ピンボール (任天堂)
ジャンル | コンピュータピンボール |
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対応機種 |
ファミリーコンピュータ (FC) 対応機種一覧
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開発元 |
任天堂研究開発2 ハル研究所 |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー |
山内溥(エグゼクティブプロデューサー) 上村雅之 |
ディレクター | 三木研次 |
デザイナー | 宮本茂 |
プログラマー |
松岡聡 岩田聡 |
音楽 | 兼岡行男 |
美術 | 杉山直 |
人数 | 1 - 2人用(交互プレイ) |
メディア | 192キロビットロムカセット[1] |
発売日 |
1984年2月2日 1985年10月18日 1986年9月1日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) PEGI:3 |
売上本数 | 185万本[2] |
その他 |
型式: HVC-PN NES-PN-USA |
『ピンボール』 (Pinball) は、1984年2月2日にファミリーコンピュータ (FC) 用ゲームとして、任天堂より発売されたピンボールゲームである。アーケード版(任天堂VS.システム)も存在した。FC版は2006年12月よりWiiのバーチャルコンソールで、2013年10月よりWii Uのバーチャルコンソールで配信している。
また、本作発売以前にゲーム&ウオッチとしても発売されている(後述)。
2019年8月30日に、Nintendo Switchにアーケードアーカイブスとしてアーケード版ピンボールが配信開始。
ゲーム内容
[編集]上下2画面(フリッパーは各画面に1対ずつ)に分割されたシンプルなピンボールゲームで、ボールの位置によって画面は随時切り替わる。ボールの挙動や不可視になるフリッパー(10万点から15万点までの間)など、シミュレーターよりもゲーム性に重点を置いたつくりになっている。また、アップポストやストッパーによる救済措置など、初心者への配慮も見られる。GAME AとGAME Bがあり、後者はボールの動きが多少速い。2 PLAYERの場合は交互プレーになる。
- アップポストとストッパー
- 上画面のフリッパー部分のアップポストはスロットマシン(3、7、ペンギンのいずれか)を揃えると現れるが、短時間で消える。下画面ではトランプが5枚配置されており、すべてめくるとフリッパーの隙間にアップポストが現れる。こちらはミスするまで消えない強力な武器となる。また下画面のフリッパー近くにはボールが通過するたびに無→卵→ヒヨコ→無…と変化するシンボルが3つあり、ヒヨコを3つ同時に出現させると左右のアウトレーンにそれぞれストッパーが現れる。こちらも時間制限は無いが、ボールが1回当たるとそれぞれ消える。なおフリッパーを通らずに上画面と下画面を直接つなぐレーンにはアップポストやストッパーが用意されていない。
- ボーナスステージ
- 下画面の特定の穴にボールが入ると第3の画面であるボーナスステージに移行する。そこではマリオとレディ(ポリーン)が登場。(板のような)床を掲げてブロックくずし風にボールを操作、ボールがビンゴランプの上を通過するたびにランプの色が変化、ランプの色の縦一列が揃うたびに上に幽閉されているレディ(ポリーン)の足場が失われていき、最終的には落ちてきたレディ(ポリーン)を受け止めて脱出させ、ボーナス得点となる。逆に受け止められないとミスとなり、ボールを1個失う。一方でボールを受け返せずに落とした場合はミスにはならず、ピンボールの上画面にボールが戻って続行する。
- その他
- ちなみに、スタートボタンを押しながら電源を入れるといきなりゲームが始まる。ゲームオーバーになると画面がバグるが、特に問題はない。また、ROMカセット版はRAMにコピーして実行するとフリッパーがランダムに動いてプレイできなくなるというコピー保護機構があった。
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
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1 | VS.ピンボール | 1984年8月 |
アーケード | ハル研究所 | 任天堂レジャーシステム | 業務用基板 | - | - | 任天堂VS.システム対応 |
2 | ピンボール | 1989年5月30日 |
ディスクシステム | ハル研究所 | 任天堂 | ディスクカード片面 | FMC-PND | - | 書き換え専用 |
3 | どうぶつの森 | 2001年4月14日 |
NINTENDO64 | 任天堂情報開発部 | 任天堂 | 128メガビットロムカセット | NUS-NAFJ-JPN | 約26万本 | FC版がミニゲームとして収録。ゲーム内のアイテム「ファミコン家具」でプレイ可能。 |
4 | Pinball-e | 2002年9月16日 |
ゲームボーイアドバンス | 任天堂 | 任天堂 | ロムカセット | - | - | |
5 | ピンボール | 2006年11月19日 2006年12月2日 2006年12月15日 |
Wii | ハル研究所 | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | - | |
6 | ピンボール | 2013年10月23日 2013年10月24日 |
Wii U | ハル研究所 | 任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | - | |
7 | ピンボール | 2019年8月30日[3] |
Nintendo Switch | ハル研究所 | ハムスター | ダウンロード (アーケードアーカイブス) |
- | - | アーケード版の移植 |
8 | ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online |
2022年5月27日 2022年5月27日[4][5][6][7] |
Nintendo Switch | 任天堂 | 任天堂 | ダウンロード | - | - |
アーケード版
[編集]任天堂VS.システムにて『VS.ピンボール』としてリリース。ゲーム中に音楽が流れる等一部変更点がある。
開発
[編集]プログラミングは、後に東工大や理研を歴任する科学者となる松岡聡と、後の任天堂社長岩田聡らが担当[8][9]。松岡聡が全体の制御ロジックと物理シミュレーション、岩田聡がグラフィックス関係を担当した。
スタッフ
[編集]評価
[編集]評価 | ||||||||||||
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ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「テーブルゲームソフトの元祖」、「誰でも遊べる反面、BGMがなく、何となく暗いといった感じはするが、初期のゲームの1つなのでそれはしかたがないであろう」と紹介されている[1]。
ゲーム&ウオッチ版
[編集]ジャンル | コンピュータピンボール |
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対応機種 | ゲーム&ウオッチ |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
人数 | 1人 |
メディア | 内蔵ゲーム |
発売日 |
1983年12月5日 |
1983年12月5日、1983年12月にゲーム&ウオッチのマルチスクリーンとして、任天堂より発売された。
マルチスクリーンによる、上下2画面に分割されたシンプルなピンボールゲーム。他のゲーム&ウオッチのゲームと異なり、最高得点は99万9900点である。
「GAME A」では、最初から3つのボールでプレーする。「GAME B」では、最初は1つのボールでスタートするが、スコアが1万点になるとボールが1つ増えて(以降、3万点、5万点というように、1万点×奇数になるたびボールが増える)、最大3つのボールを同時に操作することが可能となる。
関連項目
[編集]- ローラーボール - ハル研究所が1984年に発売した、MSX用ピンボールゲーム。1988年にはファミコン版も発売された。2画面スクロールなどの共通点がある。このピンボールのエンジンを移植するところから開発されたもの。こちらには松岡聡を始めとするハル研のスタッフおよびKimuchi Brothersのクレジットがタイトル画面にある。
- まわるメイドインワリオ(2004年) - FC版のボーナスステージをモチーフにしたプチゲーム「ピンボール」。
脚注
[編集]- ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、330頁。
- ^ 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5
- ^ “『アーケードアーカイブス ピンボール』8月30日配信決定! さまざまな仕掛けを利用し、ボールを落とさずポイントを稼ぎまくれ” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2019年8月28日). 2022年5月27日閲覧。
- ^ “【5月27日追加】『ファミリーコンピュータ&スーパーファミコン Nintendo Switch Online』追加タイトルが配信開始。” (日本語). 任天堂 (2022年5月27日). 2022年5月27日閲覧。
- ^ “『海腹川背』『ラッシング・ビート』『ピンボール』の3タイトルが、本日(5月27日)から“Nintendo Switch Online”に追加” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2022年5月27日). 2022年5月27日閲覧。
- ^ 屋敷悠太 (2022年5月27日). “「海腹川背」他2タイトルが追加! Nintendo Switch Online、ファミコン&スーファミにて” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2022年5月27日閲覧。
- ^ tnhr (2022年5月27日). “『ファミコン&スーファミ Nintendo Switch Online』に本日5月27日から『海腹川背』、『ラッシング・ビート』、『ピンボール』の3タイトルが追加” (日本語). 電ファミニコゲーマー. Mare. 2022年5月27日閲覧。
- ^ 「「富岳」の原点ファミコンにあり 40年前、名作「ピンボール」を開発 理研センター長」『神戸新聞』2021年8月18日。2024年7月29日閲覧。
- ^ “「メトロイドプライム ピンボール」開発スタッフインタビュー”. Nintendo Online Magazine (2006年2月). 2012年2月5日閲覧。
- ^ “Pinball for NES (1984)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月6日閲覧。
- ^ a b c “Pinball for Wii (2006)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- ピンボール - Wiiバーチャルコンソール
- ピンボール - Wii Uバーチャルコンソール
- アーケードアーカイブス ピンボール - ハムスター公式
- Pinball - MobyGames