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G.222 (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィアット G.222から転送)

G.222

イタリア空軍のG.222

イタリア空軍のG.222

G.222は、イタリアアエリタリア(現アレーニア・アエルマッキ)社が製造したターボプロップ輸送機。しばしばG222あるいはG-222とも表記される。

概要

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高翼配置の主翼ターボプロップエンジンを二基搭載しており、主脚は胴体下側面のバルジ(膨らみ)に収納している。そして、胴体後部の貨物扉、水平尾翼の配置は通常形式と、C-130 ハーキュリーズからエンジンを減らしたイメージによく似ているため、「ミニ・ハーキュリーズ」とも呼ばれる。外見とは裏腹に機動性が高く、バレルロールを披露できるほどである。また、小型の機体に効率的な主翼を搭載しているためSTOL性に優れ、短い未舗装滑走路で運用することも可能である。

開発は、1962年北大西洋条約機構(NATO)による垂直離着陸輸送機(NBMR4)の要求に遡る。当初、リフトエンジンを搭載した垂直離着陸輸送機として開発が行われたが、これは途中で計画中止となった。その後、通常型の輸送機として開発が続行され、初号機は1970年7月18日に初飛行した。1972年イタリア空軍に制式採用され、C-119輸送機の後継として、1978年4月から部隊配備が開始された。輸出も行われ、1990年代後半からはアレニア社とロッキード・マーティン社が共同で改良を施した新世代型C-27Jに生産が移行している。

アメリカ軍での採用

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C-27A スパルタン

アメリカ空軍は、パナマ運河地帯を拠点にする南方軍で用いるための迅速反応戦域内輸送機(RRITA)として、1990年にG.222を採用した。比較的小型の機体のため、野原や小規模飛行場での運用に適していたためである。C-27A スパルタンの名称で10機が引き渡されたこれらの機体には、クライスラーが開発したアメリカ空軍向けの装備品が搭載されていた。

しかし、軍事予算削減の影響で1999年に運用終了となり、現在は民間登録されてアメリカ政府で運用されている。

運用国

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アフガニスタンの旗 アフガニスタン

アフガニスタン空軍機
イタリア空軍の中古機。2009年に導入したが部品不足に悩まされ、プロペラの予備部品が尽きた際は、世界で唯一同じものを使用していた海上自衛隊US-1のものがアメリカ経由で引き渡されていたが、現在はほとんどの機体がスクラップ処分となっている。

アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦ドバイ

アルゼンチンの旗 アルゼンチン

イタリアの旗 イタリア

輸送機型はC-27Jと交代済み。

大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国の旗 リビア

ナイジェリアの旗 ナイジェリア

ペルーの旗 ペルー

ソマリアの旗 ソマリア

タイ王国の旗 タイ

チュニジアの旗 チュニジア

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

ベネズエラの旗 ベネズエラ

諸元・性能

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出典: Taylor (1988). Jane's All The World's Aircraft 1988-89. Jane's Information Group. pp. pp. 143-144 
Bill Norton (2002). STOL progenitors: the technology path to a large STOL transport and the C-17A. AIAA. ISBN 9781563475764. https://books.google.co.jp/books?id=8zl09uULN8IC 

諸元

性能

  • 最大速度: 540 km/h (290 kn) M0.44※高度4,575m(15,000ft)時
  • 巡航速度: 439 km/h (237 kn) M0.36※高度6,000m(19,700ft)時
  • 航続距離: :* 最大積載時:1,371 km (740 nmi)
  • フェリー時:4,633 km (2,502 nmi)
  • 実用上昇限度: 7,620 m (25,000 ft)
  • 上昇率: 8.7m/s (1,705ft/min)
  • 離陸滑走距離: 662 m (2,172 ft)
  • 着陸滑走距離: 545 m (1,788 ft)


お知らせ。 使用されている単位の解説はウィキプロジェクト 航空/物理単位をご覧ください。
中型戦術輸送機の比較
日本の旗C-1 イタリアの旗G.222 イタリアの旗C-27J スペインの旗C-295 ソビエト連邦の旗An-26 ソビエト連邦の旗An-72
画像
乗員 5名 4名 3名 2名 5名 3 - 5名
全長 29.0 m 22.7 m 24.50 m 23.80 m 28.07 m
全幅 30.6 m 28.7 m 25.81 m 29.20 m 31.89 m
全高 9.99 m 9.8 m 8.60 m 8.58 m 8.65 m
空虚重量 23,320 kg 14,590 kg 17,000 kg 11,000 kg 15,200 kg 19,050 kg
最大離陸重量 45,000 kg 28,000 kg 30,500 kg 23,200 kg 24,000 kg 34,500 kg
最大積載量 11,900 kg 9,000 kg 11,500 kg 9,250 kg 5,500 kg 10,000 kg
発動機 P&W JT8D ×2 GE T64-GE-P4D ×2 RR AE 2100-D2A ×2 P&Wカナダ PW127G ×2 プログレス AI-24VT ×2 プログレス D-36 ×2
ターボファン ターボプロップ ターボファン
巡航速度 650 km/h 439 km/h 583 km/h 480 km/h 440 km/h 600 km/h
航続距離
  • 0 t / 2,400 km
  • 6.5 t / 2,185 km
  • 8 t / 1,500 km
  • フェリー時 / 4,633 km
  • 9 t / 1,371 km
  • フェリー時 / 5,926 km
  • 6 t / 4,260 km
  • 11 t / 1,852 km
  • フェリー時 / 5,220 km
  • 4.5 t / 4,300 km
  • 9.2 t / 1,445 km
  • 0 t / 2,550 km
  • 5.5 t / 1,100 km
  • フェリー時 / 4,800 km
  • 10 t / 800 km
最短離陸滑走距離 460 m 662 m 580 m 670 m 1,240 m 400 m
初飛行 1970年 1999年 1997年 1969年 1977年
運用状況 現役 (用途廃止中) 現役

派生型

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G.222RM
G.222
基本型。
G.222RM
電波航法援助施設点検機。
G.222SAA
消防型。
G.222T
リビア向け。アメリカ経済制裁によりT64 エンジンなどのアメリカ製部品が輸出できなかったため、ロールス・ロイスタインエンジンとヨーロッパ製計器を搭載している。
G.222VS
電子戦型。
C-27A スパルタン
アメリカ空軍向け。

外部リンク

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  • c-27j.com - C-27Jの公式サイト。英語
  • c-27j.ca - カナダ向けサイト。英語とフランス語