラジナミド」に応用されている[1]

脚注

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  1. ^ a b c d (岡 2007, pp. 84–88)
  2. ^ a b ピラジンカルボン酸”. 東京化成工業. 2017年9月10日閲覧。
  3. ^ S. Offermanns. The nicotinoic acid receptor GPR109A (HM74A or PUMA-G) as a new therapeutic target. TRENDS Pharmacol.Sci. 27:389-90,2006.
  4. ^ C.D.Meyers, et al. Niacin therapy in atherosclerosis. Curr. Opin. Lipidol. 15:659-65,2004

参考文献

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  • 岡希太郎『珈琲一杯の薬理学』医薬経済社、2007年5月24日。ISBN 978-4-902968-14-9