フトミゾエビ
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フトミゾエビ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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フトミゾエビ Melicertus latisulcatus
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Melicertus latisulcatus (Kishinouye, 1896) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Western king prawn |
フトミゾエビ(太溝海老)、学名 Melicertus latisulcatus は、十脚目クルマエビ科に分類されるエビの一種。インド太平洋の温暖な海域に分布するエビの一種で、食用にもなる。
全長20cmに達し、クルマエビ科の中でも大型種の部類である。生体の体色は一様な淡黄色で縞模様はなく、同じくらいの大きさになるクルマエビ、クマエビ、ウシエビ等と区別できる。額角は比較的短く、鋸歯は上縁に9-12個、下縁に1個ある。頭胸甲の中央は額角の隆起が後端まで続き、その両側に隆起より幅広い溝がある。和名はこの溝が他種より際立つことに由来する。他に日本での地方名としてシンチュウ、シンチュウエビ(各地)、スベリ(京都)、セーグヮー、シルセー(沖縄)等があり、これは真鍮に似た淡黄色の体色や平滑な体表に由来している[1][2][3][4]。
南日本・オーストラリア・紅海まで、インド太平洋の温暖な海域に広く分布するが、クルマエビより暖かい水域を好む。日本近海では能登半島が分布北限で、この周辺では小ぶりだが、南西諸島産は大型になり漁獲量も多くなる。浅海の砂泥底に棲息し、7-9月に産卵する[1][3]。旬は秋ごろで、煮つけや天ぷらに利用される。
同属種
[編集]フトミゾエビ属 Melicertus は、インド太平洋に8種が知られる[1][5]。
- Melicertus canaliculatus (Olivier, 1811) - ミナミクルマエビ
- M. hathor Burkenroad, 1959
- M. kerathurus (Forskål, 1775)
- M. latisulcatus (Kishinouye, 1896) - フトミゾエビ
- M. longistylus (Kubo, 1943)
- M. marginatus (J. W. Randall, 1840) - テラオクルマ
- M. plebejus (Hess, 1865)
- M. similis Chanda et Bhattacharya, 2002
参考文献
[編集]- ^ a b c 三宅貞祥『原色日本大型甲殻類図鑑 I』1982年 保育社 ISBN 4586300620
- ^ 林健一『日本産エビ類の分類と生態 I 根鰓亜目』1992年 生物研究社 1992年 ISBN 4915342077
- ^ a b 本尾洋『日本海の幸 -エビとカニ-』11頁 1999年 あしがら印刷出版部 ISBN 4901217003
- ^ 諸喜田茂充『水産面の甲殻類研究者と沖縄での幼生研究』 2010年 日本甲殻類学会第48回大会シンポジウム『甲殻類研究の歩み』
- ^ World Register of Marine Species - Melicertus Rafinesque, 1814