ピラジン酸
表示
ピラジン酸 Pyrazinoic acid | |
---|---|
pyrazine-2-carboxylic acid | |
別称 ピラジンカルボン酸 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 98-97-5 |
PubChem | 1047 |
ChemSpider | 1018 |
MeSH | Pyrazinoic+acid |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL613 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | C5H4N2O2 |
モル質量 | 124.1 g mol−1 |
外観 | 白色ないしごく薄い黄色の結晶または粉末[2] |
匂い | 無臭[1] |
密度 | 1.403g/cm3 |
融点 |
222 - 225℃ |
沸点 |
313.1 °C, 586 K, 596 °F (at 760 mmHg) |
水への溶解度 | 冷水に可溶 |
酸解離定数 pKa | 2.9 |
危険性 | |
引火点 | 143.1 °C (289.6 °F; 416.2 K) |
関連する物質 | |
関連物質 | ピラジン ニコチン酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピラジン酸(ピラジンさん、英: Pyrazinoic acid)は、ピラジン環にカルボキシ基が一つ結合した有機化合物である。ピラジンカルボン酸とも称する[2]。
性質
[編集]コーヒーなどの香り成分として含まれるメチルピラジン類が体内で代謝されるとピラジン酸が生じる。この物質はピリジン環にカルボキシ基が結合したニコチン酸に構造及び作用が類似する。いずれも内臓脂肪中のHM74受容体に作用し、血中脂肪酸を低下させる[1][3] 。抗炎症作用、血液の凝固を抑制する作用もあり、糖尿病による血管病変を防ぐ効果もある[1][4]。
ピラジン酸誘導体は、ファルマシア社(現 ファイザー)による脂質降下薬「アシピモックス」(日本未発売)、抗結核薬の「ピラジナミド」に応用されている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d (岡 2007, pp. 84–88)
- ^ a b “ピラジンカルボン酸”. 東京化成工業. 2017年9月10日閲覧。
- ^ S. Offermanns. The nicotinoic acid receptor GPR109A (HM74A or PUMA-G) as a new therapeutic target. TRENDS Pharmacol.Sci. 27:389-90,2006.
- ^ C.D.Meyers, et al. Niacin therapy in atherosclerosis. Curr. Opin. Lipidol. 15:659-65,2004
参考文献
[編集]- 岡希太郎『珈琲一杯の薬理学』医薬経済社、2007年5月24日。ISBN 978-4-902968-14-9。