フランス語訳聖書
フランス語訳聖書(フランスごやくせいしょ、フランス語: Traductions de la Bible en français)は、キリスト教聖書のフランス語への翻訳である。
概要
[編集]ラテン語聖書を使っていた中世にいくつか試訳が行われた後、近代になって様々に行われた[1]。最初にフランス語へ翻訳して印刷されたのは神学者・人文科学者の『ジャック・ルフェーヴル翻訳聖書』で、1530年にアントウェルペンで行われた。これは1535年にピエール・オリヴェタンにより大きな改訂が行われた。この聖書は1550年にルーヴェンで出版された最初のカトリック聖書の基礎となっていて、これはニコラ・ドゥ・リューズ(Nicholas de Leuze)とフランソワ・ドゥ・ラルバン(François de Larben)の作である。そして、1695年に完成した『ポール・ロワイヤル聖書』(Bible de Port-Royal)、その改訂版(1724年)はカトリックおよびプロテスタントに広く読まれた。
フランス以外に住むフランス語使用者は、スイスの神学者の『ルイ・スゴン翻訳聖書』(1880年完成、フランス語略称:LSG)を使う人も多い。これは1975年から1978年にかけて現代フランス語も使用して改訂されて、この改訂版はアメリカ聖書協会からも出版されている。2007年には完全に現代フランス語に訳した『スゴン21』(Second 21)がジュネーヴ聖書協会から発行されている。
20世紀になってカトリック教徒に広く使われた聖書に、エルサレム・フランス聖書考古学学院により1954年に出版された『エルサレム聖書』があり、多くの注釈付きでプロテスタントにも尊重されている。この聖書の改訂版は『エキュメニカル訳聖書』(Traduction œcuménique de la Bible、略称:TOB)としてカトリック・プロテスタントの共同訳聖書として出版されて、その後日本の『共同訳聖書』および『新共同訳聖書』を含めた各国の共同訳に大きな影響を与えている。
現代語の翻訳ではまた、2000年に完成してビブリカ(Biblica)から出版された『種まく人の聖書』(Bible du semeur、略称:BDS)もあり、これは考えの上で『ルイ・スゴン訳聖書』に寄っており、より現代語に近い。それから、1987年に聖書協会世界連盟(英語略称:UBS、フランス語: Alliance Biblique Universelle)が出版した『現代フランス語聖書』(Bible en français courant、略称:BFC)もある。
ユダヤ教の聖書『タナハ』(キリスト教聖書の旧約聖書)のフランス語版『ラビの聖書』(Bible du Rabbinat)は、1906年に完成され、1966年に改訂された。
また、エホバの証人により、1974年に『新世界訳聖書』が出版され、1995年に改訂された。
フランス語聖書の一覧
[編集]中世・近代・現代のフランス語聖書の一覧と各聖書の簡単な記述は、上のWikipediaフランス語版の記事にある。
フランス語比較
[編集]おもなフランス語聖書におけるフランス語の比較を示す
フランス語訳 | 創世記 (Genèse) 1章1節–3節 | ヨハネによる福音書 (Jean) 3章16節 |
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ルイ・スゴン翻訳聖書 Louis Segond (LSG) |
Au commencement, Dieu créa les cieux et la terre. La terre était informe et vide: il y avait des ténèbres à la surface de l'abîme, et l'esprit de Dieu se mouvait au-dessus des eaux. Dieu dit: Que la lumière soit! Et la lumière fut. | Car Dieu a tant aimé le monde qu'il a donné son Fils unique, afin que quiconque croit en lui ne périsse pas, mais qu'il ait la vie éternelle. |
種まく人の聖書 La Bible du Semeur (BDS) |
Au commencement, Dieu créa le ciel et la terre. Or, la terre était alors informe et vide. Les ténèbres couvraient l'abîme, et l'Esprit de Dieu planait au-dessus des eaux. Et Dieu dit alors: Que la lumière soit! Et la lumière fut. | Oui, Dieu a tant aimé le monde qu'il a donné son Fils, son unique, pour que tous ceux qui placent leur confiance en lui échappent à la perdition et qu'ils aient la vie éternelle. |
現代フランス語聖書 Bible en français courant (BFC) |
Au commencement Dieu créa le ciel et la terre. La terre était sans forme et vide, et l'obscurité couvrait l'océan primitif. Le souffle de Dieu se déplaçait à la surface de l'eau. Alors Dieu dit : « Que la lumière paraisse ! » et la lumière parut. | Car Dieu a tellement aimé le monde qu'il a donné son Fils unique, afin que quiconque croit en lui ne soit pas perdu mais qu'il ait la vie éternelle. |
参照: 日本語訳 新共同訳聖書 |
初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。 | 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。 |