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ドンキーコングJR.

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドンキーコングJR.
Donkey Kong Jr.
ジャンル 固定画面アクション
対応機種 アーケード (AC)
開発元 任天堂
岩崎技研工業[1]
運営元 任天堂レジャーシステム
プロデューサー 横井軍平
岡田智
ディレクター 宮本茂
音楽 兼岡行男
美術 宮本茂
坂本賀勇
シリーズ ドンキーコングシリーズ
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板
(44.75キロバイト
稼働時期 日本 198206301982年6月30日
アメリカ合衆国 198206301982年6月30日
ヨーロッパ 1982年
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
ヨーロッパ PEGI3
デバイス 4方向レバー
1ボタン
CPU Z80 (@ 3.072 MHz)
サウンド I8035 (@ 400 kHz)
DAC
ディスクリート
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
256×224ピクセル
60.61Hz
パレット521色
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ドンキーコングJR.』(ドンキーコングジュニア、DONKEY KONG JR.)は、1982年に稼働した任天堂アーケードゲーム。なお、アーケード版と一部の海外版では『DONKEY KONG JUNIOR』と表記されている。

概要

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マリオによって檻に幽閉されたドンキーコング[注釈 1]を、息子のドンキーコングジュニア[注釈 2]が助けに向かう、一画面固定アクションゲーム。

ゲーム内容

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4面を1周として構成されており、4面をクリアすると難易度が上がった1面からまた始まるループ制。

ジャンプがメインの前作と異なり、ツルを上り下りするアクションが特徴的。ツルを上るときは2本のツルを両手でつかむことで速く上昇し、下りるときは1本のツルにしがみつくことで一気に下降することができる。ジュニアの唯一の武器となるステージの各所に配置されている果物を、上手く使って攻略していく。4面は鍵を押し上げてパパコングの閉じ込められた檻を開けるステージになっている。

ミスになると、目玉が左右交互に大きくなり、両手をバタバタさせながら絶叫する。その後、左目のみ大きくなり両手を平行にしたまま画面下へ落下しフェードアウトする(落下しない場合がある)。

前作と同様にレベル22はボーナスポイントが400(4カウント分)減っただけでミスとなる。

登場キャラクター

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ジュニア
主人公(プレイヤーキャラクター)。前作の悪役であったドンキーコングの息子。
パパ / ドンキーコング
本作での救出対象であり、前作でのレディ(ポリーン)の役目にあたる。
マリオ
前作の主人公で、本作の悪役。今作から個人名が付けられた。常にを持っており、鞭を叩いて敵キャラクターをジュニアに突撃させる。
アーケード版では2人のマリオがドンキーコングを搬送する開始デモが存在する。このうちの片方が後のルイージなのかは明言されていない。
スナップジョー
1面と4面の敵キャラクター。赤色もしくは青色[注釈 3]の機械ワニ
後に『スーパードンキーコング2』で同名の敵キャラクターが登場しているが、本作のものとは無関係である。
ニットピッカー
2面と4面の敵キャラクター。2面ではワシの姿で、飛行する際にを投下する。4面ではカラスの姿で登場。
スパーク
3面の敵キャラクター。オレンジ色もしくは青色の電気物体で、それぞれ姿が異なる。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 DONKEY KONG JUNIOR ヨーロッパ 1982年
Atari 2600 コレコ コレコ ロムカセット - -
2 DONKEY KONG JUNIOR アメリカ合衆国 1983年
インテレビジョン
コレコビジョン
コレコ コレコ ロムカセット - -
3 ドンキーコングJR. 日本 198307151983年7月15日
ヨーロッパ 198706151987年6月15日
ファミリーコンピュータ 任天堂開発第二部
SRD
任天堂 192キロビットロムカセット[2] 日本 HVC-JR
ヨーロッパ NES-JR-EEC
世界 111万本[3]
4 DONKEY KONG JUNIOR ヨーロッパ 1984年
BBC Micro - - - - -
5 ドンキーコングJR. 日本 198807191988年7月19日
ディスクシステム 任天堂
SRD
任天堂 ディスクカード FMC-JRD -
6 Donkey Kong Classics ヨーロッパ 198908101989年8月10日
NES 任天堂
SRD
任天堂 ロムカセット NES-DJ-EEC -
7 DONKEY KONG JUNIOR アメリカ合衆国 200209162002年9月16日
カードe - 任天堂 カード - -
8 ドンキーコングJR. 日本 200612022006年12月2日
アメリカ合衆国 200612042006年12月4日
ヨーロッパ 200612222006年12月22日
Wii - 任天堂 ダウンロード
バーチャルコンソール
日本 FABJ
アメリカ合衆国 FABE
ヨーロッパ FABP
- ファミリーコンピュータ版の移植
9 ドンキーコングJR. 日本 201204182012年4月18日
アメリカ合衆国 201206142012年6月14日
ヨーロッパ 201208232012年8月23日
ニンテンドー3DS - 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
日本 TAKJ
アメリカ合衆国 TAKE
ヨーロッパ TAKP
- ファミリーコンピュータ版の移植
10 ドンキーコングJR. ヨーロッパ 201304272013年4月27日
日本 201307152013年7月15日
Wii U - 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
日本 FAWJ
アメリカ合衆国 FAWE
ヨーロッパ FAWP
- ファミリーコンピュータ版の移植
11 ドンキーコングJR. 日本 201812212018年12月21日
Nintendo Switch - ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
- - アーケード版の移植
12 ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online 日本 201905152019年5月15日
アメリカ合衆国 201905152019年5月15日
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード - - ファミリーコンピュータ版の移植
コレコビジョン版
  • ファミコン版でいう1面、4面、1面、2面、4面の計5面で構成されている。
ファミリーコンピュータ版
  • どうぶつの森+』(2001年)、『どうぶつの森e+』(2003年)の「ファミコン家具」としても登場している。
  • ファミリーコンピュータへの移植の際に1面カットされた『ドンキーコング』とは異なり、本作品の移植版は削られることはなかった。ただし、以下の部分がアーケード版と異なる。
    • デモ画面(搬送シーン)
    • 檻に閉じ込められているドンキーコングが両手足を動かる仕草が無く、また両手足に嵌められている手足枷が無い。
    • 1面で青のスナップジョーが水面に潜る際に生じる水しぶきが無い。
    • 2面でニットピッカーが投下する卵が地面に落ちる際、卵が真っ二つに割れるシーンが無い。
  • ファミリーコンピュータ版ドンキーコングではレベル133で残りタイムが400になり25mから先には進めなくなるが、本作品では9000になり、本来1000を切ってから流れるはずの残り時間警告音が最初から鳴り続ける。次のレベル134では初期タイムが"E800"と表示され、ここでも最初から時間警告音が鳴り続けるがクリアは可能。ところが、レベル134をクリアしてレベル135になるとフリーズしてしまい、リセットするしかなくなる。
C1同梱版

シャープより発売されていたファミコン内蔵テレビC1の同梱ソフト(非売品)。ロムのラベルには、

[1]ドンキーコングJR.
[2]JR.算数レッスン

と表記されている。

ドンキーコングJR.(1面と4面だけの2ステージ構成で難易度選択は無い)とドンキーコングJR.の算数遊びの一部(「+-×÷EXERCISE」に相当)が収録されている。

音楽

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サウンドトラック

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ファミコン・ミュージック(1986年5月25日)
G.M.O.レコードより発売されたアルバム内の一作品として収録されている。
ファミコン 20TH アニバーサリー オリジナル・サウンド・トラックス VOL.1(2004年1月7日)
サイトロン・デジタルコンテンツより発売されたCD内の一作品として収録されている。

スタッフ

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アーケード版
  • スタッフ:山本雅央、西澤健治、MASAYOSHI.O、H.HOSHINO
  • ゲームデザイン:宮本茂
  • グラフィックデザイン:宮本茂、坂本賀勇
  • プログラム:緒方旗生(岩崎技研工業)
  • サウンド・デザイン:兼岡行男、田中宏和
  • プロデューサー:横井軍平岡田智
  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
ファミリーコンピュータ版
  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
  • プロデューサー:上村雅之
  • プログラム:中郷俊彦
  • サウンド:兼岡行男、田中宏和

ゲーム&ウオッチ版

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テーブルトップ版

本作は、ゲーム&ウオッチにも何度か移植されている。

  • 1982年10月26日 『ドンキーコングJR.』(ニューワイドスクリーン)
  • 1983年3月7日 『ドンキーコング2』(マルチスクリーン)
  • 1983年4月28日 『ドンキーコングJR.』(テーブルトップ)
  • 1983年10月7日 『ドンキーコングJR.』(パノラマスクリーン)

ゲーム&ウオッチ版『ドンキーコングJR.』はアーケード版の1・2面をモチーフに、『ドンキーコング2』は3・4面をモチーフにしている。

以上のほかに、日本国外ではミニクラシックスでも発売された。

また、『ゲームボーイギャラリー3』には『JR.』と『2』が、『ゲームボーイギャラリー4』(GBA版は日本未発売、後にVC配信)には『JR.』がそれぞれ収録されている。

2009年8月19日よりニンテンドーDSiウェアとしてニューワイドスクリーンの移植版が配信されている。

コピー品による訴訟

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前作『ドンキーコング』のクローンである『クレイジーコング』を製造した株式会社ファルコンは任天堂から許諾を得ていたが、契約違反をしていたことから任天堂より訴訟を起こされていた[4]

任天堂はコピー品が氾濫している現状を考え、本作においては他社への製造許諾をせず、また基板販売もせず、本体販売のみを進める方針を採用していた[5]。しかしファルコンは本作に関してもコピー品である『クレイジーコングJR.』を製造していた[6]。この製造にあたっては、1982年9月に任天堂から他のコピーヤーによる案件を含めて刑事告訴され、捜査の末に1983年1月に当時の社長を含む2人が著作権法違反容疑で逮捕される事態となった[6]。ビデオゲームの無断コピーによる逮捕者は日本では初の事例であった[6]。これらの事件については1983年5月から公判が開かれ、1990年3月に大阪地裁において有罪判決が言い渡されている[7][8]

脚注

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注釈

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  1. ^ 本作では主に「パパ」と表記されている。
  2. ^ 本作では「ジュニア」と表記されている。
  3. ^ 1面のみ登場。

出典

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  1. ^ 元任天堂・岡田 智氏の独立独歩 前編  “技術的に不可能”を覆したゲーム&ウオッチ「ビデオゲームの語り部たち」:第27部”. 4Gamer.net (2022年3月28日). 2023年2月9日閲覧。
  2. ^ 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、33頁。 
  3. ^ 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5 
  4. ^ クレイジーコング製販 禁止仮処分 任天堂、ファルコンに対し闘う」『ゲームマシン』第194号(アミューズメント通信社)1982年8月15日、2面。2024年9月21日閲覧。
  5. ^ 独自の販売方針発表 任天堂、「ドンキーコングジュニア」発表会で」『ゲームマシン』第195号、アミューズメント通信社、1982年9月1日、4面。2024年9月21日閲覧。
  6. ^ a b c コピーヤーに刑事責任 TVゲームのコピーヤーら3名逮捕」『ゲームマシン』第206号、アミューズメント通信社、1983年2月15日、1面。
  7. ^ ドンキーコングジュニア 無断複製事件判決(要旨)」『ゲームマシン』第379号、アミューズメント通信社、1990年5月1日、12-14面、20-23面。
  8. ^ 「ドンキーコング・ジュニア」コピー刑事事件 7年目の有罪判決」『ゲームマシン』第378号、アミューズメント通信社、1990年4月15日、1面。

関連項目

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外部リンク

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