ピリミスルファン
ピリミスルファン pyrimisulfan[1] | |
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:(RS)-2’-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル]-1,1-ジフルオロ-6’-(メトキシメチル)メタンスルホンアニリド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 221205-90-9 |
特性 | |
化学式 | C16H19F2N3O6S |
モル質量 | 419.4 g mol−1 |
外観 | 白色の粒状結晶 |
匂い | 無臭 |
密度 | 1.48 g/cm3 |
融点 |
98.8 °C, 372 K, 210 °F |
沸点 |
(220℃付近で分解) |
水への溶解度 | 8.93×104μg/L(20℃、純水) |
有機溶媒への溶解度 | アセトンに可溶、エタノールにはほとんど溶けない[2] |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 300~2000mg/kg(ラット、経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ピリミスルファン(英: pyrimisulfan)は、スルホンアニリド系の除草剤の一つである。分子式はC16H19F2N3O6S。IUPAC命名法では:(RS)-2’-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)(ヒドロキシ)メチル]-1,1-ジフルオロ-6’-(メトキシメチル)メタンスルホンアニリド 、CAS命名法ではN-[2-[(4,6-ジメトキシ-2-ピリミジニル)ヒドロキシメチル]-6-(メトキシメチル)フェニル]-1,1-ジフルオロメタンスルホンアミドと表記される[3]。
効能
[編集]クミアイ化学工業、イハラケミカル工業、ケイ・アイ研究所が共同開発した除草剤で、2007年3月に農薬取締法に基づく農薬登録を取得した[4]。根部あるいは茎葉基部から吸収され、分枝鎖アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンを合成する酵素であるアセトラクテートシンターゼ(ALS)を阻害する。本剤はイネの生体内では速やかに分解する。スルホニルウレア系除草剤と同様の作用機序を有するが、立体構造上、ALSとの結合様式が異なることから、スルホニルウレア剤に薬剤耐性のできた雑草に対しても効果を示す[5]。ノビエをはじめとする一年生雑草や多年生雑草に対し効果があり、クミアイ化学からは水田向けの単剤「ベストパートナー」、オキサジクロメホンとの混合剤「マイウェイ」、フェントラザミドとの混合剤「ヤイバ」などが販売されている。日本農薬からは、メフェナセットの混合剤「ムソウ」が販売されている[6]。
脚注
[編集]- ^ “水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料 ピリミスルファン” (PDF). 環境省. 2018年2月13日閲覧。
- ^ “ピリミスルファン標準品”. 和光純薬工業. 2018年2月13日閲覧。
- ^ “農薬評価書 ピリミスルファン” (PDF). 食品安全委員会 (2009年8月). 2018年2月13日閲覧。
- ^ 『新規水稲用除草剤「ピリミスルファン」の開発について』(PDF)(プレスリリース)クミアイ化学工業、2008年6月10日 。2018年2月13日閲覧。
- ^ 「新規水稲用除草剤 ピリミスルファン」(PDF)『雑草と作物の制御』第9巻、日本植物調節剤研究協会、2013年、38-41頁、2018年2月13日閲覧。
- ^ “自社開発新規除草剤「ピリミスルファン」剤上市へ クミアイ化学工業”. 農業協同組合新聞. (2010年11月17日) 2018年2月13日閲覧。