フルスルファミド
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フルスルファミド Flusulfamide[1] | |
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別称 2'4-ジクロロ-a,a,a-トリフルオロ-4'-ニトロ-m-トルエンスルホンアニリド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 106917-52-6 |
特性 | |
化学式 | C13H7Cl2F3N4O4S |
モル質量 | 443.19 g mol−1 |
外観 | 淡黄色の結晶 |
匂い | わずかな芳香 |
融点 |
169.7-171.0℃ |
沸点 |
(250℃で分解) |
水への溶解度 | 1.25×103μg/L(pH6.3(蒸留水)、20℃) |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 132-180mg/kg(ラット、経口[2]) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フルスルファミド(英: Flusulfamide)は、ベンゼンスルホンアニリド系農業用殺菌剤の一種である。
用途
[編集]日本の三井東圧化学(現 三井化学)が開発した農業用殺菌剤で、野菜の根こぶ病に適用される。日本では1992年11月4日に農薬登録を受け、商品名に「ネビジン」「ザ・つまごい」などがある。[3]。欧州連合では認可を受けていない[4]。効果は、胞子の発芽を阻害することによる[5]。日本の毒物及び劇物取締法では、0.3%を越える製剤は劇物に該当する。ラットを用いた実験では、中枢神経および肝臓に影響がみられた[6]。
製造
[編集]1-(トリフルオロメチル)-2-クロロベンゼンとクロロスルホン酸を反応させ、さらに2-クロロ-4-ニトロアニリンを結合することにより製造される[7]。
日本国内での原体生産量は、平成22農薬年度(平成21年10月~平成22年9月)21.1トン、平成23農薬年度23.6トン、平成24農薬年度27.3トンであった[1]。
脚注
[編集]- ^ a b 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料 (PDF) (環境省)
- ^ 残留農薬基準の測定に係る食品衛生調査会毒性・残留農薬調査部会報告について(5) (PDF)
- ^ 『農薬毒性の事典 改訂版』
- ^ EU Pesticides Database, Stichwort Flusulfamide, abgerufen am 30. Januar 2013.
- ^ Wolfgang Krämer, Ulrich Schirmer, Peter Jeschke, Matthias Witschel (2011) (ドイツ語), [フルスルファミド, p. 873, - Google ブックス Modern Crop Protection Compounds], Wiley-VCH, p. 873, ISBN 978-3-527-32965-6
- ^ 2'4-ジクロロ-a-a-a-トリフルオロ-4'-ニトロメタトルエンスルホンアニリド(厚生労働省職場のあんぜんサイト)
- ^ Thomas A. Unger (1996) (ドイツ語), [フルスルファミド, p. 978, - Google ブックス Pesticide synthesis handbook], p. 978, ISBN 978-0-81551401-5
参考文献
[編集]- 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年、172頁。ISBN 978-4385356044。