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スーパーマリオカート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マリオシリーズ > マリオカートシリーズ > スーパーマリオカート
スーパーマリオカート
Super Mario Kart
ジャンル レースゲーム
対応機種 スーパーファミコン(SFC)
開発元 任天堂情報開発本部
発売元 任天堂
販売元 任天堂
プロデューサー 山内溥(エグゼクティブプロデューサー)
宮本茂
ディレクター 杉山直
紺野秀樹
プログラマー 木村雅人
矢嶋肇
山本健二
音楽 岡素世
阪東太郎
美術 杉山直
森直樹
小田部羊一
MIE YOSHIMURA
小泉歓晃
シリーズ マリオカートシリーズ
人数 1 - 2人
メディア 4メガビット+16キロRAMロムカセット[1]
DSP-1チップ搭載
発売日 SFC
日本の旗 1992年8月27日
アメリカ合衆国の旗 1992年9月1日
欧州連合の旗 1993年1月21日
Wii(VC)
日本の旗 2009年6月9日
アメリカ合衆国の旗 2009年11月23日
欧州連合の旗 2010年4月2日
Wii U(VC)
日本の旗 2013年6月19日
アメリカ合衆国の旗 2014年3月27日
欧州連合の旗 2014年8月6日
Newニンテンドー3DS(VC)
欧州連合の旗 2016年3月17日
アメリカ合衆国の旗 2016年3月24日
日本の旗 2016年5月9日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
PEGI3
売上本数 世界の旗 876万本(2022年12月末時点)[2]
日本の旗 382万本(2022年12月末時点)[3]
テンプレートを表示

スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)は、任天堂が1992年8月27日に発売したスーパーファミコンゲームソフトマリオシリーズに登場するキャラクターがカートに乗ってレースやバトルを行うマリオカートシリーズの1作目。

本作は日本国内におけるスーパーファミコン用ソフトで最高売り上げを記録した[4]

システム

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アクセルやブレーキ[注釈 1]、ハンドル操作のほか、小さくジャンプ(ミニジャンプ)したり、ドリフト走行ができる[5]。また、スタートと同時に急加速する「ロケットスタート」がある[6]

コース中に落ちている「コイン」を拾うとスピードアップするが、「他のカートとの接触」「コースアウト」「アイテム攻撃」などで数枚のコインを失う。コインが無い状態で他のカートと接触すると、カートがスピンして一時的に止まってしまう。

「?マーク(アイテムパネル[7])」を踏むと、ルーレット形式でいずれかの「アイテム」を入手する。相手のカートを妨害する、自分のカートをパワーアップさせるなど、アイテムによって用途が異なる。

本作はシリーズ中唯一、1人プレイでもゲーム中の画面が上下2分割されている。これは2人でプレイすることを重視しているためである[8]

ドライバーは8体から選択可能で、以下の4つのタイプに分かれており、それぞれ最高速度、加速力、コーナリング性能などが異なる。

プレイモード

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マリオカートGP
8台のカートで競争を行い、コースごとの結果を積み重ねて総合優勝を目指す。プレイヤーが選択しなかったドライバーは敵として登場し、それぞれ専用のアイテムで妨害してくる。プレイヤーが4位以内でゴールすれば次のコースへ進めるが、5位以下だとカートを1つ失い、全て失うとゲームオーバーとなってしまう。
タイムアタック
コースを1台のみで走行し、いかに速くゴールできるかを目指す。完走すると直前の走行の様子をビデオ再生する「リプレイ」コマンドが現れ、条件を満たすとその走り方をそっくり再現する「ゴースト」が次回のタイムアタックから出現する。
VSマッチレース
プレイヤー2台で1つのコースを走り、相手より先にゴールすることを目指す。このモードでは障害物としてコース上にキラー[9]が配置される。
バトルゲーム
専用のコースを走りながら、アイテムを使用した攻撃そのもので勝敗を競う。攻撃を受けるごとに風船が減り、先に相手の風船を全て割ったプレイヤーが勝者となる。

他機種版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 備考
1 スーパーマリオカート 日本 200906092009年6月9日
アメリカ合衆国 200911232009年11月23日
ヨーロッパ 201004022010年4月2日
Wii 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
バーチャルコンソール
2 スーパーマリオカート 日本 201306192013年6月19日
アメリカ合衆国 201403272014年3月27日
ヨーロッパ 201408062014年8月6日
Wii U 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
3 スーパーマリオカート ヨーロッパ 201603172016年3月17日
アメリカ合衆国 201603242016年3月24日
日本 201605092016年5月9日
Newニンテンドー3DS 任天堂情報開発本部 任天堂 ダウンロード
(バーチャルコンソール)
4 ニンテンドークラシックミニ
スーパーファミコン
アメリカ合衆国 201709292017年9月29日
ヨーロッパ 201709292017年9月29日
日本 201710052017年10月5日
- 任天堂 任天堂 内蔵ソフト
5 スーパーファミコン
Nintendo Switch Online
アメリカ合衆国 201909062019年9月6日
日本 2019年9月6日[10]
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード 2021年5月26日に特別版「フルコースでおもてなしバージョン」が配信

開発

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本作は、プロデューサーの宮本茂、ディレクターの杉山直および紺野秀樹ら8人を中心に1年かけて開発された[11]。 本作は「2人用の『F-ZERO』」[注釈 2]を起点として、まず『F-ZERO』のマルチプレイ化の実験が行われたが、ハードの制約上、同作のような長い直線コースを2画面で表示することは不可能であることが判明した[11]。そこで2画面の中に納まるよう、曲がりくねったコースデザインが設計され、必然的に速度の遅いカートレースが題材となった[11]。コース設定に当たってはヤマハリゾート合歓の郷への取材が行われた[11]。また、順位を競うレースのほか、2人で対戦できるコミュニケーションツールとして本作を考えていた紺野は、風船を割るアイデアが出てきたことが、バトルモードになったと述懐している[12]

キャラクターに関しては、初期の段階においてマリオを題材にすることは決まっておらず、運転手はつなぎを着てヘルメットをかぶった男性として描かれていたが、シルエットが共通しているため、後ろ姿での見分けがつかなくなるという欠点が判明した[11]。そこで試しにマリオを乗せてみたところ見分けがつきやすくなったことから、マリオシリーズの世界観を取り入れることが決まった[11]。さらに、マリオとルイージは色で見分けがつくことに加え、多様性を持たせることができるのも、決め手の一つとなった[11]。そして後ろから見た時のわかりやすさを基準に他のキャラクターの選定も行われた[11]。その中でドンキーコングJr.に関して、「Jr.」の方が採用された理由については、杉山と紺野はシャツを着用していることでのデザインのしやすさがあったのではと語っている[11]。一方で宮本は1992年に発売された攻略本のインタビューにて「アーケードゲームとしての『ドンキーコングJR.』が10周年のアニバーサリーであったために起用した」と述べている[11]

初期案におけるCOMキャラクターの妨害アイテムは運転手に合わせてオイル缶にしていたが、運転手がマリオに変更されたのに伴い、COMキャラクターの妨害アイテムの多様化も図られ、たとえばドンキーコングJr.は好物の「バナナ」に変更された[11]。ほか、前を走っているカートを撃ちたくなったことで、「コウラ」が生まれ、大逆転要素の一つとして「イナズマ」が生まれた[11]

作曲者は岡素世[13]、坂東太郎。過去のスーパーマリオシリーズ作品のBGMはあまり使用されず、おばけ沼、クッパ城、スターによる無敵状態で流れるBGMを除いてオリジナルのものとなっている。

CM
発売当時のCMでは、マリオ達がレースをしているアニメーションが流れ、ゲーム中の映像は使用されなかった。ナレーションは広川太一郎が担当した[注釈 3]

スタッフ

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  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
  • プロデューサー:宮本茂
  • プログラマー:木村雅人、矢嶋肇、山本健二
  • C.G.デザイナー:杉山直、森直樹
  • サウンド・コンポーザー:岡素世、阪東太郎
  • イラストレーター:小田部羊一、MIE YOSHIMURA、小泉歓晃
  • マニュアル・エディター:手嶋敦史
  • ディレクター:杉山直、紺野秀樹

評価

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評価
集計結果
媒体結果
GameRankings93.60% (SFC)[15]
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム5/5stars (SFC)[14]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー8.5/10点 (SFC)[15]
ファミ通32/40点 (SFC)[16]
(ゴールド殿堂)
GamePro5/5stars (SFC)[15]
IGN9/10点 (Wii)[17]
NintendoLife9/10stars (Wii)[17]
7/10stars (New 3DS)[18]
Official Nintendo Magazine92% (SFC)[19]
ファミリーコンピュータMagazine24.57/30点 (SFC)[1]
(総合14位)
Cubed39/10点 (SFC)[20]
Electronic Games93% (SFC)[21]
HonestGamers10/10点 (SFC)[22]
Nintendojo9.5/10点 (SFC)[23]
Thunderbolt10/10点 (SFC)[24]
受賞
媒体受賞
SUPER FAMICOM Magazineゲーム通信簿部門別ベスト30
総合14位[25]
キャラクタ12位[25]
操作性17位[25]
熱中度9位[25]
お買い得度14位[25]
オリジナリティ19位[25]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・9・8・7の合計32点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[16]、レビュアーからの肯定的な意見としては、「『F-ZERO』のシミュレーター的味わいを薄め、ずっとゲーム寄りに仕上げている」、「キャラクターも個性がハッキリしてて◎」、「多くのフィーチャーを組み込んだおかげで、とても親切なゲームになっている」などと評されているが、否定的な意見としては、「好きに走れない分、イライラするなんて人もいる」、「シビアなバトルはあまり期待できない」、「『F-ZERO』ほどの衝撃はない」、「(F-ZEROと)どっちがいいかという比較は難しい」などと評されている[26]
  • ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、24.57点(満30点)となっている[1]。この得点はスーパーファミコン全ソフトの中で14位(323本中、1993年時点)となっている[1]。また、同雑誌1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」では、「同じ任天堂のレースゲーム、『F-ZERO』にはなかった2人対戦モードができるようになったのが大きな魅力だ」と紹介されている[1]。その他、『SUPER FAMICOM Magazine』1993年8月情報号特別付録の「スーパーファミコンオールカタログ'93」巻末に収録されている「部門別ベスト30」では、キャラクタ12位、操作性17位、熱中度9位、お買い得度14位、オリジナリティ19位を獲得している[25]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.45 3.85 4.00 4.34 3.88 4.05 24.57

脚注

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注釈

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  1. ^ 本作の時点ではバック走行はできない。
  2. ^ 正確には「2人で遊べる、2人の画面を同時に出すレースゲーム」[12]
  3. ^ 広川は同業他社であるセガのCMナレーションも同時期担当していた。

出典

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  1. ^ a b c d e 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、68頁。 
  2. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、194頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  3. ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、186頁。ISBN 978-4-902346-47-3 
  4. ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p6
  5. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、112頁。 
  6. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、144頁。 
  7. ^ VC スーパーマリオカート
  8. ^ 任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、11頁。 
  9. ^ 『任天堂公式ガイドブック スーパーマリオカート』小学館、1992年9月、126頁。 
  10. ^ Nintendo Switch Onlineからスーパーファミコンタイトルを配信開始、第1弾は20タイトル”. GAME Watch (2019年9月5日). 2019年9月6日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k l 紺野秀樹; 杉山直『「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」発売記念インタビュー 第4回「スーパーマリオカート篇」』(インタビュアー:左尾昭典)、任天堂、2017年9月21日https://www.nintendo.com/jp/topics/article/3228ce3a-8d29-11e7-8cda-063b7ac45a6d2020年6月1日閲覧 
  12. ^ a b 宮本茂; 紺野秀樹; 芦田健一郎『社長が訊く『マリオカートWii』』(インタビュアー:岩田聡)、任天堂、2008年4月3日https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/rmcj/vol1/index.html2024年1月29日閲覧 
  13. ^ Kiyoshi Tane (2018年12月27日). “幻のファミコン版『シムシティ』のプロトタイプが27年ぶりに発掘。スーファミ版との違いも解説”. Engadget. 2020年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月5日閲覧。
  14. ^ Weiss, Brett Alan. “Super Mario Kart”. Allgame. December 6, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月7日閲覧。
  15. ^ a b c Super Mario Kart reviews”. GameRankings. 2008年12月28日閲覧。
  16. ^ a b スーパーマリオカート まとめ [スーパーファミコン]/ ファミ通.com”. KADOKAWA CORPORATION. 2015年4月12日閲覧。
  17. ^ a b Super Mario Kart for Wii (2009) - MobyGames” (英語). Blue Flame Labs. 2018年8月25日閲覧。
  18. ^ Super Mario Kart for New Nintendo 3DS (2016) - MobyGames” (英語). Blue Flame Labs. 2018年8月25日閲覧。
  19. ^ “Super NES Review - Super Mario Kart”. Nintendo Magazine System (EMAP) 1: 20–24. http://www.meanmachinesmag.co.uk/pdf/supermariokartsnes.pdf?PHPSESSID=8de0bbed3648828556a66b0145ad1041 2008年12月28日閲覧。. 
  20. ^ Bianco, Karn Spyder Lee (2003年9月7日). “Super Mario Kart”. Cubed³. 2008年12月28日閲覧。
  21. ^ Electronic Games, December 1992, pp. 79-80
  22. ^ Venter, Jason. “Super Mario Kart : Staff Review”. Honest Gamers. 2008年12月28日閲覧。
  23. ^ Heckel, Nathan. “Reviews - Super Mario Kart”. Nintendojo. 2008年12月28日閲覧。
  24. ^ Kramer, Josh (2004年7月29日). “Super Mario Kart - SNES Review at Thunderbolt Games”. Thunderbolt. 2008年12月28日閲覧。
  25. ^ a b c d e f g 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、104-107頁。 
  26. ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、39頁。 

外部リンク

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