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フトミゾエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フトミゾエビ
フトミゾエビ Melicertus latisulcatus
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱(エビ綱) Malacostraca
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 根鰓亜目(クルマエビ亜目) Dendrobranchiata
上科 : クルマエビ上科 Penaeidea
: クルマエビ科 Penaeidae
: フトミゾエビ属
Melicertus Rafinesque, 1814
: フトミゾエビ M. latisulcatus
学名
Melicertus latisulcatus
(Kishinouye, 1896)
英名
Western king prawn

フトミゾエビ(太溝海老)、学名 Melicertus latisulcatus は、十脚目クルマエビ科に分類されるエビの一種。インド太平洋の温暖な海域に分布するエビの一種で、食用にもなる。

全長20cmに達し、クルマエビ科の中でも大型種の部類である。生体の体色は一様な淡黄色で縞模様はなく、同じくらいの大きさになるクルマエビクマエビウシエビ等と区別できる。額角は比較的短く、鋸歯は上縁に9-12個、下縁に1個ある。頭胸甲の中央は額角の隆起が後端まで続き、その両側に隆起より幅広いがある。和名はこの溝が他種より際立つことに由来する。他に日本での地方名としてシンチュウ、シンチュウエビ(各地)、スベリ(京都)、セーグヮー、シルセー(沖縄)等があり、これは真鍮に似た淡黄色の体色や平滑な体表に由来している[1][2][3][4]

南日本・オーストラリア・紅海まで、インド太平洋の温暖な海域に広く分布するが、クルマエビより暖かい水域を好む。日本近海では能登半島が分布北限で、この周辺では小ぶりだが、南西諸島産は大型になり漁獲量も多くなる。浅海の砂泥底に棲息し、7-9月に産卵する[1][3]。旬は秋ごろで、煮つけ天ぷらに利用される。

同属種

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フトミゾエビ属 Melicertus は、インド太平洋に8種が知られる[1][5]

  • Melicertus canaliculatus (Olivier, 1811) - ミナミクルマエビ
  • M. hathor Burkenroad, 1959
  • M. kerathurus (Forskål, 1775)
  • M. latisulcatus (Kishinouye, 1896) - フトミゾエビ
  • M. longistylus (Kubo, 1943)
  • M. marginatus (J. W. Randall, 1840) - テラオクルマ
  • M. plebejus (Hess, 1865)
  • M. similis Chanda et Bhattacharya, 2002

参考文献

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  1. ^ a b c 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620
  2. ^ 林健一『日本産エビ類の分類と生態 I 根鰓亜目』1992年 生物研究社 1992年 ISBN 4915342077
  3. ^ a b 本尾洋『日本海の幸 -エビとカニ-』11頁 1999年 あしがら印刷出版部 ISBN 4901217003
  4. ^ 諸喜田茂充『水産面の甲殻類研究者と沖縄での幼生研究』 2010年 日本甲殻類学会第48回大会シンポジウム『甲殻類研究の歩み』
  5. ^ World Register of Marine Species - Melicertus Rafinesque, 1814